不動産投資とは

不動産投資で1棟目を失敗しないためには?初心者にとって成功する4つのポイント

2021/06/21
不動産投資で1棟目を失敗しないためには?初心者にとって成功する4つのポイント

せっかく大きな希望を抱いて始めた不動産投資の一棟物件投資ですが、1棟目でうまくいかず、途中で諦めてやめてしまったという方もいらっしゃいます。一方で、1棟目で成功し、その後の投資規模をどんどん拡大していったという方も多数いらっしゃるのもまた事実です。

さて、この両者には、どのような違いがあるのでしょうか。

こちらの記事では、不動産投資初心者の方向けに、不動産投資を成功させるためにおさえておくべきポイントを解説していきます。これから一棟物件投資を検討されている方は、ぜひ最後までお付き合いください。

不動産投資の仕組みとは?

不動産投資で利益を上げるパターン

不動産投資において、利益を上げる方法は大きく分けて2パターンあります。

1点目は、投資用不動産を購入し、それを第3者に貸し出すことで家賃収入を得る方法です。

こちらの方法は、インカムゲインと呼ばれています。金融機関の融資を活用して不動産を購入し、そして、家賃収入でローン返済やその他経費を差し引いて利益をあげていく仕組みになっています。 

2点目は、投資用不動産を購入するところまでは先ほどと同様ですが、こちらのケースでは、エリアの賃貸ニーズの動向によって、不動産の価値が上がったところで売却し、その差額を利益として得る方法です。こちらの方法は、キャピタルゲインと呼ばれています。

ここ最近は、初心者の方でも取り組みやすいことから前者の方法が一般的となっています。

不動産投資の代表的な種類

①区分マンション

マンション全体ではなく、1部屋単位で購入し運用していく方法です。家賃回収や、入居者募集、管理業務などを管理会社に請け負ってもらえるため、ほとんど手間がかからず、会社員の方でも働きながら取り組みやすくなっています。初心者の方が始めやすい投資手法です。 

②一棟アパート

先ほどの区分投資とは異なり、アパート一棟丸ごと運用していく方法です。部屋数が複数あることから、区分マンションと比較して、家賃収入を得やすくなっています。

初期費用は、多く必要になってきますが、収益性では区分マンションと比較して高めになっています。キャッシュフローという観点では、区分マンション投資より一棟アパート投資の方が、非常に魅力的に映るでしょう。

③一戸建て

戸建てを貸して運用していく方法です。戸建ては床面積の性質上、単身者や夫婦のみといったケースは少なく、子どもがいる家族が入居するケースが多いです。

そのため、区分マンションなどと比べると、長期に渡って入居し続けてもらえる可能性があります。その一方で、一度空室になってしまうと、次の借り手を見つけるのに苦労するといえるでしょう。

土地を所有している方で、その土地が変形地などである場合は、アパート一棟ではなく、こちらを選択される方が多くなっています。 

不動産投資の成功は、1棟目の購入前に決まる?

不動産投資自体の成功は、物件を購入する前に80%~90%決まると言われています。なぜならば、将来的に2棟目・3棟目と保有数を増やしていくにあたって、その時点で保有している収益物件の状況も評価の対象になるからです。1棟目の経営状態が良くないと、2棟目・3棟目で金融機関が、融資を受ける際にネックになってしまう可能性があるのです。

つまり、不動産投資の成功は1棟目の成功にかかっているといっても決して過言ではないのです。

1棟目で失敗するパターンとは?

