近年、注目を集めている「区分マンション投資」。比較的少ない自己資金で始めることが出来るとあって、サラリーマンの方にも人気です。
まだ始めていない方の中でも、興味をお持ちの方が多いのではないでしょうか。
一方で、空率のリスク、家賃の低下など儲からないのではないかと不安に思う方も少なくないようです。
どのように不動産投資を行っていけばよいのでしょうか。
こちらの記事では、区分マンション投資のメリット・デメリット・留意点を解説していきます。
マンションには物件が複数ありますが、その物件を一室単位で所有してオーナーになり、入居希望者へ貸し出して家賃収入を得る投資方法です。
購入後、運用がスタートしてしまえば、家賃の回収や物件の管理、入居者とのやりとりは管理会社の方でやってくれるケースがほとんどのため、時間も手間もほとんどかからずに済みます。
本業がお忙しいサラリーマンやOLの方でも、ほとんど手間をかからず取り組めることができることから人気を集めています。
区分マンション投資と一棟アパートの共通点を紹介します。
どちらにしても、「住みたいと思われる」物件であることが重要です。
不動産投資の成功のためには、継続して安定的な家賃収入があることが大切です。
安易に物件価格が安いからとか、不動産会社が提示したシミュレーションの利回りが非常に良かったからといった理由だけで購入すると失敗してしまう可能性が上がります。
地域の賃貸ニーズや利便性など念頭に入れて物件の選定を考える点については、区分マンション投資であっても一棟アパート投資であっても変わりません。
区分マンション投資と一棟アパート投資の異なる点を下記の表にまとめました。
項目 | 区分マンション投資 | 一棟アパート投資 |
物件価格 | 〇物件価格が安い 1,000万円~3,500万円 | ×物件価格が高い 5,000万円~億単位 |
家賃収入 | ×不安定 1部屋が空室になると 家賃収入なし | 〇安定 1部屋が空室になっても 他の部屋の家賃でカバー |
建物構造 耐用年数 | 〇SRCやRCのケースが多い 耐用年数は長い | ×木造であるケースが多い 耐用年数は短い |
立地 | 〇立地は良い 駅近など利便性が良い | △立地が良くないことも 居住エリアに多く、 立地は必ずしも良いわけではない |
利回り | △アパートに比べるとやや劣る 5%~8% | 〇区分マンションより期待できる 6%~9% |
区分マンション投資と一棟アパート投資では、物件価格が大きく異なります。
区分マンション(中古)は、1,000万円~2,500万円で購入できるのに対して、一棟アパートは、土地と建物をあわせて購入するため価格が高めになります。
一棟アパートは6戸や8戸のケース場合、おおよそ5,000万円~8,000万円となります。
設定できる一戸あたりの家賃は区分マンションの方が高めとなります。
しかし、区分マンションでは一戸のみの所有となるため、万が一その部屋が空室になってしまった場合は、家賃収入がなくなってしまいます。
一棟アパートの方は、万が一空室になっても、他の部屋できちんと入居者がいれば、家賃収入がなくなることはありません。
つまりリスクの分散ができるのです。
空室におけるダメージが最小限で済むという点において、一棟アパートの方に分があるといえます。
区分マンションでは、SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)またはRC(鉄筋コンクリート)で建築されるケースがほとんどです。
一方で一棟アパートは木造で建築されるケースが多いです。
法定耐用年数は、SRCやRCが47年、木造が22年となっており大きく異なります。
耐用年数を過ぎた物件であっても、取り壊さなければいけないというわけではありません。
しかし、修繕などを行わないと継続して運用することが難しくなる可能性が高いです。
区分マンションでは、一般的に駅近など利便性の高いエリアに建築されるケースが多いです。
一方、一棟アパートは駅近というより、住宅地(居住エリア)にあることが多く、立地面では区分マンションに劣るケースが多いといます。
不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家(けんびや)が公表したマンスリーレポート(2021年1月期)によると、区分マンションの過去1年間の利回りは7%台で推移しており、直近の数値は7.63%となっています。
一方で、一棟アパートは過去1年間の利回りは8%台で推移しており、直近の数値は8.73%と区分マンションと比較して1%近く高めとなっています。
第2章で紹介したように、区分マンションは一棟アパートと比べて利回りが低くなっています。
「利回りが低い=儲からない」と思ってしまう方もいるかもしれませんが、それでも区分マンション投資をやるメリットはあります。
それは、出口戦略です。
一棟アパートは、利回りこそ高めですが、出口戦略で苦労する可能性があります。
なぜでしょうか?
一棟アパートは、資産価値の維持が難しく売却したくなったとしてもなかなか買い手がつきにくいことがあります。
もし、買い手が見つかったとしても、大きく買いたたかれてしまう可能性があります。
一方で、区分マンションは資産価値が維持されていれば、比較的買い手が付きやすいです。
特に東京23区においては、ワンルームマンション規制によって、新規でのマンションが建ちにくくなり供給数が減ることにもなります。
必ずそうだとは言い切れませんが、購入時よりも高く売却できる可能性もあるのです。
目先の利回りを見れば一棟アパートに分があるように見えても、長い目で見れば区分マンションを持っていることは、決してマイナスなことではないとも言えます。
一棟アパート投資と比較して、区分マンション投資の弱点は、空室になってしまった際の家賃収入です。
これを逆手に取るならば、区分マンションを複数所有するという持ち方もあります。
複数所有することで、リスクの分散をすることができます。また、1室のみの所有と比べて経費計上できる金額が大きくなります。
さらに、10室保有までいけば事業規模となり、青色申告によって65万円分の所得控除など税制面でも大きな効果を発揮してくれます。
このように複数所有することで、空室のリスクを分散し、かつ税制面での優遇も受けられるので一石二鳥といえるでしょう。
不動産投資を成功させるにあたって、専門家に相談することも大切ですが、自身の知識をアップデートしていくことも同じくらい重要です。
最近では、新型コロナウイルスの影響もあり、オンラインでのセミナーが非常に多くなりました。
また、You Tubeなどにおいても多くの情報メディアが出てきて、有益な情報を得やすくなっています。当サイトのプロデューサーである八木チエは「不動産投資の女神チャンネル」にて情報発信もしていますので、ご興味がある方はぜひ観てみてください。
第1章でも少し触れましたが、区分マンション投資は時間や手間がほとんどかからず、忙しい方にとっては適している投資です。
家賃の回収や物件の管理、入居者とのやりとりは管理会社の方でやってくれるケースが多いので、忙しいサラリーマンやOLの方が取り組みやすい不動産投資といえます。
区分マンション投資は、少ない自己資金で取り組むことが可能です。
株式投資のケースでは、2,000万円の株式を取得したければ2,000万円の自己資金を要します。
一方、区分マンション投資では、物件価格全額の自己資金は必要ありません。金融機関からの融資を利用することで、自己資金を抑えることができます。
例えば2,000万円の物件を購入するために、1,500万円の融資を受け500万円の自己資金で始めることができます。
自己資金が少なくとも、規模が大きい投資ができ、大きな利益を出しやすくなるのが区分マンション投資の魅力の1つです。
いかがでしたでしょうか。
近年、注目を集めている「区分マンション投資」について解説してきました。
他の不動産投資と比較して、区分マンション投資は少々儲からない部分があったとしても、将来を考えると有望な投資であるといえます。
一棟アパートの比較との比較も解説しましたが、一概にどちらが良いというわけではなく、大切なのは、双方の特徴やメリット・デメリットを鑑みて行うことです。
こちらの記事を読んで、不動産投資に興味が出た方は不動産会社へ相談してみてください。