相続・税金

副業で会社員の方に人気の不動産投資!住民税でバレる可能性があるのか?

2021/06/29
副業で会社員の方に人気の不動産投資!住民税でバレる可能性があるのか?

近年、会社員(サラリーマンやOL)の方を中心に不動産投資が人気を集めています。

一方で、これからやろうと思っている方の中で不安に感じている方もいらっしゃいます。それは、不動産投資をすることによって確定申告する必要があるため、「住民税の税額変更で会社に副業がバレてしまうのではないか?」ということです。

会社員で既に不動産投資を始めている方は、どのように対応しているのでしょうか。こちらの記事では、会社員の方が不動産投資をする際の留意点を解説していきます。会社にバレることに不安を感じている方は、最後までお付き合いください。

会社員の方で不動産投資をしている方の割合とは?

不動産投資に対して、敷居の高さを感じている方も多いようです。 

  • 「資産家や高収入の方だけが取り組んでいるもの・・・」
  • 「自分のような平均年収程度の会社員には無縁・・・」

このように考えている会社員の方も少なくないでしょう。

しかし、実際はそうではありません。むしろ、近年は会社員の間で不動産投資を始める方が増えています。それでは、実際にどのくらいの割合の方がやっているのでしょうか。下記の表をご覧下さい。

出典:不動産投資と収益物件の情報サイト健美家(けんびや) 

不動産投資と収益物件の情報サイト健美家(けんびや)が公表した資料によると、不動産投資をやっている方の職種の56.0%が会社員の方となっています。驚くべきことに、不動産投資をやっている方の2人に1人以上は、会社員の方であるということなのです。

さらに細かくみてみると、会社員で1年以内に始めた方および2年~4年の投資履歴の方が約35%を占めており、急激に会社員の方で不動産投資を始めた方が増えたことが分かるデータとなっています。

会社員の方にとって、不動産投資が向いている理由とは?

なぜ、会社員の方で不動産投資を始める方が急激に増えているのでしょうか。それは、会社員という職業が不動産投資に向いているということに他なりません。

会社員の方が、不動産投資に向いている理由をいくつか挙げていきたいと思います。 

節税対策になる

不動産投資を行ったうえで発生する利益および損失は、「不動産所得」として確定申告を行う必要があります。この確定申告で、会社員として得た「給与所得」と不動産投資で得た「不動産所得」を損益通算することが可能なのです。

具体例で説明しましょう。

例として、会社員として得た給与所得が600万円だとしましょう。特に不動産投資をやっていなければ、この課税所得600万円に対して税率をかけることにより所得税が算出されることになります。

一方、不動産投資をやっている場合には、税金(固定資産税・都市計画税)や減価償却費、金融機関からの借入の利息などを経費計上することが出来ます。もし、不動産所得がマイナス200万円となった場合には、給与所得と損益通算され、課税所得が「600万-200万円=400万円」となるのです。

課税所得が落ちることによって、所得税や翌年の住民税が下がる形となり、節税することができます。 

老後の年金対策になる

不動産投資は、一般的に物件購入時に必要資金を金融機関から融資を受けます。そして、毎月の家賃収入の中からローン返済していくという仕組みです。

ローン返済が終了してしまえば、その後は毎月家賃収入が入ってくる形になります。もし、家賃収入が8万円取れる投資用不動産を3件所有していれば、月に24万円の収入となります。

昨今、年金が減り続けているということは、皆さんも報道等でご認識の通りです。ローンを完済した投資用不動産を所有していることで、「何歳からどのくらいの金額を受け取れるのか」といった不安を抱えずに老後を迎えることが可能になるのです。

本業をやりながらでも手間がかからない

不動産投資以外にも、世の中には多くの投資が存在します。皆さんの周りにも、株式投資、FXなどをやっている方も多くいらっしゃるでしょう。

しかし、これらの投資は日々ファイナンスの動向を細かくチェックする必要があります。毎日、15分程度チェックするだけでも、1週間で1.5時間以上、1ヶ月で6時間以上はそれに時間を費やすことになります。

一方で、不動産投資は入居者がいれば安定的に家賃収入が得られる形になりますし、管理も管理会社へお願いすることによって、家賃の回収業務や入居者の募集などもやってもらえる形になるのです。やることといえば、年に1度の確定申告と1ヶ月に一度あるかないかの管理会社とのやりとりだけです。このため、会社員の方で本業をやりながらでも手間がかからないため、取り組みやすくなっています。

会社員の方は住民税で副業がバレるのか?

会社員の方で副業がバレてしまうのは、どのようなケースでしょうか。それは、住民税の金額に注目された場合です。

住民税は前年の所得に応じて、毎年6月がスタートとなり給与から天引きされます。よって、5月の下旬頃までにはお住まいの自治体から勤務先宛に、誰からいくらの住民税を特別徴収するのかといった一覧が郵送されます。その際に、一覧を見た勤務先の給与担当者が、「給与所得に見合わない住民税の金額」だと気づいてしまう可能性があります。

給与担当者は、多くの方の給与情報や税金の情報を扱っています。そのため、「このくらいの所得であれば住民税は大体いくら」という情報は頭に入っていると思われますので、甘くみてはいけません。住民税額が高いと、他に何か所得があるのではないか、副業をやっているのではないかと疑われることになるのです。

住民税によってバレることを防止するためには、徴収方法を変えることです。確定申告書類の中に、「特別徴収」か「普通徴収」を選択する欄があります。

「特別徴収」は、毎月の給与から天引きされる方法、「普通徴収」は、自宅に納付書が送られてきて、ご自身で納付する方法です。普通徴収を選択することによって、住民税の金額自体を勤務先に知られずに済むことになります。

しかし、今まで特別徴収だったのに、「なぜ急に普通徴収にしたのだろう」となります。イレギュラーとなるため、勤務先から質問される可能性もあることにご留意ください。

必ず、勤務先の就業規則を確認すること

会社員で不動産投資を始める前に、勤務先の就業規則の確認をしましょう。

特に「副業の禁止」などの文言がある場合には、要注意です。就業規則に違反してしまうと、懲戒を受けることになります。会社によって規定は様々ですが、「けん責」、「減給」、「出勤停止」、「降格」や最悪の場合には「解雇」といった処分を受けてしまう可能性があります。よって、会社にバレなければいいや、と黙って不動産投資をすることはオススメしません。

もし、行う場合には勤務先にきちんと相談するようにしましょう。

会社が副業を禁止している背景としては、「本業への影響」の側面が強いケースが一般的です。つまり、副業によって本業の時間が削られてしまう、またパフォーマンスが落ちてしまうことを危惧しているのです。

前述のように、不動産投資は本業に支障がない範囲で行うことが出来ます。不動産投資は、副業ではなく資産運用の一環であると認定されている方もいらっしゃいます。何よりも、近年会社員の方で不動産投資を始めている方が多くなっているのも、その証左です。

きちんと相談することで、会社から認めてもらえる可能性が高いです。とにかく就業規則の確認、そして相談をしましょう。

まとめ

会社員の方が不動産投資をやっていることが、会社にバレないかどうかについては、完全に隠し通すことは難しいと思われます。

黙ってやってしまうと、処分を受けてしまう可能性があるため、事前に相談し許可を得てから始めていただくことをオススメします。

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八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ(不動産投資)プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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