「海外不動産投資をしたいけど、よくわからない」
「海外不動産投資において新興国と先進国のどちらがいいのか?」
海外不動産投資を検討している人は、一度は上記のような不安や疑問を持ったことがあるのではないでしょうか。
一般的に、海外不動産投資は難しいイメージがあるうえ、ほとんどの人は接点がないため、無理もありません。
では、どのようにすれば不安を取り除くことができるのでしょうか?
一つの方法として、投資する国の情報を集め、特徴やリスクを他の国と比較することが挙げられます。
詳しい情報を知る事で、根拠のない不安を取り除くことができます。
また、投資スタイルによっておすすめの国が異なるため、自身の投資スタイルに合った国を選ぶことも重要になります。
しかし、初心者のうちは、ご自身で正確な情報を取得したり、自分に合った投資する国を選ぶことは難しいかもしれません。
そこで、この記事では、「おすすめの国」や「その国の特徴と注意点」、「海外不動産投資で理解しておくべきこと」について、詳しく解説していきます。
海外不動産投資を検討している方は、ぜひ最後まで読んで頂き、この記事を参考にして頂けますと幸いです。
海外不動産投資とは、近年、注目されている投資手段の一つで、海外にある物件に投資することを指します。
投資スタイルによって、適している国が異なるので、慎重に選択することが重要です。
海外不動産投資は国内の不動産投資と比べて、3つのメリットがあります。
それぞれについて解説します。
国内の不動産投資に比べて、比較的、利回りがいい場合が多いです。
その理由は、人口増加による経済成長やそれに伴う物価の上昇によって、家賃収入の増加、物件価値の増加が見込めるからです。
特に、新興国はこの傾向が強く、人口増加によって、経済成長が著しい国は、高い利回りが期待できます。
また、物件価格自体が安いというのも一つの理由として挙げられます。
海外不動産を購入すると、投資した国の通貨で収益を得ることになります。
例えば、アメリカに投資をしたら米ドル建てで、資産を得ることになりますし、タイであればバーツ建ての資産を得ることが可能です。
このように、投資をすることで、複数の通貨で資産が形成できます。
複数の通貨を保有することにより、金融危機や財政破綻などが発生した場合のリスクを軽減することが可能になるというわけです。
減価償却を活用することにより、節税になるケースがあります。
では、どのようなケースで節税になるのでしょうか?
例えば、減価償却と言って、建物の価値が年数の経過とともに、低下していくため、その低下分を損失として、計上する場合です。
海外は日本と違って、建物の耐用年数が非常に長く設定されています。
それどころか、アメリカなどは、購入時よりも建物の価値があがる場合も珍しくありません。
建物の価値が高ければ高いほど、減価償却費を多く計上することが出来るので、海外不動産投資を行うことで節税ができるというわけです。
ただし、このやり方の節税は2021年の税制改革により、規制される予定です。
詳しい内容は後ほど「海外不動産投資を行う際の注意点」で解説しているので、それを読んでください。
デメリットは以下の4つです。
不動産がある周辺地域の情報を集めることは、日本国内の不動産と比べて、非常に困難です。
また、事前に現地を確認するのも、とても手間がかかります。
このように、不動産に関する情報を自分で直接集めることが難しいため、正確な情報を集めるためには現地の信頼できるエージェントを雇うことが必要です。
海外不動産投資では、物件収入をその国の通貨で得ることになります。
そのため、円と外貨の為替レートの変化によって、為替のリスクが発生することがあるのです。
例えば、投資した国の通貨価値が下がると、利益を円に両替する際に、利益が予想より目減りします。
このリスクを回避するためにも、為替レートをチェックしながら、換金するタイミングが大切と言えます。
国内の金融機関で、海外不動産投資の資金を融資してくれるところは、ほとんどありません。
かろうじて、日本政策金融公庫などで融資をしてもらうことができますが、「国内に不動産を所有しているか?」や「不動産投資の経験の有無」などが融資の条件になっているケースもあり、国内の不動産投資と比べて、とても条件が厳しいのは事実です。
また、完成していない物件には、基本的に融資がおりないといった問題もあります。
