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不動産投資とは

不動産投資における「路線価」・「積算評価」とは? それぞれの算出方法と、どんな時に使うのかを解説!

2021/09/09

路線価」・「積算評価」というワードを目にしたことはある方も多いのではないでしょうか。

路線価は、主に相続税や贈与税などの税金の計算に用いられます。

また、積算評価は、購入しようとする不動産価格が適正であるかどうか、また金融機関が融資をする際の判断に用いられるケースが多いです。

こちらの記事では、路線価・積算評価をどんな時に用いるのか、またどのように算出するのかについて解説していきます。ぜひ最後までお付き合いください。

不動産投資における路線価とは?

路線価は、税金を計算する際に基礎となる価格のことです。厳密にいえば、路線価には「固定資産税路線価」と「相続税路線価」とがあります。一般的には「相続税路線価」のことを「路線価」と呼んでいるケースが多いです。

不動産の「相続」、「贈与」の他、土地の取引が行われる際に取引価格の目安に活用されます。国税庁が毎年1月1日時点で評価を行い、その年の7月1日に公表を行うことになっています。

最新の路線価は、2021年7月1日に公表されています。下記のリンクからご覧いただけますので、興味のある方はご覧になってみてください。
参照:国税庁

参考までに、東京都港区赤坂の路線価表で実際の見方を示しておきます。
参照:国税庁

路線価の他に、「基準地価」や「公示地価」といった指標もありますが、良く分からないといった方もいらっしゃると思います。

調査の主体や公表される時期に違いがありますので、下記の表でご確認ください。


路線価

基準地価

公示価格

調査の主体

国税庁

都道府県

国土交通省

評価する時期

毎年1月1日

毎年7月1日

毎年1月1日

公表する時期

毎年7月1日

毎年9月下旬

毎年3月下旬

調査の地点

路線に面する土地の
1㎡あたりの価格

基準値
1㎡あたりの価格

標準値
1㎡あたりの価格

著者作成

路線価と土地の価格の関係とは?

続いて、路線価を用いて土地の評価額の計算してみます。

1路線のみに面しているケースと2路線に面しているケースとでは計算方法が異なります。

1路線のみに面している場合

1路線のみに面している土地の評価額は、「路線価×奥行価格補正率」の計算で求めることができます。

奥行価格補正率は、ビル街地区や高度商業地区などの「地区区分」によって異なります。

詳細は国税庁から公表されている資料でご確認ください。

下記の地図は、東京都港区港南の路線価表です。

この赤で囲った「760C」の道路沿いに奥行6メートルの土地が100㎡あったとします。

1㎡あたりの評価額は、760,000円(路線価)×0.95(奥行価格補正率)=722,000円となります。

土地全体の評価額は、722,000円×100㎡=72,200,000円と算出されます。

2路線に面している場合

続いて2路線に面しているケースについて計算をしてみます。

以下のように「760C」と「690C」の2つの道路の角地について考えてみましょう。

それぞれの路線価に奥行価格補正率をかけて算出された評価額のうち、高い金額の方を「正面路線価」、低い金額の方を「側面路線価」と呼びます。

「760C」の道路からの奥行が6メートル、「690C」の道路からの奥行が10メートルであった場合、それぞれの1㎡あたりの評価額は

  • 760,000円(路線価)×0.95(奥行価格補正率)=722,000円

  • 690,000円(路線価)×1.00(奥行価格補正率)=690,000円

となり、「760C」の道路の方が正面路線価となります。

「690C」の道路の方は側面路線価の適用となり、算出には「側方路線影響加算率表」が用いられます。

出典:国税庁

上記の表を用いて、1㎡あたりの側面路線価は

690,000円(路線価)×1.00(奥行価格補正率)×0.03=20,700円となります。

この土地の1㎡あたりの評価額は、「正面路線価」と「側面路線価」を合わせて722,000円+20,700円=742,700円と算出することが出来るのです。また、土地全体の評価額は742,700円×100㎡=74,270,000円となります。

ここまでで路線価と土地の評価額の関係はご理解いただけたでしょうか。

不動産投資における積算評価とは?

