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トレーラーハウスに税金はかかる?タイニーハウスとの違いを解説

2021/10/21
トレーラーハウスに税金はかかる?タイニーハウスとの違いを解説

多様な生き方を選択できる現代において、自宅を購入して同じ場所に住み続けるのではなく、自分の好きな場所を移動しながら生活したいと考えている方も多いのではないでしょうか。

そのような際に候補にあがるのがトレーラーハウスです。こちらの記事ではトレーラーハウスのメリット・デメリットや、よく比較されるタイニーハウスとの違いについて解説します。

本記事を読んでいただければ、トレーラーハウスの特徴や購入の仕方がわかり、自分にあった理想の生活に向けた一歩が踏み出せるでしょう。

トレーラーハウスとは

トレーラーハウスとは、車で牽引して動かす移動式の家です。

トレーラーハウスは車輪付きのフレーム上に建物が乗っており、その中で生活をします。

「キャンピングカーのようなものだろうか」と感じる方も多いでしょう。トレーラーハウスはエンジンがついていないため、キャンピングカーと違い自走できません。移動の際には大型トラックで牽引して移動します。

キャンピングカーは移動を目的とした小さな空間ですが、トレーラーハウスは定住を目的とした広い空間になっています。数ヶ月、数年といった期間定住しながらも、移動したい際には移動できるのが魅力と言えるでしょう。

トレーラーハウスは税金かからない?トレーラーハウスの3つのメリット

トレーラーハウスには3つのメリットがあります。

  • 税制面でお得なケースがある

  • 住む場所を選べる

  • 通常の家と変わらない生活が可能

それぞれについて解説します。

税制面でお得なケースがある

トレーラーハウスは住宅として使えるものの、土地に定着していないことから扱いは不動産ではなく車両です。

そのため、不動産にかかる固定資産税や不動産取得税は必要ありません。また、車両ながらもエンジンがついておらず自走できないことから、自動車税も不要です。

しかしながら、自治体によっては減価償却費がかかるケースがあるため注意しましょう。

また、一定のサイズを下回るトレーラーハウスには車検が必要となり、自動車税や重量税、自動車取得税がかかってしまいます。

車検が必要なトレーラーハウスの要件は下記の通りです。

  • 車幅2.5m未満

  • 車長12m未満

  • 車高3.8m未満

車検付きトレーラーハウスの場合、税制面の優遇は受けられないため注意が必要です。

住む場所を選べる

トレーラーハウスのメリット2つ目は住む場所を選べることです。

インターネットの普及、働き方の多様化から家への考え方も変化しています。通勤せずとも働けるような環境の方にとっては1つの場所に縛られる必要もありません。

しかし、毎回引越しをしたり、ホテル暮らしをしたりというのは、人によってはストレスを感じる方も多いでしょう。

トレーラーハウスであれば、同じ空間のまま好きな場所に移動できます。

通常の家と変わらない生活が可能

トレーラーハウスでの生活は、通常の家での生活と変わりません。

移動しながらの生活に憧れるものの、生活に不便を感じたり、車中泊のように窮屈な生活をしたりというのは避けたい方も多いでしょう。

トレーラーハウスの外観は一般的な住宅と遜色なく、内装に関しても車内という感覚はほぼありません。

もちろんながら、キッチンやお風呂、トイレ、エアコンといった通常の住宅と同じ設備の中で過ごせます。

トレーラーハウスの3つのデメリット

トレーラーハウスのメリットを解説しましたが、デメリットについても気になるでしょう。

デメリットは大きく分けて3つです。

  • 移動に費用と手間がかかる

  • 設置場所に制限がある

  • 建築物に該当することがある

それぞれについて解説します。

移動に費用と手間がかかる

トレーラーハウスは牽引して運ばなければなりません。

大型のトレーラーハウスを牽引するには高い技術が必要なことから、移動の際にはプロに依頼することになります。移動する距離や場所にもよりますが、数十万円はかかると考えておきましょう。

