不動産投資でもし詐欺にあってしまったときの対処法とは?騙しの手口も解説します 八木 チエ 2022.09.20 不動産投資をはじめる前に 「不動産投資の騙しの手口が知りたい」「不動産投資で騙されたときの相談先が知りたい」 不動産投資を検討している方の中には、上記のような不安を感じている方も少なくないでしょう。 不動産投資で騙されたという話を聞いたことがある人も多いからです。 事実として不動産投資でお金を騙し取られる可能性があるため、不安を感じるのは当然のことと言えます。 では、騙されないないためにはどうすればいいのでしょうか? 不動産投資でお金を騙し取られないためには、騙しの手口をよく理解しておくことが重要です。 この記事では不動産投資の騙しの手口と騙されないポイント、万が一騙された際の対処法について解説していきます。ぜひ最後までお読みください。 目次不動産投資で代表的な6つの騙しの手口 不動産投資で騙されないためのポイント 不動産投資はリスクがあることを理解しておくことが騙されないために最も重要不動産投資で詐欺にあったときの対処法 まとめ 不動産投資で代表的な6つの騙しの手口 不動産投資の主な騙しの手口は以下の6つの手口があります。それぞれについて詳しく説明していきます。 手付金を騙し取られる「手付金詐欺」 不動産を購入する際に支払う手付金を騙し取る手口です。 売り主が受け取った手付金を持って雲隠れし、物件の引き渡しも行いません。 手付金とは不動産取引時に買い主が売り主に渡す金銭のことで、契約する意志があることの証明や自身の都合で解約する際に債務不履行に対する賠償金として使用されます。 手付金は物件価格の5〜10%程度で設定されていることが多く、6,000万円の物件の場合は300万円〜600万円です。 手付金は契約時に支払うことが一般的で、実際に物件の引き渡しの前に支払うことになりますので、物件が存在していない場合はこのタイミングで気づきにくいわけです。 こういった手口に騙されないためには、謄本を取得して、契約書に記載されている内容と同じかどうかなど、きちんと物件が存在していることを確認するのと同時に、仲介会社だけではなく、売主の同席などもするようにすることが重要です。 1つの物件を複数人に売却する「二重譲渡詐欺」 二重譲渡詐欺は1つの物件を複数人に売却して、購入代金を騙し取る手口になります。 例えば、Aさんが先に契約して物件の購入金額を支払ったとしても、Bさんが先に登記を行ってしまうと、Aさんは「物件の所有者である」と主張できません。 そのため、Aさんは購入代金を騙し取られたうえに、物件を所有できないという事態になってしまいます。 こういった事態を防ぐためには、物件の所有者が売り主であるかを確認することや、登記をできるだけ速やかに行うことが重要です。 ちなみに、ローンで物件を購入する場合は、銀行のローン担当者や不動産会社の担当者、司法書士などが同席して、代金を決済してその場で登記手続きを行うので、二重譲渡詐欺が起こる可能性は極めて低いです。 海外の実態がない不動産を買わされる「海外不動産投資詐欺」 海外不動産投資をする際に海外の実態がない物件を購入させ購入代金を騙し取ったり、実際の価格よりも高い値段で売却し、実際の代金との差額を騙し取る手口になります。 海外に購入する物件があるため物件の情報が集めにくく、現地で物件を実際に見にいくことが難しいことが、こういった詐欺が行われる主な原因です。 また、東南アジアの国では物件の竣工前に物件を購入するプレビルド方式という形式の販売手法が一般的で、物件を購入する段階では更地の建築予定地があるだけということも珍しくないことも理由のひとつになります。 そのため、信頼できる不動産会社を見極めることや現地に行って自身で現地の情報を集めることで、騙されるリスクを軽減することが可能です。 レントロールを改竄する「満室詐欺」 物件に一時的に身内などを居住させて満室にあるように見せかけ、優良な物件であるように見せる騙しの手口です。 満室の優良物件であると見せかけることで、物件の売却金額を相場よりも引き上げて実際の評価額以上の金額で売却します。 