小口化不動産

危険?不動産小口化商品に投資するデメリットを分りやすく解説

2024/03/14
危険?不動産小口化商品に投資するデメリットを分りやすく解説

不動産小口化商品に興味を持っているものの、インターネット上で「危険だ」と書かれているのを見て不安に感じた人も少なくないでしょう。

 そこで本記事では不動産小口化商品のデメリットを中心に解説します。確かにリスクはありますが、一方でメリットもたくさんあります。 

リストとメリットをきちんと理解した上で、投資を検討するようにしましょう。 

不動産小口化商品とは?仕組みについて

不動産小口化商品とは、不動産に対して複数人でお金を出し合い、得られた利益を出資した割合に応じて投資家に分配する商品です。

不動産小口化商品と間違えやすいものにREITがあります。

REITの場合、不動産投資事業を行う法人の証券を買うのに対し、不動産小口化商品では実際の不動産に投資する点が異なります。

なお、不動産小口化商品の投資対象は「不動産特定共同事業法」の法律に基づき運営されている不動産です。

詳細は後ほど解説しますが、不動産小口化商品には3つの種類があります。出資方法の違いや相続対策などの特徴があるので確認してください。

 危険?不動産小口化商品に投資するデメリット

こちらの章では、不動産小口化商品に投資するデメリットをお伝えします。実際に不動産小口化商品をはじめる前に押さえておきましょう。

 評価額が低い物件も出回っている

不動産小口化商品の中には、評価額が低い物件も出回っているため注意が必要です。

 動産小口化商品は、不動産特定共同事業のもと事業者が収益性の高い不動産を選んで購入していますが、とはいえどの物件を選んでも安心というわけではないです。

例えば立地条件が悪い、建物が古いなど資産価値が低いマンションだと、評価額が落ち売却したときに思ったほどの収益が得られないということも考えられます。

不動産投資において、立地条件や物件の良し悪しは収益に直結するため重要なポイントです。現地説明会や見学会などがあれば、実際に自分の目で確かめてみるのがベストです。

 元本保証がないため、配当金がもらえない場合がある

不動産小口化商品は、一般的な不動産投資と同様に元本割れのリスクがあるのもデメリットです。

例えば入居者がなかなか決まらないような状況だと、賃料収入が減ってしまいます。また、将来の値下がりリスクも売却時の不安の1つです。

後ほど解説する匿名組合型は、優勢劣後構造のため元本割れのリスクが低いです。

ですが、コロナウイルスのパンデミックのような事態が続いて経済状況が悪化した場合、元本割れの可能性もあり得ます。

そのため不動産小口化商品だから安心ということではなく「元本保証はない」「配当金がもらえない可能性もある」ということは理解しておきましょう。

 融資利用できないためレバレッジ効果がない

不動産小口化商品では、融資利用ができないためレバレッジ効果を得られないのがデメリットです。

物件を担保に高額な融資が受けられる不動産投資の場合、例えば同じ利回りでもより高い家賃収入が狙える自己資金以上の高額な物件を購入することが可能です。

 一方、不動産小口化商品の場合、複数人で共同の物件を持つため融資が受けられず、全額自己資金で購入しなくてはいけません。

 中途解約ができないケースがほとんど

不動産小口化商品の中には「中途解約ができない商品が多い」のもデメリットです。

中には中途解約が可能なケースもありますが、その場合でも通常の不動産の売却と同様に買い手を見つけるための仲介が必要です。そのためすぐに売却ができません。

事業者によっては中途解約時に買い取ってくれることもありますが、市場価格を下回る金額になります。

運用期間中にお金が必要となって困らないよう、不動産小口化商品は余裕資産での運用を心がけましょう。

 利回りが比較的低い商品が多い

利回りが比較的低い商品が多いのも、不動産小口化商品のデメリットです。

通常の不動産投資だと、例えば災害時の保険への加入や修繕積立金の管理、メンテナンスの実施など投資家自らが行いますが、不動産小口化商品では運用会社におまかせです。

その点不動産小口化商品は、一般的な不動産投資と比べて利回りが低い傾向にあることを覚えておきましょう。

 不動産小口化商品だからこそのメリット

ここまで不動産小口化商品のデメリットをお伝えしてきましたが、次はメリットもお伝えします。

 一般の不動産投資ではない、不動産小口化商品だからこその利点に注目してください。

 プロが運用してくれる

不動産小口化商品の場合、運用はプロにおまかせできるのがメリットです。はじめて不動産投資を行う人にとって、優良物件を選ぶ判断は難しいでしょう。

不動産小口化商品で扱う物件は、不動産のプロが一般の不動産市場に流通しない優良物件の中から厳選したものです。

100%とはいえませんが、安定した賃貸収益や売却益が期待できます。個人では投資できない、また成功率の高い物件に投資できるのも不動産小口化商品のメリットです。

少額からスタートができハードルが低い

不動産小口化商品は少額からスタートできるため、不動産投資のハードルが低いのがメリットです。 

一般の不動産投資では、数百万から物件によっては数億円の資金が必要です。

ですが、不動産小口化商品なら数万円から投資できます。また、不動産小口化商品の中でも比較的高額な、任意組合型でも1口100万円ほどです。

「高額なローンを組みたくない、不動産投資を気軽にはじめたい」そう考えるなら不動産小口化商品がおすすめです。

購入手続きが完了すればほとんど手間がかからない

不動産小口化商品は、通常の不動産投資と比べて手間がかからないのがメリットです。物件の購入手続きが完了すれば、運用はすべてプロにおまかせできます。 

