みんかぶ不動産

不動産投資で知っておきたい失敗例と避け方

筆者: minkabuPRESSコラム
2019/05/242019/05/28

「不動産投資」はイメージがしやすい投資のひとつです。

不動産投資に関する情報も増えており、興味を持っている人も多いでしょう。

しかし、興味があっても、いざ不動産投資を始めるとなると多くの資金が必要であることは間違いなく、そのために軽い気持ちで始められるほど簡単なものではありません。

実際、しっかりとした調査や戦略も無く始めてしまい、失敗してしまう人も少なくありません。

そこで、不動産投資に興味を持つ方に向けて、よくある失敗例や避けるべき行動についてまとめました。

不動産投資の失敗パターンは大きく3つ

不動産投資では、非常に多くの失敗例があります。しかし、そのパターンを分類すると、大きく3つのパターンに分けることができます。そのパターンは、

  • 不動産投資に対する理解不足
  • 情報収集の不足
  • 運用・経営のノウハウ不足

です。これらの失敗は、特に不動産投資の未経験者や初心者が陥りやすいものです。

このパターンや対応策をあらかじめ知っておくことは、不動産投資の成功率を高めることにつながるでしょう。

以下、具体的な例を挙げながら失敗例と避けるべき行動を紹介します。

「投資に対する理解不足」での失敗例と避けるべき行動

不動産投資は「ミドルリスク・ミドルリターンの投資です。

しかし、不動産投資の未経験者や初心者は、どこにリスクがあり、どうリターンを取るべきかを把握しないまま投資の判断をしてしまうことがあります。

リスクの所在やリターンについて知らない場合、同じ投資対象でも「ハイリスク・ローリターン」になりかねません。

投資は、資産を運用することによって収益を出す行為です。

不動産投資で収益を得るためには、家賃収入による「インカムゲイン」と、物件の売却による「キャピタルゲイン」の二種類の方法が主になっています。

1,000万円のワンルームマンションで家賃利回りが8%の物件を購入したとき

1,000万円のワンルームマンションで家賃利回りが8%という募集に魅力を感じ、物件を購入したとします。

実際には空室が出ることもあり、実質利回りは6%程度で10年が経過しました。

単純化のために他の費用や物価上昇率を除いて考えるとして、毎年60万円の利益が生じ、10年で600万円です。さて、この投資は成功でしょうか、それとも失敗でしょうか

このようなケースで、思ったような利回りが出ていないから失敗と判断してしまってはいけません。成功と失敗を判断するためには、まだ材料が不足しています。

この物件を400万円以上の価格で売却できたなら、投資額の1,000万円を回収したうえで利益が生じ、投資としては成功です。

逆に400万円未満の価格でしか売却できなければ損失が出るため失敗と考えられます。

キャピタルゲインまで含めて不動産投資は考えるべきですが、インカムゲインのみで考えて焦ってしまう人も多いので注意しましょう。

同じ例で、物件を売却せずに保有し続けるなら、同じ利回りで利益になるまではあと7年ほど保有する必要があります。

無事に同程度の利回りで7年が経過すれば成功ですが、時間が経過するほど、家賃収入の低下や物件の補修などのリスクが高まるため、利回りが維持される可能性は最初の10年よりも低くなるでしょう。

投資する資産の特性を理解することは、投資の成功率を上げる上で大切なことです。しかし、何となく物件を所有し続け、損失を出し続けてしまう人も多いので、不動産の特性を常に意識しておく必要があります。

投資では、どのような商品だとしても運用環境が一定であることはありません。

常に運用環境が変化し続けることが前提ですので、期間を定めて資金の回収を考えることが必要です。

特に不動産は、物件の価値が徐々に低下しリスクが大きくなる投資商品ですので、5年なら5年、10年なら10年と決めておいて、清算のタイミングを最初から考えておくようにしましょう

また、たとえプロの投資家でも投資で全勝することはありません。

投資全体で利益を出すために、ひとつの投資対象が失敗した場合、上手に損切りして早期に次の投資を検討することも必要です。

毎年利益が出たり、毎回の投資が成功で終わることを期待してはいけません。

これらを期待すると、余計なストレスになってしまいますし、損切りのタイミングが遅れてしまいますので気をつけましょう。

「情報収集の不足」での失敗例と避けるべきこと

情報収集の不足」は不動産投資においてよくある失敗です。

完全で間違いのない情報を収集することは不可能ですが、特に失敗につながりやすいパターンを知っておき、対策を準備しておくことが大切です。

物件購入時は「大学が近い」「大型ショッピングモールが近い」とアピールされていたワンルームマンションが、購入から数年後に大学のキャンパスやショッピングモールが移転してしまい、途端に入居者がつかなくなることがあります

