不動産投資とは

どっちの投資商品がいい?不動産投資と株式投資を徹底比較!

2020/08/25
どっちの投資商品がいい?不動産投資と株式投資を徹底比較!

2019年には年金2,000万円問題が話題となり、自ら資産形成について真剣に考える人が増えています。その中でも伝統的な投資商品と言えば、不動産投資と株式投資ではないでしょうか。

不動産投資と株式投資にはそれぞれメリット・デメリットがあります。当記事ではそれぞれの特徴をふまえて株式投資と不動産投資がどのような人に向いているのか解説します。

不動産投資の特徴

まずは不動産投資にはどのようなメリットがあるのか確認しておきましょう。

 

不動産投資のメリット

不動産投資のメリットについて具体的に解説します。

安定した賃料収入

不動産投資の最大の魅力は安定した賃料収入と言えるでしょう。不動産投資はリスクが大きい投資であると感じられている方も多いかもしれませんが、不動産投資は伝統的な投資対象の中では比較的安定した投資であると言われています。

不動産の賃料はテナントやマンション等の住居は、毎月賃料改訂されるわけではありません。そのため、空室にさえならなければ安定した収入を見込むことができます。投資をするうえで、定期的に収入が入ると言う点は大きな魅力と言えるでしょう。

インフレに強い

不動産は現物資産としてインフレに強いと言う点も魅力の一つです。インフレとは物価が上昇することです。資本主義経済の中では現金で持っていれば安全かというと必ずしもそうではありません。現金も物価があがれば相対的に価値が目減りしてしまうため、絶対に安全とは言えないのです。

例えば、現金を2,000万円もっていたとしても、急激にインフレが発生し物価が2倍になってしまったとします。スーパーで買う食料品や生活必需品が全て2倍になったとしたら持っていたお金の価値は実質的に半分になってしまうということです。

不動産は現物資産としてインフレ発生時には土地や建物の値段も上昇する可能性が高いため、不動産投資を行っておくことでインフレ対策にもなるのです。

相続税対策としても有効

不動産は相続対策としても有効な手段として用いられています。不動産投資が相続対策として用いられる理由は不動産の評価方法にあります。相続税評価を計算する際の不動産の評価は、土地については路線価での評価。建物については固定資産税評価額で算出します。

不動産の相続税評価は土地については時価の8割程度、建物については建築価格の5割~7割程度と言われており、現金を不動産に換えておくことで相続財産の圧縮、つまり相続税の節税に繋がるのです。そのため富裕層にとって不動産投資は相続税対策の有効な手段として用いられています。

管理に手間がほとんどかからない

不動産投資は通常物件のメンテナンスや家賃の管理など、管理に手間がかかる不動産投資です。しかし、管理会社に委託する等、ほとんど管理の手間をかけずに運営することができます。

本業が忙しい方でもほとんど手間をかけずに、不動産投資の利益を享受できるのは一つのメリットと言えます。

不動産投資のデメリット

メリットも大きい不動産投資ですが、デメリットもあります。投資を検討するうえでデメリットもしっかり理解して投資を行う必要がありますので、確認しておきましょう。

短期間で大幅な値上がりは見込めない

不動産は基本的に短期間で価格が大きく変動するものではありません。そのため、数年で価値が2倍・3倍と跳ね上がるような値上がりを期待することはできないでしょう。

「投資」というと安い時に買って高い時に売却することで儲けるものとイメージされる方も多いかもしれませんが、不動産投資では、短期間の売買でリターンを得ることは難しいと考えた方がよいでしょう。あくまで長期間保有して安定した賃料収入を得続ける事が、不動産投資における基本的な投資スタイルとなります。

すぐに換金ができないため流動性が低い

不動産は売却するまでに時間がかかる資産です。一般的には3ヶ月が一つの目安になっていますが、中にはそれ以上かかるケースもあります。

株式であれば、売却して数日で現金化することができますが、このように不動産の場合、数カ月かかる場合もあるため、現金が必要になった時にすぐに現金化できない、流動性が低いというデメリットがあります。生活にはすぐに必要が無い余裕資金で不動産投資を行う事が重要です。

 

株式投資の特徴

ここまで不動産投資の特徴について確認しました。次に株式投資の特徴について見て行きましょう。

株式投資のメリット

まずは株式投資のメリットについて確認していきましょう。

短期間で大幅な値上がりも期待できる

株式は企業の業績や業績の期待によって大きく変動します。そのため、短期間で大幅な値上がりも期待できる点が株式投資最大のメリットです。例えば、売り上げの大幅増加が見込めそうな新製品の開発が発表された際には株価が一日で跳ね上がることもあります。

株主優待がお得

株主優待とは株主向けに用意された、各企業の割引券などです。お気に入りの企業に投資をすることで、その企業のサービスが優待価格で利用できるうえに、株主としてその企業を応援することにも繋がります。

