ログイン

アカウントが未登録の方は新規会員登録してください。

融資・ローン

2022年住宅ローン控除はどのように変わる?変更点と影響について

2022/02/09

2022年度の税制改正により、住宅ローン控除が見直しされました

控除率の引き下げや一部の認定住宅については借入限度額が引き上げられるなど、いくつか変更点があります。

今回は2022年度住宅ローン控除見直しによる変更点新築物件か中古物件かによる違い住宅購入に対する影響などについて解説します。

これから不動産の購入を検討されている方は、ぜひ最後までお読みください。

そもそも住宅ローン控除とは

そもそも住宅ローン控除とは、住宅を購入する際に返済期間が10年以上の住宅ローンを借りた場合に適用される制度です。

住宅ローン控除によって、一定の条件を満たせば年末時点のローン残高の一部が、最大13年間にわたって所得税・住民税から控除されます。

なお、元々住宅ローン控除は10年間となっていましたが、2019年の消費税増税に合わせて2019年10月から2022年12月末日まで入居すれば、13年間の控除が受けられるという期限付きの特例が実施されました。また、コロナ禍による住宅需要の減少を食い止めるためにこの期限を延長する措置も取られています。

2022年の税制改正により住宅ローン控除はどのように変わる?

では、2022年度の税制改正により住宅ローン控除はどのような変更があるのでしょうか。

大きく下記6つの変更点について解説します。

控除期間

住宅ローン控除の控除期間は、2019年から2022年まで期限付きで10年から13年に延長された特例でしたが、2022年度も依然として経済状況が低迷していることを考慮し、2023年度まで控除期間13年で据え置きされることとなりました。

ただし、これが適用されるのは新築住宅または再販住宅のみです。一般の中古住宅の控除期間ついては、これまでと同様10年となっています。

また、住宅ローン控除制度自体は2025年まで適用されることとなりました。

その後どうなるか現状では不明ですが、コロナ禍の影響で落ち込んだ経済を回復させるためにも、住宅需要を促進するような制度は今後も続くであろうと予測されます。

借入限度額の変更

2022年度の住宅ローン控除の見直しにおいて、借入限度額も以下の図1のように変更されます。

図1 住宅ローン減税等の住宅取得促進策に係る所要の措置(所得税・相続税・贈与税・個人住民税)(国土交通省)(出典元:https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001447132.pdf

住宅ローン減税について、新築物件の環境性能などに応じて借入限度額の引き上げがありました

例えば、ZEH水準省エネ住宅は、2021年までは借入限度額が4,000万円に対して500万円引き上げの4,500万円になりました。

ただし、2024年以後は借入限度額が下がりますので、新築物件を購入するなら今がいいタイミングだと言えるでしょう。

控除率

住宅ローン控除を受けようと検討している方にとって最も大きく影響を受ける変更点は、控除率の引き下げではないでしょうか。

住宅ローン控除の控除率は、2022年度の税制改正により1%から「0.7%」に縮小され、2025年まで0.7%で据え置きされることとなりました。

例えば、年末の残債が4,000万円の場合は、1%だった場合の40万円に対して、改正により28万円と12万円も少なくなります。

なお、住宅ローン控除の控除率については新築物件も中古物件も共通になっています。

中古物件の築年数要件の緩和

2021年度までの住宅ローン控除の制度は、中古物件の築年数要件に対して、

  • 木造:20年

  • 鉄筋コンクリート造などの耐火構造:25年

を下回ることを条件としていました。

そのため築年数の条件を満たしていない場合は、耐震性が証明できる耐震基準適合証明書などの書類を提出する必要がありました。

しかし、2022年度に住宅ローン控除が見直されたことによって、1982年以降に建てられた物件であることを登記簿で確認ができれば、適用対象と認められるようになりました。

所得要件の引き下げ

住宅ローン控除には、適用される所得の要件もあります。

この要件は2022年度の住宅ローン控除の見直しによって、年間所得が3,000万円以下から2,000万円以下に変更されています。

これによって、より中間所得層向けの政策になったと言えます。

ただし、下記で解説するように新築物件に関しては、床面積が40㎡の場合は、年間所得1,000万円以下が所得要件になっていますので、注意が必要です。

床面積要件の緩和

住宅ローン控除が適用される新築住宅の床面積要件は、2021年度の税制改正で50㎡から40㎡に緩和されており、2022年度も据え置きされています

なお、ここで注意していただきたいのは、床面積は登記簿上で表示される面積だということです。マンションの場合は、壁を除いた内側部分の面積が登記簿上の床面積になります。

よく新築マンションの広告などに記載されている面積は、壁や柱も入れた面積が表示されている場合があるので、注意してください。

物件購入後になって適用されないような事態にならないように、登記簿上に記載されている床面積を確認することが重要だと念頭に置いておきましょう。

新築物件か中古物件かによる違い

新築物件か中古物件かによる違いはあるのでしょうか。

2022年度の住宅ローン控除の見直しにおいて、新築住宅の適用基準の中にZEH省エネが項目として追加されています。

これによって、これまでの制度より環境性能が高い物件に対しての条件が優遇されることになりました。

物件によってどのくらい違うのか、以下の図2で見てみましょう。

図2 2022年度税制改正後の住宅ローン控除について
(住宅ローン減税等の住宅取得促進策に係る所要の措置(所得税・相続税・贈与税・個人住民税)(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001447132.pdf)を参考に著者が作成)


新築住宅・買取再販 中古住宅
物件の種類 長期優良住宅
低炭素住宅
ZEH水準省エネ住宅 省エネ基準適合住宅 その他 長期優良住宅
低炭素住宅
ZEH水準省エネ住宅
省エネ基準適合住宅
その他
控除率 一律0.7%
借入限度額 5,000万円 4,500万円 4,000万円 3,000万円 3,000万円 2,000万円
控除期間 13年 10年

2021年度も認定住宅に住宅ローン控除優遇はありましたが、2022年度からは省エネ性能による項目が新たに追加され、優遇の幅も広がります。

なお、中古物件の住宅ローン控除借入限度額については据え置きとなっていますが、控除期間は10年に引き下げられています。

現在住宅ローン控除を受けている場合の影響は?

現在住宅ローン控除を受けている場合は、2022年度の見直しの対象にはなりませんので、いままで通りの条件で継続されるため、特に影響はありません。

これから不動産を購入する場合の影響は?

2022年度の住宅ローン控除の見直しによって、これから不動産を購入する場合にどのような影響があるのでしょうか。

新築物件の借入限度額は2024年のタイミングで減少するとすでに決定されていますので、新築物件の購入を検討されている方は、2024年より前のタイミングで購入することがおすすめです。

また、今回の住宅ローン控除見直しによって控除額が最も大きくなるのは省エネ基準を満たした認定住宅です。省エネ住宅は性能の部分で建設費が一般住宅と比較すると高くなりますが、減税の効果があるだけでなく、光熱費や水道費など日々の生活費が抑えられるので長い目でみると初期のコストを回収できるという利点があります。

よって、一般の住宅よりも省エネ性能を備えた住宅を検討するといいでしょう。

まとめ

今回は、2022年度住宅ローン控除見直しによる変更点、現在住宅ローン控除を受けている場合の影響などについて解説しました。

一見すると控除率が下がることで改悪ともとれる2022年度の住宅ローン控除見直しですが、省エネ基準を満たした認定住宅においては、借入限度額が引き上げられるなど、住宅によって違いがあることがわかりました。

これから不動産の購入を検討されている方は、ぜひ省エネ基準の住宅にも目を向けてみてください。

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ(不動産投資)プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

関連コラム