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不動産投資は利回りがすべて! 利回りの考え方、目安、シミュレーションまで徹底解説します

筆者: minkabuPRESSコラム
2019/06/28

不動産投資を始めるうえで、最も重要といっても過言ではないのが「利回り」について理解することです。 もちろん不動産投資を成功に導く要素は利回りだけではありません。立地、物件購入価格、借入金利、事業計画、キャッシュフロー、人脈…。さまざまなものが重要な要素として解説されています。 しかし、利回りには、それら不動産投資において重要な要素のすべてが反映されています。


良い立地は有利な家賃設定として反映され高利回りをもたらします。物件購入価格が高かったか安かったかは、ダイレクトに利回りに影響を与えます。利回りを理解することこそが不動産投資の成功に近づく道なのです。


それほど重要な利回りですが、不動産投資に興味こそあるものの、その考え方や計算方法について詳しい知識がないという人も多いでしょう。ここでは、利回りの知識を身に付けたいという人に向けて、利回りの考え方や計算方法を具体的なシミュレーションを交えながら詳しく解説していきます。


簡単なようで奥が深い、利回りの種類と計算方法

不動産投資における利回りは、簡単にまとめると「投資した金額に対する見込み収益」の割合を指します。不動産投資における利回りにはいくつかの考え方がありますが、その中でも重要な「表面利回り」「実質利回り」、さらに「想定利回り」「自己資金利回り」という4種類の利回りについて解説していきます。それぞれが持つ特徴、メリット・デメリットを知ることは不動産投資を成功に導くカギとなるでしょう。

表面利回り

ほとんどの場合、物件情報に記載されている利回りはこの「表面利回り」です。 表面利回りは、年間家賃収入を物件の購入費用で割った数値となります。計算式は、「年間家賃収入÷物件価格×100」です。


たとえば、土地や建物の費用が3000万円、家賃がマンション1室10万円の場合、計算式を用いてシミュレーションを行うと以下のようになります。まず、年間家賃収入が10万円×12カ月で120万円。そして、表面利回りとして120万円÷3000万円×100を計算すると、4.0%という数値になります。この4.0%が、表面利回りの数値となります。


表面利回りのメリット

表面利回り」のメリットは、簡単に収益性を推測できるという点です。不動産会社の広告・サイトなどに記載されている利回りは、この表面利回りによって算出されているケースが多くみられます。


表面利回りは1年間満室だった場合を想定し、家賃収入を物件価格で割るというもので、収益性を簡単に計算できるのが魅力です。物件価格に対し、年間家賃収入がどれくらいのパーセンテージを占めるのかを、ざっくりと知ることができます。


表面利回りのデメリット

一方、デメリットは不動産会社の広告やサイトなどに掲載されている表面利回りは、さまざまなコストを含めずに計算されている場合があるという点です。


たとえば、同じ家賃収入を得られる新築物件と中古物件を比べてみると、購入価格は新築のほうが高く、利回りも下がります。ところが、情報を整理してみると中古物件は修繕費用などがかかり、収益が下がってしまうことがあるのです。


かかるコストが高いと結局赤字になってしまうおそれがあるため、物件資料の表面利回りを見る際には注意する必要があるのです。 表面利回りは、文字通り表面的な利回りに過ぎず、賃貸経営のさまざまな要素をも含めた実質的な利回りを表していないのです。


実質利回り

「実質利回り」は、年間家賃収入からさまざまな年間支出を引いた額をベースに計算するのが特徴です。年間支出には、建物管理費や修繕積立金、さらに固定資産税や都市計画税、火災保険料や賃貸管理会社管理費などが挙げられます。計算式は、「年間家賃収入-年間支出÷物件価格×100」となります。


実質利回りのメリット

実質利回り」のメリットは、計算によって具体的な収益性を知ることができるという点です。表面利回りは満室時の家賃収入を基準とする計算であるのに対し、実質利回りは不動産を所有するための費用・ランニングコストなどを考慮して計算します。経費を差し引くことで、より実質的な数値を計算できるのです。


実質利回りのデメリット

ただし、実質利回りは費用の変動の関係で、確実にコスト計算をできるわけではないのがデメリットとして挙げられます。取得や運営にかかる費用は、毎年決まっているものもあれば変動するものもあるなど、さまざまです。


特に、固定資産税は評価替えがあったり、空室損失は予測が困難だったりするなどの問題があります。このような理由により、実質利回りは実態に近い数字が計算できるものの、完全に正確な数値を出せるわけではないことを、頭に入れておく必要があります。


想定利回り

「想定利回り」は、空室もしくは売り主が入居している物件を、賃貸に出した場合の参考収益指標のことです。基本的に、想定利回りは不動産会社が大まかな数値としてつけています。相場賃料をもとに計算した数値が、想定利回りとなります。


計算式は「想定年間収入÷購入価格×100」です。「自己資金利回り」は、自己資金における利益の割合を知るためのものです。この計算方法によって、自己資金を使ってどれだけのキャッシュフローを得られたのか、効率性を知ることができます。なお、計算式は「年間キャッシュフロー÷自己資金×100」となります。


想定利回りのメリット

想定利回り」は不動産会社の物件広告にだけ記載されるものです。現在空室の物件や賃貸に出していない物件などの年間家賃収入が、想定額で計算できるのがメリットとして挙げられます。


