近年、「シェアハウス」がニュースなどでも多く取り上げられるようになりました。
1つの建物にそれぞれの個室が存在し、複数の人たちでシェアをして暮らすというものですが、知らないという人はほとんどいないでしょう。
シェアハウスの中でも、特に「コンセプト型」が人気を集めています。
コンセプト、つまり共通の志向を持った方が一緒に住むことになります。
こちらの記事では、コンセプト型シェアハウスに投資するメリットや運営していく上での留意点について解説していきます。ぜひ最後までお付き合いください。
「シェアハウス」は、多くの方に馴染みがある言葉になってきました。
1つの建物の中にそれぞれの入居者の個室があり、基本的にバスやトイレ、リビングなどは住んでいる方全員で「シェア」するという形です。
シェアハウスは、仲の良い友人が同居するケースもあれば、今まで全く顔も知らなかった方と一緒に住むことになるケースもあります。
これらの入居者理由は、「家賃が安いから」と経済的なメリットを挙げているケースが多いです。
「コンセプト型」の方は、単なるシェアにとどまらず、「同じ試験を目指していて一緒に勉強する者同士」で住んだり、「音楽やスポーツなど同じ趣味を持つ者同士」が一緒に住んだりといった、「共通の目的」を持つ人たちのためのシェアハウスです。
近年、こちらの「コンセプト型」が人気を集めています。
資格試験の合格に向けて勉強する仲間や、起業などに向けて一緒に事業計画を練る仲間など、同じ目標を目指している人を募集する方法があります。
自ずと、入居者同士の連帯感は高まるといえるでしょう。
音楽やゲーム、アウトドアなど同じ趣味を持った人を募集する方法もあります。
一緒に音楽を聴く、また音楽ついての話をする、休みの日には共通の趣味(例えば山登りなど)に出かける。
周囲に同じ趣味を持っている人がいることで、そこに住んでいる人のプライベートは満足度の高いものとなるでしょう。
コンセプト型シェアハウスは、一戸建てやファミリータイプの床面積(50㎡~80㎡)がある物件に個室の数だけ入居者を募集することで運営していきます。
3LDKのマンションであれば3名、4LDKの一戸建ての場合には4名といった形です。
例えば、ご自身が4LDKの一戸建てのオーナーだったとしましょう。
物件があるエリアや築年数、駅からの徒歩距離など様々な条件によって取れる家賃は変わってきますが、ここでは1つの家族に貸して16万円の家賃収入があるとします。
それを1つの家族ではなく、4人の単身者にそれぞれ5万円の家賃で貸したら、月々4人×5万円=20万円の家賃収入を得られることになるのです。
バスやトイレは、元々あるものを皆が共用で使用することになるため、新たに設置する必要もなく、コストも必要最低限の改装のみで済みます。
このように、今までの家賃よりも多く取れる可能性があります。
またコスト面も、そこまで大きくはかかるものは存在しないことから、収益率が良くなる可能性が高いのです。
入居者にとっては、イニシャルコスト(初期費用)及びランニングコスト(月々の家賃など)が安いということが大きなメリットです。
ワンルームなどの一般的な賃貸物件は、入居時に敷金・礼金・保証料・仲介手数料などの物件に関連する費用や、洗濯機・冷蔵庫・テレビなどの家電代がかかります。全て合わせると数十万になるケースが多くあります。
参照:クロスハウス
しかし、コンセプト型シェアハウスなら、初期費用が数万円で抑えられる可能性があります。
これならば、これから住む側にとっては非常にリーズナブルです。
また、家賃も同様です。
都内の各エリアにおける「シェアハウス」と「アパート」の平均は以下のようになっています。
エリア | 吉祥寺 | 池袋 | 新宿 | 渋谷 | 蒲田 | 浅草 |
シェア ハウス 平均家賃A (円) | 48,038 | 57,834 | 73,700 | 70,370 | 66,767 | 57,223 |
アパート 平均家賃B (円) | 77,772 | 64,869 | 97,094 | 208,284 | 103,014 | 75,750 |
A/B | 61.8% | 89.1% | 75.9% | 33.8% | 64.8% | 75.5% |
参照:オークハウス
エリアによって、シェアハウスとアパートの家賃比率に差がありますが、概ねアパートの60%~80%程度で入居することが出来るのです。
初期費用及び家賃の安さによって空室率の低減に寄与する可能性が高く、オーナーにとっては、非常に魅力のある投資となります。
一般的なマンションやアパートにおいて、隣人と顔を合わせる頻度はそこまで多くありません。
仮に、同じマンションやアパートにあまり属性が良くない方がいたとしても、そのこと自体が周知されるのに時間がかかるか、周知すらされずにそのまま住んでいるという場合があります。
すぐにクレームになるとすれば、深夜に騒いでいる方がいるとか、ゴミ出しのマナーが悪いといった周りの方が直接迷惑を被るというケースになります。
将来的なことを考えるとこれはこれで問題ですが、すぐに入居者が出ていってしまうことにはならない可能性が高いです。
一方、コンセプト型シェアハウスにおいては、同じ空間を使用することもあるため、属性が悪い入居者がいると、すぐにクレームに繋がります。
場合によっては、そこにいる入居者が一気に退去することにもなりかねません。
そうなると、家賃収入が一気に減少し、キャッシュフローに影響を及ぼす可能性があるのです。
また、手を打たないと、その後も属性が悪い方がいるために、新規入居者が入ってきてはすぐに退去してしまうという悪循環に陥ってしまいます。
まともな方が退去に追い込まれ、そうでない方が残るという状況は、運営上非常に由々しき事態なのです。
これを防ぐためには、入居時の審査を厳しくする方法があります。
また、ルールを設定して守れない場合には退去してもらうというような誓約書を書いてもらう必要があります。
一般的な不動産投資は、管理にあまり手間がかかりません。
部屋の中の掃除や備品の補充なども入居者の責任で行います。
管理手数料を支払うことで、管理会社に依頼してしまえば、オーナーが日常的にやることはほとんどありません。
一方、コンセプト型シェアハウスでは部屋の中の掃除や備品の補充が入居者ではなく、オーナー側で行うことが一般的です。
オーナー自身で全てをやろうとすると、週に数回は物件に足を運ばなくてはならないでしょう。
管理会社に依頼する手もありますが、管理費は20%程度と割高になる点については留意が必要です。
コンセプト型シェアハウスとして使用する物件を購入します。
その後、内装を変更するなどのリフォームを実施する流れです。
シェアハウスとして利用するため、各部屋の広さに大きな差がないことが望ましいです。
また、バスやトイレが最初から別であることは必須です。購入後に分けるとなると、費用が余計にかかってしまいます。
物件が確定したら、コンセプトを設定し、それに伴ったリフォームを行います。
例えば、音楽が好きな方に入居してもらいたい場合には壁を防音にするなどです。
また、資格試験などを目指す方に入居してもらいたい場合には、集中して勉強に取り組めるような壁の色や机の配置などもこのタイミングでイメージしておかなければなりません。
内装が完了したら、いよいよ入居者募集です。
インターネットを介した募集が多くなっています。
運営のスタートに際しては、前述のようにルールの設定が非常に重要です。
後になってトラブルにならぬように、入居時点できちんと規則を作っておくようにしましょう。
コンセプト型シェアハウスについて解説してきました。
一般的な不動産投資と比較すると、管理がやや煩雑になる点が気になることではありますが、高い収益率を見込めるという点では非常に魅力的な投資です。
興味を持った方は、こちらの記事を参考にしていただき、スタートしてみてはいかがでしょうか。