太陽光発電という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。近ごろ、太陽光発電を利用した投資がブームになりつつあります。投資には様々な種類がありますが、太陽光発電投資は様々ある投資の中でも比較的安定していると言われています。
本記事では太陽光発電投資と他の不動産投資の違いや、メリット・デメリット、向き不向きなどについて解説をしていきます。
太陽光発電投資の話に入る前に、太陽光発電について簡単に説明しておきましょう。太陽光発電とは光を蓄える太陽電池のシステムを活用して、直接的に電力換する仕組みを指します。太陽光発電はクリーンでエコなエネルギーとして政府が設置を推奨しており、導入への追い風が吹いている状況です。太陽光発電をオール電化とセットで使うことで電機やガスを購入せずにすむため、節約という観点からみても太陽光発電は有意義といえます。
太陽光発電で投資を検討しているのであれば、FIT法について理解しておく必要があるでしょう。FIT法とは「固定価格買取制度」のことです。FIT法は2012年7月からスタートしました。太陽光、地熱、水力などのエネルギーで作り出した電気を事業者が20年間固定で買い取ってくれる制度です。要するに太陽光発電投資とはFIT法を中心にした投資と考えればよいでしょう。一定の期間買取価格が変化しないので、リスクを抑えた投資が実現できます。
不動産投資としては太陽光発電投資よりも区分マンション投資や一棟投資の方が有名だと言えます。
太陽光発電投資と区分や一棟投資との違いとしてまずあげられるのは、平均利回りの違いです。土地付きの太陽光発電所は平均利回りが10%を超えるものが数多くあります。利回りが10%であれば、1,000万円の土地・設備を購入時、年間の利益は100万円です。つまり10年運用すれば元が取れる計算になります。不動産投資で利回り10%を実現するのは相当に困難です。比較的容易に平均利回りが10%が達成できるのは太陽光発電投資の大きな強みといえるでしょう。
収益がでるスピードに関しても太陽光発電投資のほうが早いです。区分マンション投資や一棟投資は入居を開始した段階からようやく利益が出ますが、太陽光発電投資はパネルを設置して電力会社との連携が完了した時点から、売却ができます。いちはやく収益をだすという面に関しても太陽光発電投資のほうが優れているのです。
また、FIT法により電力の売買価格が決まっているのも太陽光発電投資ならではの特徴でしょう。20年間は収支計算が的確にできるため、リスクヘッジがしやすくなります。電気の買い取りは区分マンション投資や一棟投資では家賃に該当しますが、家賃は常に一定額ではありません。築年数が経つほど、一般的に家賃は下がるものです。どの程度下がるかについては運用開始時点では予測できないので、太陽光発電投資に比べると、収支計算はしにくくなるでしょう。
太陽光発電投資のメリットは大きく3点あります。
それぞれ見ていきましょう。
火力発電は燃やすものが必要ですし、原子力発電は有害物資を利用するリスクがあります。太陽光発電は太陽の光を利用しますので環境によく、クリーンなエネルギーなのがポイントです。エコの観点からしても優れているといえるでしょう。さらに、太陽は常識的に考えて、なくなることはありません。不動産投資では空き部屋がでるのはよくありますが、太陽光発電投資では悪天候の日を除いて太陽が昇らない日はないので利益が出やすいと言えそうです。
20年間は売電が補償されており、年利の計算がしやすいため、銀行などの金融機関からの審査も通りやすいでしょう。株や為替は景気によって左右される面が大きいですが、太陽光発電投資であれば返済計画をしっかりと立てれば失敗はしにくいはずです。安定した運用が太陽光発電投資のメリットです。
さらに消費税還付が受けられることもメリットになります。条件によっては手元の資金を出さなくてもプラスで運用を開始できるケースもあるようです。