中にはレントロールを改竄して、満室がずっと続いてるように見せることで信頼できると思わせるケースもあるため、注意が必要です。 こういった事態を防ぐためには、信頼できる不動産会社と取引を行うことや、レントロールを確認して売り主と同じ名字の入居者がいないのか、直近で一気に入居者が増加していないかを確認することが重要になります。 恋愛感情を利用した「デート商法詐欺」 昔からよくある手口ですが、恋愛感情を利用して投資用不動産を勧めて、多額の資金を騙し取る手口になります。 最近では、マッチングアプリやSNS、出会い系アプリを使用したものが増えており、騙される人が跡を絶ちません。 ちなみに、2019年6月の消費者契約法によって、上記のようなデート商法による勧誘で契約した場合は、契約が取り消せるようになっています。 ただし、「社会生活上の経験に乏しい」といった要件があるため、注意が必要です。 不動産投資で住宅ローンを利用させる手口 不動産会社の担当者が自身の成績のため、住宅ローンで投資用物件を購入させる手口になります。 住宅ローンは居住用物件の購入にしか利用できない一方で、金利が投資用ローンと比較して安くなっており、審査のハードルも低く設定されているためです。 住宅ローンで物件が購入できると買い主にメリットがあるため、購入を悩んでいる人の中には「問題ない」などと言われ、つい利用してしまう人も少なくありません。 しかし、金融機関に投資用不動産で住宅ローンを利用したことがバレてしまうとローンの残債を一括返済するように求められます。中には一括返済できず、自己破産まで追い込まれた人もいます。 こういった手口に騙されないために、住宅ローンは居住用物件にしか利用できないことをよく理解しておいてください。 不動産投資で騙されないためのポイント 不動産投資で騙されないためには、以下の6つのポイントが重要になります。 「絶対儲かる」などの営業トークに気をつけるリスクについて説明しているかを確認するおとり広告の中身を確認する資本金や住所、実績など不動産会社の情報を確認する不動産投資の正確な知識を身につける信頼できる投資家仲間をつくる それぞれについて説明していきます。 「絶対儲かる」などの営業トークに気をつける 騙されないために重要になるのが、「絶対に儲かる」や「元金保証」、「高利回り」といった甘い言葉に気をつけることです。 不動産投資は名前のとおり投資になります。 投資は当然ですがリスクがあるもので、リスクを軽減することはできても、無くすことはできません。 そのため、元金保証されることや絶対に儲かると言える投資は、存在しないことを覚えておきましょう。 さらに、高利回りの投資には、必ず利回りが高い理由があります。 例えば、「物件が築古のため、高利回りである」ことや「ハイリスクだからハイリターン」といった要因です。 リスクについて説明しているかを確認する 前述のとおり投資には、必ずリスクがあります。 そのため、リスクを説明しないということは、少なからず相手に騙そうとする気持ちがあるということです。 特にリスクについて尋ねても、きちんと説明してくれない場合は要注意と言えます。 そのため、不動産投資をする際は、必ず不動産会社の担当者にリスクについて質問するようにしてください。 おとり広告の中身を確認する 不動産会社はすでに取引が終わっている物件を掲載し続け、それをフックに問合せにつなげようとするおとり広告を使用しているケースがあります。 ご興味がある物件を問合せしてみて、その物件はすでに取引が終わっていて、他の物件を売りつけられる場合は、その業者をやめるといいでしょう。 なお、おとり広告は宅地建物取引業法32条に違反する行為になります。 資本金や住所、実績など不動産会社の情報を確認する 取引をする不動産会社の信頼性を確かめることは非常に重要になります。 不動産投資で騙そうとする不動産会社は、実態がない会社が多いためです。 そのため、不動産会社のホームページから資本金や住所、販売実績などを確認するようにしてください。 ただし、ホームページの情報はいくらでも嘘の情報を記載することができるため、記載している住所に会社があるかを確認することが必要です。 