こうなると、現地の銀行で融資を受けられないか検討するのも一つの手です。
しかし、現地の銀行などで融資を受けようする場合には、融資金額が低い場合や金利が高いなどの不利な条件となることも多いので注意が必要になります。
このように、銀行などが融資しないケースや条件が厳しいケースが多いため、現金を用意することがおすすめです。
カントリーリスクとは、投資した国の変化によって生じるリスクです。
戦争や政権交代などによって、経済活動が不安定化することや法制度の変更などが挙げられます。
特に、新興国では、政権交代によって、制度変更が行われることは珍しくありません。
例えば、投資家の優遇政策を推進していた政権が交代したことによって、内需向けの政策にかわり、収益が悪化するような場合もあります。
このようなリスクを極力さげるためには、不測の事態に備えておくことも大切です。
海外不動産投資の投資先は先進国と新興国の2つに分けられます。
それぞれの特徴を説明していきます。
先進国の特徴は以下の3つです。
先進国の最大の特徴が安定性です。
先進国は、新興国と比べて、カントリーリスクが低いため、投資先として安定しています。
多くの先進国は法制度が整備されており、政権交代によって制度が大きく変化することはほとんどありません。
そのため、リスクを極力抑えたい方におすすめです。
先進国は法律が整備されており、行政も非常にしっかりとしています。
そのため、新興国と比べて、法律が遵守される可能性も高く、契約の信頼性も高いです。
また、手続きなどの情報も集めやすく、外国人への規制も緩やかな場合が多いのも魅力の一つになります。
先進国は新興国と比べて、利回りがあまり高くありません。
なぜなら、新興国と比べて、物件価格も高く、経済成長率も低いため、物価の上昇も高くないからです。
そのため、リスクをおさえて投資を考えている人に、おすすめです。
新興国の特徴は以下の3つです。
新興国は人口が増加傾向にあるため、高い賃貸需要が見込めます。
そのため、賃料の上昇する可能性が高く、高い収入を得ることができるのです。
他にも、経済成長によって、地価が上昇し、不動産価値が高まることも期待できます。
新興国は先進国に比べて、国内情勢が安定しておらず、カントリーリスクが高いです。
一見、安定していると思っている国でも、政権交代などによって、国内が不安定になることがあります。
それだけでなく、国内が不安定になると、治安の悪化によって略奪や暴動が起きるかもしれません。
もし、そのような事態になると、所有している不動産が破壊されることもありえます。
このような事態を防ぐためには、できるだけカントリーリスクが低い国に投資を行う事がおすすめです。
もうひとつのリスクがルールや法律が変わる危険性です。
カントリーリスクでも説明したように、政権交代によって、政策が180度変わることもあります。
例えば、海外投資家を優遇していたのに、いきなり冷遇する政策になることや財産を没収されることも起こり得ます。
このように、新興国への不動産投資は高い収益を得られるかわりに、多くのリスクが存在するのです。
ここまでの説明で、海外不動産投資の特徴についてご理解できたのではないでしょうか。
しかし、世界には多くの国があり、どこの国に投資をしたらいいのかわからない方も少なくないでしょう。
そこで、海外不動産投資でおすすめの国を先進国と新興国に分けて紹介します。
先進国でおすすめの国は以下の2つです。
先進国への海外不動産投資で最もおすすめの国なのが、アメリカになります。
なぜなら、投資リスクが比較的低く、安定性が高い投資先の場合が多いからです。
そのように言える理由は3つあります。
このように先進国の中で、収益性も高く、安定性もあるため、人気の投資先です。
一方で、日本とアメリカの時差が大きいため、物件管理のやりとりに手間がかかり、円滑なコミュニケーションを行うことが難しい場合もあります。
このような場合には、間にエージェントを挟むことで、余計な手間を減らすことが可能です。
イギリスもアメリカと同様に、安定性の高い投資先です。
特徴は不動産を購入する際に、弁護士を挟むため、手続きなどの透明性が非常に高いことが挙げられます。
しかし、透明性が高い分、手続きに時間がかかるので、注意が必要です。
ちなみに、イギリスで最も人気な不動産投資が学生寮への投資だそうです。
なぜ、日本ではあまり聞かない学生寮への投資が人気なのでしょうか?