技術の革新により、太陽光パネルは年々安くなっている傾向にあります。国産だけでなく、海外製品の品質も上がってきているので、ニーズに合わせて購入を選択するとよいでしょう。ものにもよりますが、海外製品のほうが国産よりも安いです。設備価格が下がるほど、太陽光発電投資で得られる利益は大きくなります。また、機器の性能上昇により発電量が増えたのも見逃せないポイント。故障率も低下しているので、より安心感をもって太陽光発電投資ができる状況になってきています。
太陽光発電投資のメリットについていろいろと解説をしてきましたが、リスクもあります。
太陽光発電投資のリスクは大きく3点あります。
それぞれ確認していきます。
天候に売上が左右されてしまうことは太陽光発電投資のリスクになります。太陽が昇らない日はないですが、曇ったり雨が降ったりするときは日差しが少ないです。日照時間や日射量が少ないほど売上が小さくなるため、売上のシュミレーションをする際にはこれらを考慮しなくてはなりません。太陽光発電投資の業者を選択する際には、天候を正確に分析できるデータを持っているかどうかをチェックするようにしましょう。
機器の性能が年々よくなっているとはいえ、故障しない保証はありません。太陽光発電は太陽光パネルやパワーコンディショナーなどが肝となりますが、これらの調子が悪くなると収益性に大きな影響がでることになるでしょう。屋外に設置する機器である以上、落雷や水害に合う可能性はあります。機器が完全に壊れ買い替えるとなると、その分の利益落ち込みは避けられません。また、機器の再生エネルギーの比率が年々下がる点にも留意が必要です。一般的な太陽光パネルの変換効率はだいたい20%前後はあるでしょう。しかし、太陽光パネルは毎年0.3%前後劣化するといわれています。太陽光パネルの劣化も計算に入れながら運用をしていくことが重要です。
機器の故障に対するリスク対策としては、損害保険が考えられます。基本的にそれぞれの製品にはメーカー保証がついていますが、パネルの故障のみなど、限定的な内容のものも多いです。可能であればシステム全体に動作保証がついている保険をつけるのが望ましいでしょう。
投資未経験、または投資初心者など、太陽光発電投資はおすすめできそうです。なぜなら他の投資に比べると、学習量少なく始められるからです。もちろん、まったくなにも知らずに始めることはリスクになりますが、良い会社から太陽光発電のセットを購入できれば、リスクを抑えて運用することができるでしょう。
太陽光発電投資は日々作業をして時間を取られることがあまりないので、副業に時間を割けない人にも向いているでしょう。
メンテナンスの契約や土地の選定に関しては慎重に行う必要があります。一部では悪徳業者も潜んでいるようですので、気を付けなくてはなりません。
固定価格買取制度のおかげで、太陽光発電投資はブームとなっており、そこに目をつけて詐欺行為を行う事例がときおり報告されています。
具体的には、前金を数百万円入れたのにも関わらず物件の引き渡しがされず、音信不通になるといった最悪のケースもあるようです。
太陽光発電投資に向いていないのはハイリターンを常に求める人です。太陽光発電投資は安定した運用が売りになっており、一挙に稼げる性質は持ち合わせていません。また、短期間で稼ぎたい人も他の投資にしたほうがよいでしょう。20年間に渡る固定価格買取制度が太陽光発電投資のベースになるので、長い目で運用する気持ちが必要になります。大きく稼ぎたいのであれば、太陽光発電投資だけでなく、株などの変動型の投資も並行して運用するとよいでしょう。
太陽光発電投資は一般的な不動産投資よりもリスクを抑えた運用ができそうです。20年間は国が電気を買い取ってくれますので、売上計算がしやすいのが大きな魅力といえるでしょう。高性能な機材も安くなってきていますので、始めようかどうか迷っている人は前向きに検討してみてもよいかもしれません。ただし、爆発的に稼げるような投資ではないため、一攫千金を目指す人にはあまり向いていないでしょう。太陽光発電投資を他の投資のリスクヘッジとして検討してみてはいかがでしょうか。