不動産投資をする際には、融資を受けて不動産を購入するのが一般的です。
金融機関などで融資を受ける際には、担当者との面談があります。
なぜ、書類だけではなく対面での面談があるのでしょうか?また、融資面談の際の服装はスーツでなくてはならないのでしょうか?
こちらの記事では、面談の際に言ってはいけないNGワードや気を付けた方が良い立ち振る舞いについて解説していきます。
ぜひ最後までお付き合いください。
なぜ融資の際に面談が行われるのでしょうか。
人柄や態度を見ているのか?と思われがちですが、それが真の目的ではありません。
金融機関が融資の審査を行う上で、定量面と定性面の2つの視点から、その会社の分析・審査を行います。
定量面は、数値や数量に着目して捉えることを指します。
例えば、「売上金額がいくら」とか「●年で黒字化」などです。
数値や数量は、全世界どこに行っても共通の概念になるため、認識の齟齬を心配する必要はほとんどありません。
その意味においては、どの金融機関においても定量面の評価は、似たり寄ったりになるケースが多くあります。
一方で、定性面は数値化できない部分に着目して捉えることを指します。
数字を使わないと、どうしても抽象的な表現になってしまい、認識の齟齬を生みやすくなります。
ほんの小さな認識のズレであっても、後々大きなトラブルを招く可能性があるため、きちんと認識を揃える場面が必要になってきます。
それが「融資面談」が行われる真の目的です。
もう1点、考え方として大切なことがあります。
それは、金融機関の融資担当者は、オーナーの敵ではないということです。むしろ、どちらかと言えば味方になります。
なぜでしょうか。
金融機関は、お金を貸した際の利息で利益を上げていきます。
つまり融資担当者は、融資を実行して自身の評価が上がることになり、出来ることなら融資を行いたいのです。
しかし、そのためには上長への稟議を上げ、それを通過させなければなりません。
融資面談では、融資担当者が稟議を上げやすいように、オーナー側の情報提供を行うとスタンスで行くと上手く物事が進む可能性が高くなります。
一般的には、個人に融資を行う際の審査に服装は影響しないと言われています。
ですから、よほど変な格好をしていかない限り、服装で融資の可否が決まってしまうといったことはないでしょう。
しかし、ご自身が営業マンで、商談を行うために社外の方と会う時のことを想像してみてください。
少なくともラフな格好で行く方は、いらっしゃらないと思います。
融資面談は、お金の相談をする場でもあります。
つまり、商談と同じであると捉えておいた方が無難です。
スーツの着用の義務はありませんが、持っているのならば着ていった方が良いでしょう。
立ち振る舞いに関しても同様です。
家電量販店でテレビコーナーの営業マンから声をかけられているわけではありません。
稀に、営業マンに対して、タメ口で話しているケースや、横柄な態度を取っている方がいらっしゃいますが、そのような対応は論外です。
きちんと、ビジネスと同様に礼儀や言葉遣いなどに気をつけるようにしましょう。
融資担当者は、何十人、何百人と面接している百戦錬磨の方たちです。鋭い突っ込みを入れられることもあるかもしれません。さらには、こちらが不快に感じる質問をあえてすることもあります。
その際にも、決して怒ることなく冷静に答えるようにしてください。
あくまで、「この人に本当にお金を貸しても大丈夫なのか?」という視点で人間性を見ているのです。
融資面談の前には、融資の申し込みをします。
融資を申し込むに際しては、事業計画などで資金繰りが決まっていることが前提となっています。
本当にきちんと計画を立てている方であれば、「●●●●万円借りたいです」となるはずです。
「どのくらいなら借りることが出来ますか?」は、裏を返せば「実際にどのくらいの資金が必要になるかが、曖昧できちんと分かっていない」と捉えられてしまうことにもなります。
つまり、事業計画がきちんと出来ていないか、出来ていても借りる方が理解していないと解釈され、融資に影響を及ぼす可能性があることを覚えておきましょう。
不動産投資をはじめとする投資全般について言えることですが、リスクはつきものです。
融資担当者から、「この事業計画において不安はありますか?」と聞かれたとします。
リスクがある以上、「特に不安はありません」という回答は、「この人は本当にリスクを認識出来ていないのでは?」と判断されてしまうこともあります。
融資担当者は、「貸したお金がしっかりと返済されるかどうか」つまり、「リスクをどの程度認識し、それを回避するための対策をどのように講じているか」の視点で見ています。
つまり、「●●をリスクとして認識していますが、これについては、▲▲といった対策を取っています」といった回答が望ましいといえるでしょう。
ご存知の通り、金融機関は数えきれないくらい多くの数が存在しています。
融資担当者から、「なぜ、うちの銀行から融資を受けようと思うのか?」と聞かれることがあります。
一般的には、「既に給与口座として利用していて縁があるから」とか、「対象物件に近い金融機関だから」という理由が一般的です。
このような中で、「御行は、不動産投資の融資に非常に積極的であると伺っております。」という言葉は大変危険なワードです。
担当者によっては、「うち(金融機関の)の取り組みを理解してくれている。」と前向きに捉えてもらえる可能性もあります。
しかし、受け取り方によっては「うちの融資が緩いから来たのか。」と捉えられかねません。
このように受け取られてしまうと、融資担当者の心証は悪くなります。
相手の捉え方によって、マイナスに転がる可能性のある言葉は使わないようにしましょう。
不動産投資は、「投資」なので、必ずしも成功するわけではありません。
それは、金融機関も承知の上です。
しかし、儲かるか損をするか分からないといった「投資」を前面に出して話をしてくる人に対しては、あまり良い印象を抱かない可能性が高いです。
あくまで、「不動産投資を通じて資産形成を図りたい」などの理由の方が好印象となることは間違いありません。
金融機関側は、どのような物件に融資をしたいのでしょうか。
それは、物件自体の評価が高くて、万一、オーナーが破綻してしまったとしても物件を処分した際に返済が見込める物件になります。
とはいえ、その物件によってオーナーが成功することが一番です。
「融資金額や融資期間が●●であれば、月々の返済は▲▲になります。家賃収入に対する返済額の割合は、■■%となり、キャッシュフローとしては十分に成り立つものと考えております。」
といった形で、利回り・資金繰りについて何も見ることなくご自身の言葉で伝えられると最高です。
しっかり話せるように事前にシミュレーションをしておくと良いでしょう。
不動産投資の融資面談の際の服装や気を付けるべき立ち振る舞いについて解説してきました。
ご理解いただけたでしょうか。
実際に今後融資面談の予定がある方は、こちらの記事で紹介した内容を参考にしていただき、NGワードに気を付けながら臨んでみてください。