不動産投資物件選び

不動産投資で注意すべき選定条件とは?物件の選び方を詳しく解説

2020/01/14
不動産投資で注意すべき選定条件とは?物件の選び方を詳しく解説

「不動産投資で収入を得たいけど、どんな物件を選べば良いのか分からない」

「どのような条件を満たした物件に投資すべきなのか知っておきたい」

不動産投資により安定した収入を得るには、賃貸ニーズのある物件を確保することが重要です。たとえ表面利回りが良かったとしても、実際に運用経費が高ければ実質利回りが悪くなり、キャッシュフローが悪くなります。

また、金融機関からローンによる融資を受けるためにも、価値の高い物件を選ぶことも重要です。この記事では不動産投資に役立つ、物件の選定条件について詳しく説明します。

投資する不動産を選定するには

不動産投資の一般的な目的は所有する物件に他人が入居して、賃貸収入により資産を増やしていくこと。ユーザーから需要のある不動産を提供することで、より自分の収入が増える仕組みです。

リターンを得るには価値ある物件を購入する必要があり、選定条件を決めて不動産を探すことが必要です。選定条件は物件価格や築年数などの要素と、その要素をどれくらい厳しくするかによって決めることが可能です。

例えば不動産の築年数と想定利回りから物件を選ぶとした場合、築年数が30年以内で想定利回り7%以上を条件とする場合、その条件を満たした物件を選ぶことでリターンに期待できるものです。

実際には不動産投資で利益を得るには幅広い要素を考慮する必要があります。これから不動産投資を検討されている方が知っておくべき選定条件における要素は次の3つです。

  1. 空室リスクが小さい
  2. 資産価値の高い物件
  3. 管理状態がよい物件

それぞれの要素について詳しく解説します。

空室リスクが小さい

入居してくれる人によって収入を得られるのが不動産投資であり、空室になりにくい物件を購入することが重要です。空室リスクが大きいと収入が少なくなり、ローンや諸費用により収支がマイナスになる可能性があります。

注意すべきポイントは自分の主観で選ぶのではなく、その物件に住む人を想定して物件を選ぶこと。他人が住む物件に投資するのですから、空室を防ぐには他人のニーズを満たしている必要があります。

例えば単身者が物件を選ぶ場合、最寄り駅までの距離やターミナル駅までのアクセスの良さが重視される傾向。たとえ日当たりや設備が良くても、アクセスが悪ければ単身者に避けられやすいです。

入居してくれるターゲットを想定することで、空室リスクの小さい物件に投資しやすくなります。収入を増やすためには条件を決めておき、需要の高い物件を選びましょう。

資産価値の高い物件

金融機関からローンを借りて不動産投資する場合、資産価値の高い物件のほうがよい条件で融資を受けられます。ローンの担保は不動産であり、物件の価値が低ければ貸し倒れリスクが大きくなるからです。

例えば治安や利便性が悪くて価値が下がりやすい不動産の場合、空室になりやすくなり、投資家が返済できなくなる可能性があります。

もし債務不履行により金融機関が担保である不動産を取り押さえたとしても、物件の価値が低いと貸した資金を全額回収できないリスクがあるのです。

そのため資産価値の低い物件では融資が通りにくくなり、よい条件でローンを借りるのが難しくなります。ローンで不動産に投資する場合、資産価値も考慮すべき選定条件の1つです。

管理状態がよい物件

中古物件に投資する場合は現地で管理状態を確認し、状態の悪い不動産を避けることも重要。しっかりと管理されていない物件は空室になりやすく、資産価値が下がりやすいデメリットがあります。

空室リスクの小さい不動産を探すには

「どのような物件であれば空室リスクが小さいのか知りたい」と思う人はいるはず。空室リスクの小さい不動産を探すための選定条件は主に以下の5つです。

  1. 周辺の交通機関を確認する
  2. 不動産の設備を確認する
  3. 周辺のお店や施設を把握する
  4. メンテナンスされているか見る
  5. 再開発の計画を知る

それぞれの項目を詳しく見ていきましょう。

周辺の交通機関を確認する

主要都市で働く人が多い現代では、物件における交通アクセスの良さをユーザーは重視しています。最寄り駅までの近さだけでなく、ターミナル駅へのアクセスのしやすさにより空室リスクは変わるものです。

例えば最寄り駅までの距離が徒歩10分の物件には、社会人にとって利便性が高いメリットがあります。最寄り駅に近いと競合物件が少なくなるため、希少価値が上がるのも利点です。

逆に最寄り駅までの距離が遠い物件の場合、利便性が悪くてユーザーから避けられる傾向です。似たような利便性の物件が増えることにより、価値が下がりやすくなるデメリットもあります。

空室になりにくい物件を選びたい人は、最寄り駅まで徒歩10分の距離にある不動産に投資しましょう。徒歩圏内に最寄り駅があり、ターミナル駅にアクセスしやすければ空室リスクは小さくなります。

