不動産投資とは

不動産投資はフリーランス(自営業)も可能?有利に融資を受けるために知っておきたいポイントを解説

2021/04/16
不動産投資はフリーランス(自営業)も可能?有利に融資を受けるために知っておきたいポイントを解説

フリーランス(自営業)として働く人が増えるなか、本業とは別に収入を得て安定した生活を送りたいと希望されている方は多いのではないでしょうか。

しかし、企業に勤めるビジネスパーソンと比べて、フリーランス(自営業)はローン審査で不利になる点が懸念されています。はたして、フリーランス(自営業)でも不動産投資は実現できるのでしょうか。

今回は、フリーランス(自営業)という働き方を選択している人でも、不動産投資が可能かについて、融資を受ける際のポイントを交えながら解説します。フリーランス(自営業)で不動産投資に興味のある人や、融資を受けられるのか不安に感じている人はぜひ読んでみてください。

【結論】不動産投資はフリーランス(自営業)も可能

結論からいうと、不動産投資はフリーランス(自営業)であっても実現可能です。実際、フリーランス(自営業)として働いている方のなかにも、金融機関から融資を受けながら不動産を運用し、本業とは別に安定した収入を確保している人はいます。

ただし、フリーランス(自営業)は企業に勤めるビジネスパーソンと比較すると収入が安定していないため、ローンの返済能力を低く見積もられる可能性があります。しかし、逆にいうとフリーランス(自営業)であってもローンの返済能力があると金融機関にしっかりと示せれば、融資を受けることは可能です。

フリーランス(自営業)こそ不動産投資をすべき理由

社会的な信用に関して、過小評価されがちなフリーランス(自営業)ですが、実はビジネスパーソンよりも不動産投資に向いているともいわれています。この章では、フリーランス(自営業)こそ不動産投資をすべき理由をみていきましょう。

収入がアップする

フリーランス(自営業)での収入に加えて不動産からの不労所得が得られるため、収入アップが可能です。フリーランス(自営業)の課題として収入の不安定性がよくあげられますが、不動産投資を並行しておこなえば安定的な収入確保が実現できます

また、不動産投資で得た収入を元手に、さらなる収益アップも夢ではありません。たとえば、1度安定的な不動産収益が得られるようになれば、その不動産収益を糧にして2つ、3つと投資先を増やしていけます。不動産による安定的な収益を得られれば、再び金融機関から融資を受ける際の信頼性アップにもつながります。

時間的な自由がある

不動産投資の成功における最重要項目のひとつとして「物件探し」があげられますが、身体的な拘束時間が長いビジネスパーソンにとって、多くの不動産を見て回る時間確保は容易ではありません。その点、フリーランス(自営業)のほうが時間的な自由があるため有利です。

加えて、投資先となる物件の修繕や改修、集客に関しては、不動産会社との密なコミュニケーションがとくに求められます。しかし、多くのビジネスパーソンは就業時間中にプライベートな連絡ができない場合が多く、話を進めるのに時間と精神的なストレスがかかるとされています。一方でフリーランス(自営業)は時間的な自由度が高く、外部との連絡がとりやすいため、スムーズに投資に関連するタスクの進行が可能です。

リスクヘッジになる

フリーランス(自営業)としての本業以外の収入源が確保できるため、もしもの事態に備えたリスクヘッジになります。たとえば、「景気の悪化により収益が大きく落ちた」「体調不良で長期休養を余儀なくされた」といった場合でも、不動産収入が最低限確保できます。安定的な不動産経営ができると、本業でのリスクをカバーできる保険のような役割としての活用も可能です。

投資費用を経費にできる

確定申告の際、不動産投資の費用の一部は経費として計上できます。経費として計上できる項目は次の通りです。

【経費にできる投資費用の項目】

  • 固定資産税
  • 損害保険料
  • 物件の管理費や修繕費
  • ローン金利
  • 減価償却費
  • 入居者募集のための広告費
  • 司法書士・税理士への手数料

など。

なお、不動産投資において確定申告の際に課税対象となるのは「不動産所得」です。不動産所得の算出は、「不動産投資で得られた総収入額から経費を引いた金額」で求められます。投資プランを立てる際に、どのくらいの金額を経費に計上できるかご確認ください。

節税対策になる

先述した通り、投資費用は経費に計上できますが、青色申告にすればさらなる控除を受けられます。具体的には、不動産投資で得た所得から最大で65万円の控除を受けることが可能です。青色申告は複式簿記や貸借対照表などの提出が必要ですが、最近では会計ソフトを導入すれば簡単に提出資料を作成できるようになりました。なお、青色申告を希望する場合は指定期間(基本的には毎年2月16日から3月15日まで)に税務署へ「青色申告承認申請書」をご提出ください。