それは4つの理由があります。
このような理由から、世界中から注目されている投資先です。
ただし、人気のエリアではない場合は入居者が見つからない可能性もあるので、投資先の見極めは慎重に行ってください。
新興国でおすすめの国は以下の4つです。
タイは現地に住んでいる日本人が多いため、海外不動産投資でおすすめの国です。
現地の日本人が多いことで、信頼できるエージェントも多く、精度の高い不動産情報が集めやすい環境にあります。
そのため、騙されるなどのリスクが他の新興国よりも低いことが特徴です。
また、日本人向けのコンドミニアム(分譲マンション)も多く建設されており、日本人が投資しやすい環境があるのもおすすめの理由になります。
経済面でも、自動車産業によって大きな経済成長をしており、首都のバンコクでは、物価も大きく上昇していることで今後も成長が期待されています。
一方で、エリアによっては不動産価格が上昇し、賃貸の利回りが低い不動産もあるため、情報を精査して、慎重に投資を行うようにしてください。
このように、タイは日本人が投資しやすい国のため、おすすめの国ですが、政治や軍事面では不安定な部分もあるため、タイの政治情勢は常に気に掛けることが重要です。
マレーシアの特徴は物価が安いことです。
物価水準は日本の3分の1で、タイのバンコクと比べても非常に安いです。
そのため、物件価格も割安の物件が多くあります。
経済面でも人口増加や経済成長率も顕著に伸長しているため、将来性は高い国です。
そのため、今後の不動産価格が上昇していくことが見込まれています。
一方で、マレーシアは海外から多くの投資があったため、多くの不動産が建築されました。
そのため、エリアによっては不動産の売れ残りが多く、入居者が見つからないことも多いです。
他にも、建設中の物件を購入すると、建設が予定より遅れ、長期化することや最悪なケースでは建設中止になるようなこともあります。
このようなトラブルを防ぐためには、信頼できるエージェントを見つけて、正確な情報収集を行うことが非常に大切です。
カンボジアの特徴は国際的に信用が高い米ドルで決済ができることです。
長い内戦によって、国内外で自国通貨のリエルの信用がほとんどありません。
そのため、外貨によって経済が発展していき、米ドルが流通していきました。
それにより、世界の基準通貨である米ドルが多くの場面で利用できる状態になっています。
経済面でも、人口も増加しており、人口の4割が30歳以下と経済成長を支える若年層が多いため、今後も高成長を期待することが可能です。
一方で、他の新興国と比べて、発展が進んでいないため、現地の情報がとても集めにくいことやカントリーリスクが高いことも、大きなリスクになります。
これらのことから、カンボジアは、他の新興国に比べて投資リスクは高いが、将来的に高い収益を期待できる投資先といえます。
カンボジアの不動産投資について詳しく知りたい方は、アンナアドバイザーズの荒木代表のインタビュー記事をぜひお読みください。
ベトナムの特徴は物件価格の安さです。
外国人に不動産市場を開放したのが、2015年であるため、他の新興国に比べて物件価格が安い水準にあります。
経済成長も高い水準を保っており、平均年齢も31歳と若年層が多いため、さらなる人口増加と経済成長が期待されています。
そのため、不動産価値は上昇していくと予測されており、海外不動産投資において将来性の高い国です。
一方で、ベトナムは不動産投資をするうえで、注意点が多い国でもあります。
注意点は以下の2つです。
このように、ベトナムは外国人に対して、厳しい法律が多いため、投資リスクは高いです。
しかし、今後大きな利益をあげる可能性がある投資先として挙げられます。
最後に、海外不動産投資を行う際の注意点を説明します。
海外不動産投資を検討される際に、必ず確認するようにしてください。
減価償却費を利用した節税対策は2021年に規制されます。
しかし、経費として計上できなくなる減価償却費は、売却時に計上を行うことで、譲渡所得税を下げることが可能です。
このように、税制の変更で影響がでることも多いので、税制改革は常にチェックするようにしておいてください。
ちなみに、この2021年の改正は、個人投資家にむけた物で、法人は今まで通り減価償却費を計上することが可能です。
なお、詳細については「令和2年度税制改正の大綱」をご覧ください。
現地で建設を行っているデベロッパー・ゼネコンの確認はとても重要です。
なぜなら、手抜き工事で購入後に修繕が必要となることや建設が中止するなどのトラブルが起きることがあるからです。
このようなトラブルは新興国で起こることが多い特徴があります。
新規に建設される不動産に投資を考えている場合には、正確な情報を集めて、可能であれば現地に確認をしに行くとベストです。
日本の常識が海外では、非常識であるというケースは多いです。
例えば、日本で人気の部屋に合わせて部屋を作成したが、海外ではまったく人気がないということは珍しくありません。
このようなことを防ぐためにも、投資先の国と日本の常識の違いを理解したうえで、海外不動産投資を行うようにしてください。
海外不動産投資において、最も重要なのが正確な情報の収集です。
そのため、正確な情報を集めてくれるエージェントがいると、投資の成功率がとても高くなります。
また、購入後の物件管理に関しても、力になってくれることが多いです。
このように、海外不動産投資を行う際には、必ず信頼できるエージェントを探すようにしてください。
海外不動産投資は投資先の国によって、メリットとデメリットが異なります。
例えば、アメリカやイギリスなどの先進国はリスクが少なく、安定した投資先です。
一方、タイやマレーシアなどの東南アジアの新興国はリスクがある代わりに、高いリターンが期待できる投資先になります。
このように、それぞれの国がタイプの違う魅力的な投資先になり得ます。
重要なのは、国ごとのメリットやリスクを理解したうえで、どの国が自身の投資スタイルに合った国か判断することです。
あなたの投資スタイルにあった投資先に投資することで、あなたが希望する成果を出しやすくなります。
もし、あなたが、海外不動産投資を検討しているのなら、この記事を参考にチャレンジをしてみて貰えれば幸いです。