積算評価は、不動産の価値を評価する方法の1つです。「土地」と「建物」をそれぞれ評価してその評価額を合算する形となります。

土地については、第1章・第2章で解説してきた「路線価」を用いて算出しますが、建物の評価額を算出するにあたっては「再調達価格」というものを理解する必要があります。再調達価格は、「現時点でその土地を購入したうえで、全く同じ建物を建てる」と仮定した際にどれだけの金額がかかるかと算出した価格のことです。

そうして算出して出された再調達価格から、経年による評価減少分を差し引いて実態に近い不動産価格を算出したものが積算評価ということです。

不動産投資において、物件を購入する際には、金融機関から借り入れを行うことが一般的です。同時に金融機関側は、担保評価額を決定します。オーナーが万が一ローン返済を出来なくなってしまった場合に、金融機関は物件を売却してローン返済に充てることになりますが、いくらで売却することができるのかを事前に把握しておくのです。この担保評価額の算出には「積算評価」が用いられることが一般的です。

つまり、積算評価が高ければ融資金額も大きくなる可能性があるということです。融資金額だけに留まらず、借り入れ金利の面での優遇される可能性があり、総じて金融機関からの評価が高くなるのです。

不動産投資をこれから始めようと考えていて投資用不動産の購入を検討している方は、実際の物件価格に対して積算評価がどのくらいになっているのかを事前にシミュレーションしておいた方が良いといえるのです。

積算評価の計算方法は?

第3章でも述べましたが、「土地」と「建物」を分けて算出し、最後に合算する形を取ります。

土地の評価額の算出方法

土地の評価額については、第1章・第2章で解説したので、細かい計算方法はここでは割愛しますが、「路線価」と「奥行価格補正率」を用いて算出します。

上図のような場合の土地評価額は、「450,000円(路線価)×1.00(奥行価格補正率)×150㎡=67,500,000円」になります。

建物の評価額の算出方法

続いて建物の評価額の算出方法について見ていきましょう。計算式は、再調達価格×(残りの法定耐用年数÷法定耐用年数)となります。

建物の構造別に「再調達価格の目安」と「法定耐用年数」が定められています。


鉄筋コンクリート造

重量鉄骨造

軽量鉄骨造

木造

再調達価格(㎡)

200,000円

180,000円

150,000円

150,000円

法定耐用年数

47年

34年

27年or19年(※)

22年

なお、軽量鉄骨造の法定耐用年数に関しては

  • 鉄骨の厚さ3ミリメートル未満の場合:19年

  • 鉄骨の厚さ3ミリメートル以上4ミリメートル以下の場合:27年

と鉄骨の厚さによって異なることを注意しておく必要があります。

例1

床面積が80㎡、築15年鉄筋コンクリートの建物の評価額を計算します。

  • 再調達価格:200,000円(鉄筋コンクリート造)×80㎡=16,000,000円

  • 残りの法定耐用年数:47年-15年=32年

よって、建物の評価額は「16,000,000円×(32年÷47年)=10,893,617円」と算出することができます。

例2

床面積が150㎡、築15年木造の建物の評価額を計算します。

  • 再調達価格:150,000円(木造)×150㎡=22,500,000円

  • 残りの法定耐用年数:22年-15年=7年

よって、建物の評価額は「22,500,000円×(7年÷22年)=7,159,090円」と算出することができます。

一般的に耐用年数が長い鉄筋コンクリート造や重量鉄骨造の方は、再調達価格が高くなることがご理解いただけると思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

路線価を用いた土地の評価額の算出や積算評価に関して解説してきました。これらの関係性や、計算方法はご理解いただけたでしょうか。

今後不動産投資を始めようと考えている方にとっては、購入しようとしている物件が適正価格なのか、それとも割高なのかを知る上で積算評価は非常に有効な指標となります。不動産投資を成功させるためにも、事前に積算評価の把握をしておくことをオススメします。

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八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ(不動産投資)プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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