インタビュー

不動産投資はサラリーマンが行える最適な副業

2020/01/21
不動産投資はサラリーマンが行える最適な副業

 2016年の東証1部上場以降も、成長企業であるために挑戦を続けるTHEグローバル社グループ。京都を中心に展開するホテル事業、ベトナムでの分譲マンション事業など、展開も多彩だ。同グループを率いる永嶋秀和氏に不動産市場の見方、投資家へのメッセージを聞いた。

首都圏不動産の好調は続く

――不動産業界並びに不動産投資を取り巻く環境についてお聞かせください。

 日本全体では首都圏への人口流入が続く一方、首都圏以外は横ばいもしくは減少が続くという二極化が進んでいます。

 そうしたなか、2018年の首都圏新築分譲マンション市況は2017年に比べて供給が3.4%増の3.7万戸程度と、2年連続で増加しています。平均価格は0.6%下落しているのですが、坪単価は1.2%増加しました。住戸サイズをコンパクトにし、価格を抑えて販売するデベロッパーが多くなったことも影響していると思います。当社もシングル・DINKs向けの新しいブランドを作り、コンパクトマンションの販売に注力しています。

 好不調の目安である初月契約率は2017年の68.1%から2018年は62.1%へ6ポイント低下し、好調とされる70%を3年連続で下回っている状況です。デベロッパーも竣工完売ではなく、竣工時に7~8割が成約、竣工から半年で全戸完売できれば良いと考えるところが多くなったため、売れ行きにスピード感が出なかった結果と言えるかもしれません。

 2019年の供給戸数は2018年とほぼ同等と想定されますが、湾岸エリアの大型物件や郊外部の駅近の大型再開発物件などの人気が根強く、消費増税経過措置終了後の4月以降もこれらの物件の供給が続けば供給戸数は4万戸に近づくかもしれません。

 投資用不動産においては昨今、投資用アパートの施工問題、シェアハウス問題や金融機関の不正融資問題など様々な不祥事がありました。その影響もあり、金融機関の融資スタンスは厳しくなりましたが、今後においても当面、このスタンスが続くと思われます。

 しかし、引き続き金融機関から資金調達が可能な方にとっては追い風でもあります。金融機関の融資スタンスの厳格化によって、購入できる方が限定されるということは、好条件の物件を購入しやすい環境になるということでもあります。不動産投資マーケットに残ることができる方と退場せざるを得ない方との二極化がより進んでいくのではないでしょうか。

 不動産会社も優勝劣敗が進むと思います。適正な価格、質の向上が求められ、投資不動産市場そのものもより健全化されていくのではないでしょうか。

 不動産価格は2020年の東京オリンピック後、2025年大阪万博後は下がるという意見もあるようですが、一概にはそうは言えないと思います。このようなイベントの開催によってインフラが整備され、バリューアップするエリアも出てくるでしょうし、首都圏においては人口の流入が続き、価格が上昇する可能性は十分にあると思われます。逆に首都圏以外では下落していく可能性は低くなく、首都圏への一極集中がより加速していくかもしれません。

株式会社THEグローバル社 代表取締役 永嶋 秀和

1995年、扶桑レクセル(現大京)に入社。不動産業のノウハウを身につけ、98年に現在の礎となるグローバル住販を設立。その後、事業を拡大し2010年にTHEグローバル社の代表取締役に就任。

新規事業への挑戦、“世界の不動産を面白くする”

――御社の強みについて

 私どもTHEグローバル社グループは1998年の創業以来、マンションおよび戸建住宅の開発・分譲を中心に行ってきました。

 2008年にジャスダックへ上場し、堅実な経営方針のもと約8年の歳月をかけて2016年に東証1部へ上場を果たしました。上場以降も成長企業であり続けるために、積極的に新規事業へのチャレンジを続けています。

 ホテル事業もその一つです。

 現在京都で7棟を運営中ですが、さらに16棟のホテル用地を取得済みであり、今後も用地取得を進めてまいります。このエリアでは高層のホテルは建設できません。縦にではなく、横に、面でホテルを展開することにより、30室程度の小規模なものから、大規模なものでも100室程度の複数のホテルをエリアを集中させて開発し、1つのホテル群として一括して運営しています。

※上記写真:ゴザンホテル&サービスアパートメント東山三条 

 京都にとどまらず、急激に増え続けるインバウンド需要に向けて、現在、浅草や蒲田、広島の3拠点においてホテルを取組予定であり、今後全国展開を目指してまいります。

 海外では、ベトナムにおいて現地の方に向けて約1000戸の分譲マンション事業を現地法人とのJVによって行っています。経済が急速に発展し、人口増加が進む東南アジア圏において今後も住宅供給を行っていきます。

※上記写真:DREAM HOME PALACE

 このように、当社グループは“世界の不動産を面白くする”というキーワードのもと、インバウンド向けホテルや海外での住宅供給をはじめ、さまざまな事業を国内外で展開していきます。

 また、今後はハード(不動産開発)にソフト(オペレーション)を加えることで、不動産に付加価値を与えていく必要があると感じています。

※上記写真:THEケネルズ東京

 昨年、目黒区のオフィスビルを取得し、都市型老犬介護施設にコンバージョンしてオープンしました。また、長野県の湯田中で温泉付きの保養所を取得し、インバウンド向けのホテルとしてリニューアルオープンさせる予定です。このように対象不動産を最も適したものに加工、開発し、付加価値を与えていくことが当社の強み(=引出しの多さ)です。

 今後も住宅、ホテルを中心とした海外事業、またサービスアパートメントやサービス付き高齢者住宅、シェアオフィスといったオペレーション事業、収益用不動産事業といったさらなる事業領域の拡大を目指していきたいと考えています。