さて、1棟目で失敗してしまうパターンには、どのようなケースがあるのでしょうか。

投資用不動産を買うことが目的になってしまっている

まず、代表的な例としては、投資用不動産を買うことがゴールになってしまっているケースです。

不動産投資の目的は、しっかり入居者をつけて、家賃収入を得ることです。つまり、買うことが終わりではなく、スタートになります。購入後の賃貸経営をしっかりしていかないと、入居者が出ていくし、新しい入居者がなかなか決まらないなど致命的な事になりかねないです。

どのようにしたら今の入居者に長く住んでもらえるか、同じようなスペックの物件とどのように差別化すべきかなど、信頼できる管理会社に管理を依頼し、一緒に賃貸経営していくことが非常に重要と言えます。 

エリアの賃貸ニーズを見誤る

今は、ネットで購入金額や想定利回りなど、希望の条件を入力すれば、全国の物件情報が容易に調べられるようになりました。わざわざ、現地に行かなくても投資用不動産の状況がわかる一方で、「全く土地勘がない」物件を購入する方も増えてきています。

一般的には、駅から近い方がと良いと言われている不動産投資ですが、駅から多少遠くても、広い間取りや、広い駐車場の方が人気であるケースもあります。金額や利回りに関して、ご自身の希望を満たしていても、エリアのニーズに合っていなければ、借り手が中々つかないということになりかねませんので注意しましょう。

土地勘がないエリアの投資は非常に難しいものです。

決して安くない金額の投資になるので、面倒くさくても1度現地に足を運び、物件付近の様子や、地元の不動産会社の方に話を聞くなど、情報収集に努めることが大切です。

1棟目で失敗しないための留意点

では、失敗しないためには注意すべきポイントはなんでしょう。

表面利回りに惑わされてはいけない

一般的に、不動産会社が収益物件を紹介する際に用いるのが「表面利回り」です。

物件のおおまかな状態を捉えるには、とても便利な数字ですが、物件購入時にかかる費用やその他経費が折り込まれていない点には、注意が必要です。家賃の変動によっても表面利回りは変化していきますので、あくまで目先の指標としてとらえるようにしましょう。

利回りにて、投資不動産を検討する際には、家賃収入と物件価格だけではなく、修繕積立金や管理費、物件購入時にかかる費用を加味した「実質利回り」で見ていくこと大切です。表面利回りと比較して、低い数字が出てきますが、こちらの方が正確な収益性を算出することができます。

イールドギャップで計算

イールドギャップは、「投資における利回り」と「金融機関からの借入金利」の差を指します。投資用不動産の投資効率を見ていく上で、非常に重要な指標です。 

例えば、物件価格が8,000万円の収益物件を購入するために金融機関から2.5%で借入を行い、年間の家賃収入が640万円だったとしましょう。 

この場合、投資における利回りは「640万円(年間家賃収入)÷8,000万円(物件購入価格)×100=8.0%」となりますので、イールドギャップは「8.0%(利回り)-2.5%(金利)=5.5%」という計算となります。

この数値が大きいほど投資効率が良いといえます。上記の計算からお分かりいただけると思いますが、いくら利回りが良くても、借入金利が高いと低くなってしまうということです。

このイールドギャップの意味するところは、利回りと金利のバランスが非常に大切だということなのです。一般的にイールドギャップは3.0%を超えていると良いとされています。不動産を購入する場合には、事前にシミュレーションを行うようにしましょう。

自身が住みたいエリアと投資すべきエリアは分けて考える

留意点すべき最後の点としては、「ご自身が住みたいエリア」と「投資するエリア」は完全に分けて考えるべきだということです。

不動産投資初心者の中の多くは、ご自身が住みたいエリアの目線で物件を選びがちです。もちろん、ご自身が住みたいエリアであることは理想的ではありますが、やはり投資物件はご自身が住まわれるわけではないので、やはり収益性を優先すべきです。賃貸ニーズが高いエリア、住みやすい設備があるなどの条件にし、自分でも住みたい物件であればきっと入居者も決まると言えるでしょう。

あくまで、不動産投資は「効率の高さ」に主眼をおいて考えることきちんと認識してください。

まとめ

初心者の方向けに、1棟目の不動産投資で失敗しない方法をお伝えしてきましたが、ご理解いただけましたでしょうか。

繰り返しになりますが、1棟目を成功させることは次へと繋がります。始めるにあたっては、留意すべき点をしっかりと理解して取り組むようにすることが大切です。

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八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ(不動産投資)プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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