不動産投資でフリーランス(自営業)が有利に融資を得るポイント

フリーランス(自営業)でも金融機関から融資を有利に受けるには、ローン返済能力の高さを証明できるかが重要です。この章では、とくにおさえておくべきポイントについてみていきます。

収入を一定以上に保つ

第一に、フリーランス(自営業)での収入を一定以上に保つことがポイントです。金融機関で融資の審査を受ける際、売上や税務書類などの提出を求められるケースがあり、その際に年収にバラつきがあると収入が不安定と判断される可能性があるためです。

一般的には過去3〜5年の収入について審査されます。不動産投資をご検討の際には、長期的な計画をベースにしながら融資対策をしましょう。また、必要な書類について不足があると、審査の印象が悪くなる場合もあります。書類は必ず期限内に準備し、不備のないようご注意ください。

返済や税金を滞納しない

融資の審査ではクレジットカードやローン、税金などの滞納がないかチェックされます。信用履歴になんらかの瑕疵があると、返済能力に問題があるとみなされて融資を受けにくくなるケースもあるためご注意ください。加えて、「すでに複数のローンを組んでいる」「多額の借入金がある」などの場合も、融資を受けられる金額が低くなる原因となります。信用履歴については、長期的な観点をもって整えていきましょう。

信頼できる人に保証人を依頼する

フリーランス(自営業)が金融機関から融資を受ける際には、多くの場合で保証人が必要です。可能な限り多くの融資を受けるためには、ビジネスパーソンとして安定した収入を得ている親族に依頼するとよいでしょう

貯蓄や財産を資料にまとめる

ローンの返済能力があることを金融機関に的確に伝えるためには、貯蓄や財産に関する情報をあらかじめ資料にまとめておくことをおすすめします。保有している貯蓄金や株式、投資信託などの金融資産を整理し、事業計画書や資金繰り表などとあわせて提出すると有利になるケースがあるためです。

不動産投資でフリーランス(自営業)がおさえたいポイント

最後に、フリーランス(自営業)が不動産投資でおさえておくべきポイントを解説します。安定した不動産経営を続けるためにも、ぜひ次の点にご注意ください。

まずは自分で情報収集をしてイメージをつかむ

「不動産投資に興味があるが、対面での相談はハードルが高い」と感じる方も参加しやすいよう、ご自宅にいながら受講できる不動産セミナーが数多くあります。当サイトにも多くのセミナー情報を掲載しておりますので、気に入ったセミナーがありましたら、ぜひ参加してみてください。

また、無料資料を送付してもらえるサービスもあるため、うまく活用しながら投資に関連する最新情報を入手するのもおすすめです。不動産投資の相場や投資までの流れなど、具体的なイメージをつかめます。

金融機関との取引実績が多い不動産投資会社を選ぶ

不動産投資会社のなかには、金融機関との取引実績が多い会社も存在します。フリーランス(自営業)にとって、「融資がおりるかどうか」は最大の懸念事項といえるため、提携先の金融機関ができるだけ多い不動産会社を選んだ方が圧倒的に有利です。取引している金融機関が多い不動産会社ならば、たとえ1つの銀行で融資がおりなくても、2つ目3つ目と異なる取引先へとつないでもらえます。

貯蓄や収入に見合った融資を受ける

金融機関で借り入れできる金額は、必ずしも余裕をもって返済できる額面とは限りません。融資の額が大きいほど月々の返済金額も高くなります。融資を受ける前に、ご自身の毎月の返済能力を客観的に把握し、本業で収入が減ったといった予期せぬ事態が生じた場合に貯蓄でどれくらい補えるかを考慮すると万全です。貯蓄や収入などと照らし合わせながら、自分の返済能力に見合った金額の融資を受けましょう。

投資金額と手元に残す資金のバランスに気をつける

「不動産に投資する金額」と「手元に残す資金」のバランスにご注意ください。不動産投資では、空室や家賃滞納、自然災害など予測できないリスクが存在します。どれだけ立地や利回りなどの条件が良い物件でも、毎月の収入が確実に入ってくる保証はありません。予期せぬリスクに備えるためにも、手元の資金をある程度は確保し、ムリのない投資運営をしましょう

まとめ

フリーランス(自営業)でも不動産投資が可能なのかについて、金融機関から融資を有利に得るために気をつけておきたいポイントを交えて解説しました。要点は次の通りです。

  • フリーランス(自営業)も不動産投資は可能(むしろメリットのほうが多い)。
  • フリーランス(自営業)が金融機関からの融資を有利に受けるには、ローンの返済能力の高さを示すのがポイント。
  • 投資にあたってご自身の貯蓄や投資にまわせる資金を洗いだすことで、ムリのない投資運営が実現する。

投資イメージをつかむためにも、まずはご自身で情報収集をするのがおすすめです。不動産投資会社では無料のセミナーを定期的に開催しているところも多くあります。ぜひこの機会に気になるセミナーに参加してみてはいかがでしょうか。

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ(不動産投資)プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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