近年では株主優待も投資のリターンとして広く認識されており、株式投資のメリットの一つと言えるでしょう。

自分の都合で取引ができる

株式投資は手間がかからないこともメリットの一つです。購入はインターネット上で完結し、購入した株式は電子保管されているため、証券等を管理する必要はありません。

売却もインターネット上で完結するため、証券会社には一度も足を運ばずに購入から売却まで完結することも可能です。忙しい人にとっては手間がかからないと言う点は大きなメリットと言えるでしょう。

株式投資のデメリット

次に株式投資のデメリットを確認しておきましょう。

リスクが大きい

株式投資は短期間で利益を上げられる可能性がありますが、リスクも大きい投資です。

新製品の開発など、ポジティブなニュースが発表されれば、爆発的な株価上昇が期待できる一方で、不祥事や事故などネガティブなニュースが発生した場合、急激に値下がりする可能性もあります。

経済の知識が必要

株式投資を行うには企業業績を予想する必要があります。企業業績を予想するためには経済の知識が必要です。力のある企業でも経済全体の不況に逆らうことは難しいものです。

個別の企業の分析も必要ですが、経済全体の流れを理解するために知識が必要であるという点は株式投資のデメリットです。

投資した企業が倒産したら価値が0になる場合もある

不動産投資においては投資をした土地の価値が0円になることはほとんどありません。

しかし、株式投資の場合は業績が悪化し続ければ最悪の場合、企業が倒産してしまう可能性もあります。企業が倒産してしまえば、最悪のケースでは株式の価値が0になってしまうこともあります。そのため、株式投資のリスクは相対的にリスクが大きい投資です。

不動産投資はどんな人にオススメ?

不動産投資はどんな人にオススメの投資なのでしょうか。具体的に確認していきましょう。

長期で資産形成をしたい人

不動産投資は長期の資産形成に向いている投資です。その理由は安定的な収入を得られ、インフレに強いと言う点です。不動産は、短期間で利益をあげることは難しい投資資産ですが、

継続して保有することでメリットを享受することができます。

安定的な収入を得たい人

不動産投資の魅力はなんといっても安定的な賃料収入を得ることができるという所です。特に老後の年金生活に不安がある人は不動産投資で安定的な収入を得られると言う点は大きなメリットとなるでしょう。金融庁の試算では多くの人が現役引退後の年金収入が不足していると言われています。

その根拠となるのが、総務省統計局の家計調査です。2018年に行われた総務省の調査によると高齢夫婦無職世帯の収支は毎月約4万円の赤字となっています。つまり、年金だけでは足りずに資産を取り崩して生活をしているということです。

総務省家計調査報告:https://www.stat.go.jp/data/kakei/2018np/gaikyo/pdf/gk02.pdf

毎月安定的な収入を得られる不動産投資は年金の不足を補うことができるため、老後資金対策にも向いている投資です。

相続税対策をしたい人

現金を不動産に換えておくことで相続財産の圧縮に繋がります。投資を行いながら、相続税対策も行いたいと言う方にとって、不動産投資はメリットの大きい投資と言えるでしょう。 

株式投資はどんな人にオススメ?

株式投資はどんな人にオススメの投資なのでしょうか。具体的に確認しておきましょう。

短期で利益を得たい

株式はタイミングよく購入する事ができれば短期間で大きな利益を得る事が可能です。短期間で大きな利益を狙いたい人は株式投資を検討してみても良いでしょう。

経済の知識が豊富で企業業績の予想が立てられる

経済の知識が豊富で業界や企業の予想が立てられると言う方は株式投資で利益を上げられる可能性が高いと言えます。景気を完璧に予想することは専門家でも難しいと言われていますが、経済の知識が豊富であれば、ある程度方向性を見極めることができます。

そのため、経済の知識が豊富な人の方が株式投資で利益を上げられる可能性が高いと言えるでしょう。

特定の企業の応援をしたい

株式投資は特定の企業を応援することにも繋がります。応援したい企業がある方は株式投資でその企業を応援することも良いでしょう。また、その企業を自分も利用したり、SNSでオススメ情報を発信したりすることで、売り上げの貢献にもなります。

お気に入り企業であれば、株主優待も嬉しい特典となりますので、特定の企業を応援したい人にとって株式投資と株主優待は大きなメリットです。

まとめ

不動産投資と株式投資の特徴について解説しました。不動産投資と株式投資はどちらも伝統的な投資資産であり、優劣をつけられるわけではありません。不動産は安定的な収入が魅力であり、長期の資産形成に向いています。一方の株式投資は短期間で大きなリターンを得られるという不動産投資にはない大きなメリットがあります。

それぞれの投資で得られるリターンや背負うリスクは大きな違いがありますので、しっかり理解して投資を行う必要があります。

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ(不動産投資)プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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