通常の不動産投資だと、物件売買の手続きや賃貸管理が必要になってきます。

不動産管理会社に管理委託もできますが、打合せや修繕費の支払いなど、オーナーの負担がゼロというわけにはいきません。

不動産小口化商品ならその手間がないため、時間のない人でもはじめやすいのが魅力です。

不動産小口化商品の3つの種類

ここでは不動産小口化商品の3つの種類(契約タイプ)を解説します。所有形態などに違いがあるので確認してみてください。

 匿名組合型

匿名組合型は、投資家と事業者が匿名組合契約を結び事業を行います。なお、匿名組合型は登記をしないため第三者に出資者であることが知られません。

仕組みとしては、事業者が購入した物件を賃貸などで運用し、投資家は出資した割合に応じた分配金が受け取ります。

1口数万円の少額投資が可能な他、数ヶ月単位の短期運用がメインなので、不動産投資の初心者におすすめです。

 ※図挿入

任意組合型

任意組合型は、投資家と事業者が任意組合契約を結び事業を行います。

投資家が事業者に対して出資する点は匿名組合型と同じですが、任意組合型では投資家は不動産の共有持ち分を持つ形になります。

また、任意組合型は登記が必要となるため匿名性は保てませんが、一方で相続対策として活用できるのが特徴です。

任意組合型の不動産小口化商品は1口100万円からとなり、また10年以上の長期運用を行うものが広く募集されています。

 ※図挿入

賃貸型

賃貸型とは、不動産の持分を複数の投資家で所有し、それを事業者に貸し出して管理してもらうタイプの不動産小口化商品です。

物件の管理を外部の業者にお願いし、そこで得られた収益は投資家の持分にあわせて分配されます。

賃貸型は一般的に1口100万円から、また10年以上の長期運用の物件が多いです。ただし、商品の種類自体は多く出回っていません。

 ※図挿入

オススメしたい不動産小口化商品5選

ここでは不動産小口化商品のおすすめを5つ紹介します。どれを選べばよいかわからない場合に参考にしてください。

CREAL(クリアル)

CREAL(クリアル)は「クリアル株式会社」が販売している不動産小口化商品です。

CREALでは1万円の少額から投資できるため、不動産投資のハードルが低くどなたでもはじめやすいのがメリットだといえます。

また毎月分配金が受け取れるため、その点も人によっては魅力に感じるでしょう。

その他優先劣後方式を採用しているため、一定額までの損失を被らないのもメリットです。

みんなで大家さん

みんなで大家さんは「みんなで大家さん販売株式会社」が運営する不動産小口化商品です。

みんなで大家さんでは「想定利回り7%」の高い配当利回りが期待できるのがメリットです。

また1口100万円の手ごろな金額から投資できるため、サラリーマンや主婦を中心に人気を集めています。運用期間は3~5年の短期の商品が多いです。

インベストプラス

インベストプラスを販売する「東京建物株式会社」は、東証プライム市場に上場している信頼できる企業です。

扱う不動産は新宿や恵比寿、横浜などの都心オフィスビルが中心のため、資産性が高く長期的に安定した収益が期待できます。

また劣後出資を30%としている商品が多いため、元本割れリスクの心配が低いのも魅力です。

アセットシェアリング

アセットシェアリングは、東証プライム市場に上場している「株式会社インテリックス」が運営する不動産小口化商品です。

アセットシェアリングでは、不動産特定共同事業の任意組合型を採用しているため、相続対策として有効なのが特徴です。

なお、アセットシェアリングは1口100万円から、販売は5口からとなります。そのため、不動産を購入の場合は最低でも500万円が必要です。

その他別途登記関連費用や印紙税などの諸経費がかかります。

Vシェア

Vシェアは「株式会社ボルテックス」が運営する不動産小口化商品です。Vシェアでは任意組合型のスキームで、都心オフィスの区分投資商品が販売されています。

数億円はする都心のオフィスビルが、500万円から投資できるのが魅力です。また、長期的に安定した収益が期待できるのがメリットです。

任意組合型のため、相続税・贈与税対策として有効な点も挙げられます。

実際に不動産小口化商品を始めるには

最後に実際に不動産小口化商品の始め方を解説します。下記の順番を参考にしてください。

  1. 不動産小口化商品の運営会社を探す
  2. 運営会社に資料請求し入会する
  3. 小口化ファンドを探して応募する
  4. 入金後運用開始

本記事で紹介している不動産小口化商品を参考に、運営会社を選んでみてください。めぼしい会社が決まったら資料請求をしましょう。

資料請求については、不動産小口化商品を扱う各業者のお問合せフォームなどから依頼できます。入会が決まったら、募集している小口化ファンドを選んで応募します。

申し込み完了後入金が終わったら、いよいよ不動産投資のスタートです。

まとめ

今回は不動産小口化商品の特徴やデメリット、そしてメリットなど広く解説しました。

不動産小口化商品は、少額から投資できるためリスクが低いのは間違いないですが、一方で投資なので絶対安全というものではありません。

とはいえ「プロが運用してくれる」「はじめる手間がかからない」など、不動産投資の初心者にとってハードルが低いのも事実です。

今回お伝えした内容を読んでみて興味を持ったなら、紹介した不動産小口化商品を参考に実践してみてください。

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ(不動産投資)プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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