入居者を集めそうな大学や企業が近くにあるとしても、1つの大学・企業に頼った投資の判断はリスクが高く、慎重な判断が必要です。

ある中古マンションが市場価格より大幅に安く販売されているからと、他の人に先を越されないようにと急いで決めるのも避けた方が良いです。

利回りなどの条件が良くとも、以前のオーナーが現状復帰をしておらず、修繕積立金の滞納が積もっていて、それらの対応を求められる例もあります。

物件や条件の確認は徹底して慎重になるべきです。

不動産会社の営業は、基本的に早く決定するように促してきますが、時間をかけるべきところはしっかり時間をかけましょう。

また、営業マンから「将来は値上がりする」と薦められたとしても、それだけを理由に購入することは避けた方が無難です。

実際には需要が伸びず値上がりもしなかったというケースも多いですし、不動産の魅力を左右する要因はさまざまですから、値上がりの根拠を正確に分析し、確度が高い情報か、またその見込みは妥当なのか、情報が間違っていた場合も問題はないのかを精査しましょう。

節税に有効ということで不動産投資を薦められ、税金の還付を受けることには成功したものの、不動産投資の損失が税還付よりも大きくなり損となる場合もあります。

節税は不動産投資の魅力ですが、詳細なシミュレーションなしに手をつけるのは良くありません。税理士など専門家に依頼してしっかり確認するべきです。

入居者がいないとしても、家賃が不動産会社から保障してもらえるサブリース契約はオーナーにとって非常に魅力的です。

しかし、数年経ってからサブリースの金額が大きく下がってしまったり、不動産会社が倒産してしまい、空室の目立つ物件とローンだけが残ってしまうことがあります。

サブリースはあくまでオマケですので、サブリースが無くとも十分に利益が出せる物件かをよく考えて選びましょう。投資先の魅力や価値を決めるのはサブリースではなく物件そのものです。

新築アパート物件への投資を行ったものの、支払い後もなかなか建物が完成しなかったり、出来上がった建物が当初の話と違っている場合もあります。

この場合、支払いから家賃収入が発生するまでの期間が開いてローンの返済に支障が生じたり、想定していた利回りから大きく変わってしまったりするため、投資の状況としては非常に危険です。

  • 信頼できる業者を選んで取引を行うこと
  • 契約内容をよく把握して不利な条件が入っていないか確認すること
  • 建設工事や土地の活用法について自ら学んでおくこと

などはトラブルを未然に防ぐために効果的です。

投資を行う際に、資金調達を不動産会社がサポートしてくれる場合があります。

この場合、不動産会社と相談して考えていた金融機関で審査が通らないと、他の金融機関で予定より高い金利でローンを組むことになるケースも多いです。

この時、つい「融資してくれるならどこでも良い」となってしまいがちですがそれは避けて、シミュレーションも最初からやり直して慎重に投資の是非を判断しましょう。

「運用・経営のノウハウ不足」での失敗例と避けるべき行動

不動産投資は、投資して終わりではなく、その後は物件のオーナーとして経営をしていくことが必要です。

資金や資産の運用や、経営に関するノウハウが不足しているために不動産投資が失敗に終わることも少なくありません。

不動産投資で一番怖いのは、物件に入居者がつかず、収入が発生しないことです。客付けは管理会社に委託するのが一般的ですが、管理会社に任せっきりにするのは良くありません。

オーナーとして、どのような層をターゲットにしたいと考えているのか、家賃相場はどれくらいで考えているか、意向をしっかりと管理会社に伝える必要があります。

また、管理会社が物件の管理や広告活動をしっかり行っているかチェックすることも大切です。

物件を購入してからも修繕費や原状復帰費用、固定資産税、管理会社への支払いなどの費用が発生しますが、さほど意識がされていないケースも多いです。

何にどのような費用がかかっているかを把握して、支出を減らすよう努めることは入居者を増やすのと同様に不動産経営の大事なノウハウといえます。

支出が多いと思いながらも、管理会社や税理士に任せっきりにする人は多いですが、自分の資産として切迫感を持って対策を考えるべきです。

物件の入居率や利回りは、物件の経年劣化と共に目に見えて低下していきます。

その時に、そのうち改善するんじゃないかと考えて放置したり、完全に赤字になるまで放置するのは賢い経営だとはいえません。

早めにリノベーションを検討して物件の魅力を高めたり、需要がある程度高い状態のうちに売り抜けてしまうなど、対応策を準備しておかなければなりません。

不動産は流動性がさほど高くない資産ですので、売却を希望してすぐに買い手が付くとも限らず、また売買契約には多少の時間が必要になります。

その間も物件の価値は落ち、支出が大きくなりますので、早め早めに手を打つことが大切です。

投資によって安定して利回りが出ているからと、すぐに次の投資を検討したり、贅沢な生活に走ってしまうのも避けましょう。

成績が好調だと、不動産会社からも新しい勧誘が来ることも多いですが、判断は慎重に行うべきです。

運用環境は変化するため、よほど資金に余裕がある場合を除いては、ローンの返済が終わるまで安心はできません。

多少余裕のあるうちに、可能なら繰り上げで返済していくことも投資の最終的な利益を大きくするために有効であり、ローンの乗り換えによって金利を下げることができる場合もありますので、確実かつ早期の返済を優先にすることが大切です。

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