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コロナの経済対策で新設されたグリーン住宅ポイントをわかりやすく解説

2021/02/25
コロナの経済対策で新設されたグリーン住宅ポイントをわかりやすく解説
  • 「グリーン住宅ポイントって何?」
  • 「グリーン住宅ポイントは投資用不動産でも利用できるの?」

不動産投資を検討している方の中には、上記のようにグリーン住宅ポイントについての疑問を持たれている方が多いでしょう。

では、「グリーン住宅ポイント」とはどのような制度なのでしょうか?

グリーン住宅ポイント」とは、一定の要件を満たす不動産の購入やリフォームを行うことで、ポイントを受け取ることができる制度です。

この制度で得られるポイントは、家電や家具などの様々な商品と交換できます。

実はこのお得な制度は住宅用だけでなく、投資用不動産でも利用が可能です。

ただしその場合には一定の条件を満たす必要があるので、要件についてしっかりと理解しておくことが必要です。

そこでこの記事では、「グリーン住宅ポイント」について詳しく解説していきます。

この記事を最後まで読んで頂き、参考にして頂けると幸いです。

投資用不動産を購入することでグリーン住宅ポイント活用を利用できる可能性がある

令和2年度第3次補正予算案が閣議決定されたことにより、国土交通省は経済対策として「グリーン住宅ポイント」を制定しました。

この制度は、住宅用不動産だけでなく投資用不動産を建築・購入することでも活用できるため、非常に注目を集めています。

グリーン住宅ポイント制度とは?

グリーン住宅ポイント制度とは、高い省エネ性能がある住宅の購入やリフォームを行った人を対象に、様々な商品と交換できるポイントを発行するという制度です。

新型コロナウイルスによって打撃をうけた経済に対して回復を図る目的で制定されました。

ただし執筆時点*ではまだ開始していない制度のため、今後内容が変化する可能性があります。

*2021年2月現在

①対象期間

グリーン住宅ポイント制度は、2020年12月15日〜2021年10月31日の対象期間に工事請負契約や売買契約した住宅が対象です。

また、既存の住宅を購入した場合には、不動産登記の新築の日付が2019年12月14日以前であることも条件になります。

②発行ポイント数

発行ポイントは住宅のタイプごとに異なるので、それぞれ別に説明していきます。

まずは新築住宅の場合です。

新築住宅の場合ポイント数要件を満たした場合のポイント数
高い省エネ性能を持っている住宅40万ポイント60万ポイント加算
一定の省エネ性能を持っている住宅30万ポイント30万ポイント加算

さらに次の要件のいずれかを満たした場合は、上の図で示されているポイントの加算が行われます。

  • 東京圏からの移住のための住宅
  • 18歳未満の子どもが3人以上いる世帯が取得する住宅
  • 三世代同居仕様の住宅
  • 災害リスクが高い区域から移住するための住宅

次に既存住宅の場合です。

既存住宅の場合ポイント数
空き家バンク登録住宅40万ポイント
東京圏から移住するための住宅30万ポイント
災害リスクが高い区域から移住するための住宅30万ポイント
住宅の除却に伴い購入する既存住宅15万ポイント

また「住宅の除却に伴い購入する既存住宅 」で同時に他の要件を満たしている場合は、45万ポイントまで利用できます。

最後にリフォームの場合です。

区分上限ポイント数
若者・子育て世帯既存住宅を購入してのリフォーム60万ポイント
それ以外のリフォーム45万ポイント
若者・子育て以外の世帯安心R住宅を購入してのリフォーム45万ポイント
それ以外のリフォーム30万ポイント

ただし、工事内容によって加算されるポイントが異なるため注意が必要です。

出典:グリーン住宅ポイント制度の内容 国土交通省

③交換商品の申請について

ポイントの発行申請は、2021年4月から遅くとも2021年10月31日までと定められています。

一方で商品交換の申し込み申請期間は、2021年6月上旬から2022年1月15日までです。

ただしこの申請期間は執筆時点* でまだ正式に決定していないため、多少前後する可能性があります。

*2021年2月現在

グリーン住宅ポイントを利用するための要件

グリーン住宅ポイントを利用するためには、一定の要件を満たすことが必要です。

ここでは、取得する住宅のタイプ別に解説していきます。

新築住宅の要件

新築住宅の要件は以下の内容です。

  1. 所有者が自ら居住する住宅が対象
  2. 認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、性能向上計画認定住宅、ZEHであること(高い省エネ性能を持っている住宅)
  3. 断熱等性能級等級4かつ一次エネルギー消費者等級4以上の性能があること(一定の省エネ性能を持っている住宅)

一定の性能の持っていること証明するために、登録住宅性能評価機関などの第三者機関による証明書が必要になります。

例えば、認定長期優良住宅の場合は長期優良住宅建築等の計画認定通知書が必要です。

グリーン住宅ポイントを利用する場合は申請までに証明書を準備しておきましょう。

既存住宅の要件

既存住宅の要件は以下の内容です。

  1. 所有者が自ら居住する住宅
  2. 売買契約額が税込み100万円以上になる
  3. 空き家バンク登録されている住宅
  4. 東京圏から移住するための住宅
  5. 災害リスクが高い区域からの移住するための住宅
  6. 住宅の除去に伴い購入する既存住宅

1と2の要件を満たしたうえで、3〜6のいずれかに該当する場合に利用可能です。

3〜6のケースをもう少し詳細に解説します。

①空き家バンク登録されている住宅

空き家バンクとは、地方公共団体が空き家の所有者から提供された情報を登録して活用するものです。

グリーン住宅ポイントを利用するためには、この空き家バンク登録されていることを証明する「空き家バンク登録等住宅証明書」を地方公共団体に発行してもらう必要があります。