 ミンカブのメディアとしての強みと付加価値のある不動産を開発する当社の強みを融合することで、『みんかぶ不動産』サイトを日本最大級の投資不動産情報メディアに成長させ、当社も収益不動産事業をより拡大していく、そんなWin-Winなプロジェクトになればよいと思います。

個人投資家に伝えたい不動産投資のメリット

――投資家の方へアドバイスをお願いします。

 世界的に見て、日本人はごく一部の富裕層の方を除いて投資に対して積極的ではないと思います。

 ただ、今後の日本はますます高齢化社会が進み、公的年金についても不透明な面が多いため、将来に不安を感じている方も多いのではないでしょうか。自己防衛のためにも将来を見据えた資産運用が必要だと思います。

 その資産形成の手段として、当社は不動産投資をおすすめいたします。不動産投資は需要がある場所で行えば安定した収入が見込めますし、その不動産を担保に金融機関から一定の融資を受けることが可能です。不動産投資はサラリーマンが行える唯一の副業と言えるのではないでしょうか。

 まだまだ若いから先の話と考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、一般的に金融機関の融資は80歳までの完済が条件となります。年齢によっては融資が受けづらくなる可能性があります。当社もこれから月2~4回セミナーを実施していきます。また、『みんかぶ不動産』サイトには他の会社が開催しているセミナーも多数掲載されています。こういったセミナーに参加して勉強されてみてはいかがでしょうか。

 不動産投資はリスクがあると感じられる方もいらっしゃるかと思います。確かに注意すべきリスクもありますがメリットも多くあります。

 主なメリットとして以下の6つが挙げられます。

①節税

 収益不動産物件を取得した場合、減価償却費等の経費が賃貸収入を上回る間は不動産所得が赤字になります。かつ、この赤字は他の所得と損益通算をすることが可能です。

②レバレッジ

 金融系投資商品は自己資金で投資を行うケースが大多数ですが、不動産投資は自己資金に加え提携金融機関等からの融資を利用することで、自己資金の何倍もの大きな投資を行うことができます。当社は数多くの金融機関と提携しており、ご紹介も可能です。

③副業としての収入

 対象物件は住居系がメインになると思われますが、住居系物件の場合は家賃の変動幅は比較的小さく、安定した収入を確保できます。

④団体信用生命保険

 投資用ローンにも団体信用生命保険が付保されていますので、万が一の際はローン残債が保険金で完済できます。ご遺族の方に残債無しのアパート・マンションを残すことができます。

⑤価格の安定性

 不動産も景気環境により価格が変動することはあり得ます。ただ、株などの金融系投資商品と比較すると振れ幅は少なく、比較的安定していると言えます。

⑥相続税対策

 相続の際、預金や債券、株などは時価で評価されますが、不動産にかかる相続税は相続税評価額で算出されます。おおよそ実勢価格の30~40%で評価されることが多いため、相続税額を低く抑えることができます。

 しかしながら不動産投資は実は買った後が重要です。不動産業者に任せっきりではなく投資家と業者が二人三脚体制で経営・管理に当たることが必要です。業者や専門家が言うことを鵜呑みにせず、投資家自身でも知識を深めること、特に賃貸付けは業者と密に連携し良好な関係を作ることが成功の秘訣です。

 また、物件購入にあたっては業者の情報だけでなく、自身で現地を確認することも重要です。物件の周辺の環境、駅からのアクセス等を実際に自分で足を運んで確認しましょう。

 駅に近い好立地にこしたことはないですが、どうしても金額が高額になりがちです。超一等地でなくても賃貸ニーズが高く、高採算の物件も十分あります。エリアごとの特徴を把握し、複数の業者から情報を取りながらそれぞれに意見を求めたり、物件を比較する等も重要でしょう。

 株式などの金融系投資商品は流動性が高く、短期で収益をあげられるといったメリットはありますが、それであるが故のリスクも潜んでいます。これに対し、不動産は金融系投資商品ほど流動性が高くない(処分に時間を要する場合もある)、中長期の投資が前提という要素はありますが、上記のとおりメリットも多く、ポートフォリオの一つとして、将来への備えの一手段として検討するのも有益ではないでしょうか。

不動産投資への興味を深めたい

――みんかぶ不動産に期待することをお聞かせください。

 今後、収益不動産事業に注力していくにあたり、日本最大級の個人投資家メディアを運営されているミンカブと協力しながら、この『みんかぶ不動産』サイトを成長させていくことを楽しみにしております。

 ミンカブが運営する各サイトにおけるユーザーの皆様は投資意欲が高い方が多いと認識しております。

 しかし、既に金融系投資商品には馴染まれていても、今までは不動産投資商品にはあまり接点がなかった方も多いのではないかと思います。このサイトを通じてユーザーの皆様が不動産への興味を深めていただければと思います。

 株、投資信託、仮想通貨、FXなどの金融系投資商品に比べ不動産は高額であるがゆえ、ハードルが高いと感じていらっしゃる方も多いと思います。そのような方に不動産投資にしかできないメリットや価値を伝えてくれるサイトはなかなかないので、数々の金融系投資商品のメディアを成功させてきたミンカブならではの視点と当社の経験を融合して、不動産業界に新たな風を吹かすことができれば面白いですね。

 『みんかぶ不動産』では当社の自社開発物件はもちろん、協力会社の物件を紹介していくほか、さまざまな不動産投資にかかわる有益な情報を提供していく予定です。このサイトを日本一の不動産情報メディアに成長させることが当社にとっても大きなメリットになると思います。

 ミンカブ、当社、他協力会社の力を合わせ、収益不動産市場をより活性化するために努力してまいります。

みんかぶ編集室

資産運用のトレンド情報や、初心者が楽しく学べるお金の基本コラムなど、資産形成をするすべての人に向けた記事を提供します。

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