投資用物件を購入する際に、「駅近」が良いとされています。
しかし、駅近ならなんでも良いというわけではありません。
駅近のメリットだけではなく、デメリットやリスクも潜んでいることを忘れてはいけません。
この記事では、駅近で投資用物件を探そうとしている方向けに、投資物件の選び方のポイントを紹介していきます。
まずは駅近物件のメリットをみてみましょう。
駅近の物件で投資用物件を購入するにあたって、最大のメリットに「空室のリスクが少ない」というものが挙げられます。
空室のリスクとは、一度空室になってしまった際に、なかなか借り手がつかないことです。
不動産投資で融資を活用している場合は、入居者の家賃でローンを返済していくという仕組みです。
入居者がいなければ、家賃は入ってきません。しかし、ローンの支払いは待ってもらえないため、月々のキャッシュフローが赤字となってしまいます。
駅近の物件は、独身のサラリーマンや1人暮らしの女性に重宝されるケースが多いため、入居者探しに苦労することはほとんどないでしょう。
仮に、空室が出てしまったとしても、その期間が短くて済み、収益が悪化することを避けられるのです。
駅近の物件の最大の魅力は、「利便性の高さ」にあります。
利便性とは、駅までの距離だけを指すのではありません。
駅前にスーパーやコンビニがあるか、商業施設や医療機関などが揃っているかどうかで需要は大きく変わってきます。
駅まで徒歩5分以内というのは、確かに大きな魅力です。
しかし、それだけではいけません。
同じ徒歩5分圏内でも駅の周りにコンビニ程度しかない物件より、さまざまな施設がある物件の方が、人気が出るのは当然といえるでしょう。
利便性が高ければ、住んでいて不自由も少なく、長く住んでもらえることにもつながります。
「利便性が高さ」がある駅は、高い資産価値を維持することが可能です。
資産価値が高い物件とは、一言でいえば「より高くかつ、すぐに売ることが出来る」ものです。
10年、20年と時間が経っても「値崩れしていない=需要がある」物件であることが重要です。
投資用物件を購入する際には、「家賃収入がきちんと得られるか」だけではなく、「売却すること」つまり出口戦略を視野に入れておきましょう。
続きまして、デメリットもみてみましょう。
駅近の物件は、相場よりも価格が高くなります。
投資用物件の価格が高いと、家賃もそれなりに設定しなければ利回りが低くなってしまうので、注意が必要です。
駅に近いという理由だけで、投資用物件を購入するのはやめましょう。
「いくらで購入し、いくらで貸すのか」で利回りのシミュレーションをきちんと行ってから購入することを検討してみてください。
駅近は、需要が高いため競合の投資用物件が乱立しやすくなっています。
駅近の物件を購入する際には、後から競合の投資用物件が間違いなく建つと考えてよいでしょう。
購入した物件の周辺に、同じような条件の物件が並んでいると、入居者が分散してしまい、差別化を図ることも考えなければなりません。
差別化としては、「セキュリティ」や「共用部分の充実度」が挙げられます。
購入前にチェックしておきましょう。
駅近の物件では、利便性が高い一方で、「電車の音や振動」・「繁華街があると治安が悪さや騒ぎ声」などのデメリットも視野に入れておかなくてはなりません。
治安の悪さについては、実際に夜間に下見にいくことで回避できます。
最後に物件を選ぶ時におさえておくべき5つのポイントをご紹介します。
これから、投資用不動産を購入しようと考えているエリアに、開発計画があるかどうかも調べてみてください。
「品川開発プロジェクト」のように大規模な再開発によって商業施設や住居が出来ることによって、街全体の価値が上がり、不動産の価格もあがります。
開発が進むにつれて、人口が増加して賃貸の需要が増えることで、家賃収入もあがっていきます。
そういったエリアに先手を打って購入しておくことができれば、売却の際にも大きな利益を見込むことができ、投資を有利に進めることが可能になります。
東京都の市街地再開発事業については、東京都都市整備局のサイトから見ることができます。
投資用不動産は、安い買い物ではありません。
購入を検討している物件の周辺の状況は、必ず自分の目で見てください。
何があるかを知りたければ、グーグルのストリートビューなどである程度は分かりますが、「街の空気感」までは分かりません。
多くの人は昼間に下見に行くと思われますが、夜間に足を運ばないと分からないことが多々あります。
昼間には、いなかった外国人や強面の男の人がいるかもしれません。
昼間も夜間も現地に足を運んで、自身で「空気感」を感じていただくことをオススメします。
通勤・通学に便利なターミナル駅は、やはり強いといえます。
もちろん、購入金額との折り合いや、周辺の環境を十分に考慮しなければなりませんが、先述した、「資産価値の維持」という点でもターミナル駅は、有利です。
また、予算上で金額が合わない場合は、ターミナル駅への接続がいい駅を選ぶのも一つの選択肢と言えます。
将来的に、出口戦略を有利に進めるためにも、意識しておきましょう。
駅近の投資用不動産は、そうでないものと比べるとやや高めです。
「駅近だし、こんなものか」となどと、購入金額を良く吟味せずに投資を始めると割高でつかまされる可能性があります。
ただ、なかなか購入を踏み切れず購入するタイミングを逃してしまう可能性もあります。
物件価格は予算内であり、物件条件もクリアしていれば、購入する決心をできるようにしましょう。
投資用不動産を購入するにあたって、そのエリアの人口動態も重要です。
下記野村総合研究所のデータは、東京23区の人口増加率の推移です。
日本全体の人口が減っていく中で、東京23区では多くの区が2045年になっても人口が増えていることが分かります。
せっかく、不動産投資をするなら、今後も人口増加が見込まれるエリアに物件を購入することが賢明です。
特にエリアを決めていない方は、下記のデータを参考にしながら、物件のエリアを選んでみるといいでしょう。
出典:野村総合研究所
いかがでしたでしょうか。
一般的に、投資用物件を購入するには「駅近」が良いとされていますが、メリットだけではなく、デメリットやリスクをご理解いただけたことかと思います。
今後の開発計画などの情報にも留意し、将来性なども鑑みたうえで、投資用不動産を購入するエリアを決めていきましょう。