例えば、雑居ビルの1室が会社の住所になっている場合は信頼性の低い会社である可能性があります。 会社の謄本取得もできますので、不安に感じる場合はきちんと謄本を取得して確認するといいでしょう。 不動産投資の正確な知識をつける 不動産投資で騙されないためには、不動産投資の正確な知識を身につけることが最も重要なポイントになります。 知識があれば不動産投資にリスクがあることも理解できますし、担当者の言動におかしな点がある場合も気づけるためです。 したがって、不動産投資を始める前には、当サイトのようなメディアを通じて不動産投資について勉強をすることをおすすめします。 信頼できる投資家仲間をつくる 信頼できる不動産投資家仲間を作ることで、騙される可能性が低くなります。 先輩の投資家などに相談することで、取引の問題点について指摘してもらえるためです。 ただし、投資家仲間が騙そうとする可能性もあるため、信頼できるか慎重に見極めるようにしてください。 不動産投資はリスクがあることを理解しておくことが騙されないために最も重要 不動産投資を行ううえで、絶対に理解しておくべきことが「不動産投資はリスクがある」ということです。 これを理解しておくだけで、不動産投資で騙される可能性は格段に低くなります。 不動産投資は詐欺ではなくてもリスクがある 不動産投資は詐欺に合わなくても、失敗する可能性があることをよく理解しておくことが重要です。 例えば、「購入した物件の立地条件が悪く入居者が集まらない」ケースや「海外不動産投資で物件を購入した国で政権交代が起きて政府に物件が没収されてしまう」ケースなど、さまざまな要因で失敗する可能性があります。 このことを理解しておくことで、甘い言葉を掛けられても「ありえない」と判断することが可能です。 リスクがあると自覚することで慎重に投資ができるようになる リスクがあることを自覚することで、慎重に物件の条件や利回り、リスクなどを考えて投資できるようになります。 一方で、リスクがあることを理解していないと、儲け話をつい信じてしまい騙されてしまう可能性は決して少なくありません。 リスクがあると理解しておくことで、儲けるために物件の条件などさまざまの情報を集めて情報の信憑性を確かめようとするためです。 不動産投資で詐欺にあったときの対処法 不動産投資で詐欺にあったときの対処法として、以下の3つの相談方法があります。 消費生活センターに相談する免許行政庁に相談する弁護士に相談をする それぞれについて説明していきます。 消費生活センターに相談する 最も身近な相談先として、消費生活センターがおすすめです。 騙された内容などについて相談することで、今後の対処法などについてアドバイスをしてくれます。 なお、相談先がわからない場合には、「188(消費者ホットライン)」に電話することで、近くの消費者センターを案内してくれます。 免許行政庁に相談する 不動産会社などから無理な勧誘や契約を迫られた場合は、国土交通省の免許行政庁に相談することをおすすめします。 無理な勧誘や強引に契約をさせようとする行為は禁止されているため、悪質な不動産会社には行政処分などが下される可能性が高いです ただし、相談する際に不動産会社の名前や担当者の名前などが必要になるため、やり取りを記録しておくようにしてください。 弁護士に相談をする 法的なトラブルの場合は、弁護士に相談することをおすすめします。 法律の専門家である弁護士に相談することで、問題をスムーズに解決できる可能性が高いです。 なお、依頼をする際は不動産投資や不動産関連の問題について実績のある弁護士に依頼するようにしてください。 実績のある弁護士のほうが、短期間で解決できる可能性が高いためです。 まとめ 不動産投資は悪質な不動産会社が甘い言葉で騙そうするなど、さまざまな騙しの手口でお金を騙し取ろうとします。 また、売り主側が騙してくるケースもあるため、注意が必要です。 こういった事態を防ぐためには、不動産投資詐欺で騙されないポイントや騙されたときの対処法についてよく理解しておく必要があります。 ぜひ、この記事を参考にしていただけると幸いです。