想定利回りのデメリット

一方、想定利回りはあくまでも不動産会社によって想定されたものなので、正確性に欠ける場合があるのがデメリットといえます。なかには、物件内にある最高額の家賃を基準に利回りが計算されているようなケースもあるようです。首尾よく最高額の家賃で貸し出せるならいいのですが、そんな風にうまくいく場合だけではありません。見かけだけ高い利回りは、物件に投資する側にとっては“罠”にすぎませんので、注意が必要です。


自己資金利回り

「自己資金利回り」は、自己資金における利益の割合を知るためのものです。この計算方法によって、自己資金を使ってどれだけのキャッシュフローを得られたのか、効率性を知ることができます。なお、計算式は「年間キャッシュフロー÷自己資金×100」となります。


自己資金利回りのメリット

自己資金利回り」は、計算により資産運用の効率性を知ることができるのがメリットです。自己資金利回りの高さは、自己資金を抑えて資産運用ができているかどうかという目安になります。


自己資金利回りのデメリット

一方、デメリットは自己資金利回りが高い場合、返済計画に支障が出た際に、対応できない可能性があるということです。支障が一時的なものであれば、自己資金で解決できるかもしれません。しかし、長期にわたり支障が生じる場合、自己資金だけでは対応できない可能性があります。


利回りの読み解き方のポイント

不動産投資における利回りの考え方や計算方法について理解できたら、次に把握しておきたいのが「利回りの読み解き方」です。良いと思って購入した物件が、実は不良物件だったという可能性もあります。こうした事態に陥らないためにも、きちんと利回りの読み解き方のポイントを知っておきましょう。


空室物件の利回りの見方

まず、ポイントとして「空室物件の利回り」が挙げられます。空室物件に表示されている家賃は、あくまでも想定のものです。なかには高く売るなどの目的で、不動産会社が周辺相場よりも高い家賃に設定している可能性があります。


高い利回りが提示されているからといって、空室物件に飛びつくのは避けたほうが無難です。周辺相場に見合った想定家賃が設定されているかどうか、きちんと確認をしてから購入を検討する必要があります。


長期入居物件に潜む罠

さらに、「長期入居の物件」にも注意が必要です。新築物件と築年数の経過した物件を比較すると、当然新築物件のほうが高い家賃となります。 このとき、注意したいのが新築時からずっと同じ入居者が物件に住んでいる場合です。


この場合、利回りは「新築当時の高い家賃」を基準に計算されている可能性があります。万が一、長年住んでいた入居者が退去した場合、築年数の経過した物件の相場家賃で、新しい入居者がつくことになります。すると、利回りがぐっと下がってしまうリスクが生じるため、要注意です。


このように、入居者がいる投資物件であっても、利回りが正確に物件の収益性を示しているとは限りません。利回りを確認する際は、入居者がいつからその物件に住んでいるのか、チェックしておきましょう。


空室リスクと利回り低下

それに加えて、「空室リスクの高さ」にも気を付ける必要があります。基本的に、利回りは物件が通年空室がない状態を前提としての計算となります。これは、見方を変えてみると途中で入居者が退去し、物件が空室になった場合に、利回りが計算通りにならなくなるということです。


このような理由から、賃貸需要が少ないなど空室リスクの高い物件の場合、利回りが高くても優良物件とはいえないケースがあるのです。さらに、賃貸需要が少なく入居付けに苦労している場合、一定期間家賃が無料になる「フリーレント」や「広告料」などの経費がかかるケースもあるため、注意しましょう。


低利回りの優良物件

反対に、利回りが低くても、賃貸需要の多いエリアには優良物件が隠れているケースもあります。特に、賃貸需要が高く物件の供給が少ないエリアなら、退去者が出てもすぐに新しい入居者が見つかりやすい傾向にあるため、安心です。投資物件を決めるときは目先の利回りだけではなく、空室リスクを考慮しましょう。


高すぎる表面利回りには注意

また、「表面利回りが高すぎる物件」も、慎重に購入を検討するのが大切といえます。なぜなら、表面利回りが高すぎる物件は、修繕費などの経費がかさむなど、何らかの理由が隠れている場合があるためです。すると、表面利回りが高くても、結果として多額の費用がかかってしまう可能性があります。


表面利回りが高い物件でも、収益性が保証されているとは限りません。表面利回りとリスクの高さは比例するという認識を持っておくと、物件選びに失敗する可能性を低減できるでしょう。


ただし、表面利回りが高い物件は、絶対に避けるべきというわけではありません。なかには賃貸需要が高いものの、再建築ができないなどの不利な条件があるために、物件価格が割安になっているケースもみられます。 また、家賃を高く設定しすぎており、表面利回りが高くなっている場合などもあります。


このような場合は、家賃を周辺の物件に合わせて下げるなどの工夫を行うと、空室状態の改善を期待できるでしょう。表面利回りが高く気になる物件がある場合は、最初から購入を避けるのではなく、利回りが高い理由や条件などをきちんと確認してみるのが大切です。


利回りをきちんと理解して投資物件を見極めよう!

不動産投資で損をしないためには、利益が着実にあがる投資物件を見極めるのが肝心です。そして、良い投資物件を見極めるためには、利回りについての知識が必要になります。利回りについてよく理解していないまま投資物件を探す場合、あまり利益が期待できない物件をつかまされてしまうおそれがあるため、要注意です。


数多くあるなかから利益を期待できる良い物件を探し出し、不動産投資を成功させるためにも、きちんと利回りの種類や計算方法、読み解き方のポイントなどを押さえておきましょう。

minkabuPRESS