また、移動時には申請が必要で、許可が下りるまでに時間がかかります。トレーラーハウスはすぐに移動できる訳ではないことに注意しましょう。

設置場所に制限がある

トレーラーハウスは設置場所に制限があります。

車両であるため、市街化調整区域や農地といった住宅の制限があるエリアにも設置可能ですが、自治体によっては制限されているケースもあります。

また、トレーラーハウスはサイズが大きく物理的に設置できない場所もあります。具体的には、山の中や牽引車両が入れいな細い道などです。

このようにトレーラーハウスにも一定の制限があることを把握しておきましょう。

建築物に該当することがある

トレーラーハウスは適切に設置しなければ建築物に該当してしまうことがあります。

トレーラーハウスの設置場所や設備の付け方には注意しましょう。

  • 階段・ポーチ・ベランダ

  • 給排水・電気・ガス・電話・冷暖房等の設備配線配管

  • 車輪が取り外されている

  • 設置場所から公道に至るまでの通路が連続して確保されていない

すぐに移動できる状態でなければ、車両ではなく建築物として扱われてしまう危険性があります。

タイニーハウスとの違い6つ

「小さな家」という意味のタイニーハウスは、シンプル・ミニマムな生活を送りたい人たちの間で注目を集めています。小屋をイメージするとわかりやすいでしょう。

トレーラーハウスとタイニーハウスを下記のポイントから解説します。

  • 区分の違い

  • 用途の違い

  • 建築申請の違い

  • 広さの違い

  • 価格の違い

  • 税金の違い

区分の違い

トレーラーハウスの多くが「車両」に該当する一方、タイニーハウスは「建築物」に該当します。

建築物とは建築基準法にて「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの」とされています。

タイニーハウスは、土地に定着しているため移動できません。

用途の違い

トレーラーハウスは日常生活を過ごす住宅として利用するのが一般的ですが、タイニーハウスは幅広い用途で利用されます。

  • 住宅

  • 離れ、物置き

  • 勉強部屋、趣味部屋

  • 応接スペース

  • 書斎

タイニーハウスが住宅だけではなく幅広い用途として使われるのは、デザイン性や費用面の理由が大きいでしょう。トレーラーハウスよりも気軽にかつ自分の好みに合わせて作れるのは、タイニーハウスの魅力です。

建築申請の違い

トレーラーハウスの多くは車両に該当することから、建築申請は必要ありませんが、タイニーハウスは建築物に該当するため、建築申請が必要です。

しかし、下記の要件に該当するタイニーハウスは建築申請が不要です。

  • 床面積が10平方メートル以下

  • 防火地域・準防火地域ではない

  • 都市計画区域外

どのような場所にどの程度の規模のタイニーハウスを建築するかで、建築申請の有無は異なるため注意しましょう。

広さの違い

トレーラーハウスは住宅としての用途が多く、2LDKといった生活に不便のない広さのものが豊富です。

一方タイニーハウスは、住宅だけでなく書斎や趣味部屋のように用途が幅広く、広さも一概には決まっていません。車1台を止まられる程度のスペースに作ったワンルームのものや、2階建てのものまで様々です。

価格の違い

価格についてはサイズや設備のグレードによっても異なるため一概には比較できませんが、トレーラーハウスが400~1,000万円タイニーハウスは100~1,000万円と、タイニーハウスの方が少額から作れるのが特徴です。

トレーラーハウスは移動費などの費用がかかり、その分初期費用も大きくなります。

どちらも設備や内装にこだわるほど支出は増えてしまうでしょう。

税金の違い

トレーラーハウスは車両に該当しますが、車検が不要な場合には税金がかかりません。

一方で、建築物であるタイニーハウスは毎年固定資産税及び都市計画税がかかります。

また、固定資産税や都市計画税は不動産評価額をもとに計算されることから、税額はタイニーハウスを建築するエリアによって異なります。ワンルームかつ木造のタイニーハウスであれば年間で数万円程度に収まるでしょう。

実際にトレーラーハウスを購入するには?

「トレーラーハウスを購入したいものの、どのようにすればいいのだろうか」と感じている方も多いでしょう。

トレーラーハウスの購入を検討している場合は、まずトレーラーハウスの販売会社に問い合わせをしましょう。

費用面はもちろんながら、トレーラーハウスは設置に条件があります。設置しようと考えている場所は設置可能なのか、その場所まで運送できるのかなど、事前に調べなければなりません。

個人で調べるには手間もかかるため、販売会社に問い合わせをして確認してみましょう。

まとめ

こちらの記事では、トレーラーハウスの特徴や、よく比較されるタイニーハウスとの違いについて解説しました。

多様な生き方を選択できる現代において、住まいに求められることも変化しています。同じ場所に住み続けるのではなく、自由に移動しながら生活したいと考えている方も多いでしょう。

理想の生活を実現するために、トレーラーハウスを利用するのもいいのではないでしょうか。

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ(不動産投資)プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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