この証明書はグリーン住宅ポイントために定められるもので、詳しい内容については今後発表される予定です。

②東京圏からの移住するための住宅

東京圏からの移住については以下の条件をすべて満たしている必要があります。

  • 2020年12年15日以降に東京圏(東京や埼玉、千葉、神奈川)から東京圏以外の地域に移住する方
  • 東京圏以外の地域に移住する日から直近1年間について東京23区に住んでいるか、東京圏に住んでいて東京23区内に通勤する者
  • 東京圏以外の地域に移住する日から直近10年における通算5年以上の期間について東京23区に住んでいるか、東京圏に住んでいて東京23区内に通勤する者
  • 東京圏以外の地域で住宅と取得して、当該住宅に5年以上続けて住む意思がある人

コロナウィルスの影響で地方へ移りたい考えている方は、グリーン住宅ポイントを利用することでお得に移住することが可能です。

③災害リスクが高い区域から移住するための住宅

2020年12月15日時点で災害リスクの高い区域内に住んでいる方が、別の地域に移住するための住宅が対象です。

災害のリスクが高い地域とは、土砂災害特別警戒区域や災害危険区域を指します。

この要件を満たすためには、移住前と移住後の住宅立地確認書が必要です。

建築士や不動産屋に依頼して用意しておくようにしてください。

④住宅の除去に伴い購入する既存住宅

2020年12月15日以降に住宅を解体した人が、既存住宅を購入する場合が対象です。

ただし既存住宅を購入する方以外が、旧住宅を除去した場合は対象外になります。

住宅をリフォームするときの要件

住宅をリフォームするときの要件は以下の内容です。

  1. 開口部の断熱改修(ex.窓ガラスを複層ガラスやドア交換など)
  2. 外壁、屋根、天井または床の断熱改修(ex.外壁に断熱材を使用するなど)
  3. エコ住宅設備の設置(ex.節水型トイレや太陽熱利用システムなど)
  4. 耐震改修(旧耐震基準を現行の耐震基準に適合させる工事)
  5. バリアフリー改修(ex.手すりの設置や段差解消など)
  6. リフォーム瑕疵保険への加入

1〜3のいずれかは必須になります。

一方で、他の住宅タイプの場合に必要だった「所有者が自分で住む住宅」という条件はありません。

つまり、投資物件のリフォームにも適用できるということになります。

賃貸住宅の要件

賃貸住宅を新築する際にグリーン住宅ポイントを利用する要件は以下の内容です。

  1. 所有者が対象物件に住んでいないこと
  2. 建築物省エネ法に基づく住宅トップランナー制度の賃貸住宅に係る基準に適合する
  3. すべての住居の床面積40平方メートル以上であること

このように投資用の賃貸住宅でも、要件を満たせばグリーン住宅ポイントが利用することができます。

要件を満たした物件を新築する場合は、忘れずに申請するようにしてください。

ポイントで交換できる商品

グリーン住宅ポイントで交換できる商品は以下のラインナップになります。

  • 「新たな日常」に資する商品
  • 省エネ・環境配慮に優れた商品
  • 防災関連商品
  • 健康関連商品
  • 家事負担軽減に資する商品
  • 子育て関連商品
  • 地域振興に資する商品

正式な交換商品は2021年3月下旬より事務局ホームページに掲載される予定です。

それぞれについて説明していきます。

「新たな日常」に資する商品

withコロナに適した生活に利用できる商品と交換できます。

例えば、テレワーク用品やステイホームの家電、DIY用品など幅広い商品と交換が可能です。

他にも、感染予防商品や楽器などの趣味用品もあります。

省エネ・環境配慮に優れた商品

環境上の課題に配慮した省エネ商品と交換することができます。

例えば、PCやテレビ、エアコンといった家電製品から寝具、園芸用品などです。

高性能な家電に買い替えることを検討していた方には、おすすめの交換商品になります。

防災関連商品

防災に関連する商品と交換することができます。 

例えば、災害発生時の被害から守るヘルメットやラジオ、非常食などです。

災害時に利用できるため、地震などの災害が気になる方におすすめです。

健康関連商品

健康を維持するのに利用する商品や高齢者が安心して生活できる環境づくりができる商品と交換することができます。 

例えば、アウトドア用品や食料品、健康器具、スポーツ用品などです。

スポーツやアウトドアが好きな方も満足できる豊富な品揃えです。

家事負担軽減に資する商品

家事の負担を軽減できる商品と交換することができます。 

例えば、洗濯機や食器洗浄機、自転車などです

テレワークなどで大きくなっている家事の負担を軽減できる便利な商品と交換できます。 

子育て関連商品

子どもを育てるために必要な商品と交換することができます。 

例えば、学習机や参考書、ベビーカー、チャイルドシートなどです。

子どもがいる方は、是非検討してみてください。

地域振興に資する商品

特定の地域における特産品と交換することができます。 

例えば、肉や魚、野菜、木製家具などです。

コロナウィルスの影響で外食離れが起きてしまい、特産品が余っている状態です。

そのため地方に貢献する意味でも、特産品を選ぶことはおすすめです。

ただし特産品についてはまだ*詳しい内容が決まっていないため、興味のある方は定期的に確認してみてください。

*2021年2月現在

まとめ

投資用不動産の購入やリフォームを考えているなら、グリーン住宅ポイント制度を申請するようにしましょう。

住宅用不動産だけでなく、投資用不動産でも制度を利用できます。

ただし利用には要件があるので、詳細を理解することが重要です。

ぜひこの記事を参考にして頂けると幸いです。

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ(不動産投資)プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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