不動産の設備を確認する

地球温暖化や治安の悪化等により、物件の設備を考慮して部屋を選ぶ人が増えている傾向です。設備が古くなった物件の場合、ユーザーから住みにくいと判断されるため注意しましょう。

例えば物件に汲み取り式のトイレが設置されていると、においや衛生面からユーザーに避けられやすいです。今の時代にあった設備があることで、物件の空室リスクを抑えられます。

周辺のお店や施設を把握する

ユーザーは物件の利便性だけでなく、周辺地域を確認してからお部屋を選びます。近くにスーパーや銀行のない物件の場合、生活のしづらさから物件が空室になる可能性があります。

また、ファミリー世帯が入居する物件の場合、近くに学校がないと需要が下がりやすくなる傾向です。現地で物件を確認するときは周辺の施設も確認して、生活しやすいかどうかチェックしましょう。

メンテナンスされているか見る

不動産物件にはあまりメンテナンスされてなく、設備や建物が劣化しているケースがあります。見た目の悪い物件に好んで住む人は少ないため、現地で物件の管理状態を確認しておくことがオススメです。

メンテナンスの状況を確認するには、不動産における定期点検の履歴や修繕計画を見る方法があります。集合住宅の場合は管理の形態や、物件の共用部分をチェックするのも重要です。

再開発の計画を知る

エリアによっては古くなった市街地を改善するために、自治体が再開発を計画しているパターンがあります。再開発により利便性が向上するため、そのエリアの不動産は需要が上がりやすいです。

自分が不動産投資を検討するエリアでの再開発計画を知るには、インターネットで「○○ 再開発」と検索しましょう。再開発プロジェクト地図情報から地図で再開発の予定を見ることも可能です。

資産価値の高い物件を探すには

金融機関から融資を受けて不動産投資をする場合、価値のある物件を選ぶことが必要です。価値のない物件はローンの担保にするのが難しく、融資に断られる可能性があります。

資産価値の高い物件を探すための選定条件項目は主に3つです。

  1. 人気のエリアであるのかチェックする
  2. 周辺の治安を確認する
  3. 地場の管理会社に情報を聞く

それぞれの項目を詳しく見ていきましょう。

人気のエリアであるのかチェックする

ユーザーから人気の高いエリアに物件がある場合、需要が続くことで資産価値が残りやすくなります。物件を選ぶときはそのエリアの人気度をチェックしておくことも重要です。

インターネットで「不動産 人気エリア」と検索することで、簡単に需要の高い場所を調べられます。例えばSUUMOの住みたい街ランキングを見て、関東や関西の人気エリアを知ることが可能です。

人気があれば多くの人々がそのエリアに流入するようになり、需要があることで物件の資産価値が下がりにくくなります。

周辺の治安を確認する

犯罪やトラブルに巻き込まれないために、物件の治安を重視するユーザーは一定数います。治安が悪いと入居してくれるユーザーが減ってしまい、価値が下がりやすくなるため注意する必要があります。

現地で周辺にある施設やお店を見ることで、物件における治安を確認できます。例えば近くに繁華街やホテル街がある場合、他に比べて治安が悪化しやすいと推測できるものです。

また、犯罪情報マップで地域の犯罪件数を調べることで治安の良さを推測できます。安心して暮らせる物件を確保するためにも、購入前に治安をチェックしておきましょう。

地場の管理会社に情報を聞く

検討している物件の近くで不動産業者が営業している時は、紹介された物件の地場にある管理会社に色々と聞くといいでしょう。

管理会社に質問する例は以下の通りです。

  • この地域で収益物件を探していますが、賃貸への需要はどれくらいありますか?
  • あのマンションを投資目的で購入しようと検討していますが、近隣物件の入居率はどれくらいですか?
  • どのような地域であれば、不動産からの収益に期待できそうですか?

管理会社にこのような質問を繰り返し聞くことで、地域の情報を効率的に集められます。

管理状態のよい物件を探すには

管理されていない物件には空室になりやすく、資産価値が落ちやすいデメリットがあります。不動産投資によるリターンを狙うのであれば、管理状態もチェックすることが重要です。

管理状態のよい物件を見つけるには「物件の共用部分を確認する」方法と「外観が劣化していないか見る」方法があります。

物件の共用部分を確認する

マンションやアパートなどの集合住宅では、管理人が不動産の共用部分をメンテナンスするのが一般的です。共用部分に汚れや破損などがある場合、管理状態が悪い可能性があります。

外観が劣化していないか見る

不動産の外観に破損や汚れなどがあるケースでは、前の住居人や管理人がまともに管理せずに住んでいたパターンがあります。外観の劣化がひどい場合はコストが高くつくため注意しましょう。

まとめ

投資のために物件を選ぶときは、空室リスクが小さくて価値の高い不動産を探すことが重要です。この記事にある選定条件の要素を考慮したうえで、投資に最適な不動産を見つけましょう。

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ(不動産投資)プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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