不動産投資物件選び

5極化する不動産投資市場|成功するためのエリア選定について徹底解説!

2021/05/18
5極化する不動産投資市場|成功するためのエリア選定について徹底解説!

「立地」は、不動産投資において、成功するための重要なファクターの1つです。

投資用不動産は、一度購入した後は場所を動かすことが出来ません。よって、購入前のエリア選定が極めて重要となります。近年は、不動産投資市場は5極化されているとされています。「5極」とは具体的にどこのエリアを指すのでしょうか。

また、それぞれのエリア長の特徴や留意点はどのようなことが挙げられるのでしょうか。

こちらの記事では、不動産投資で成功するためのエリア選定について徹底解説していきます。

5極とはどこのエリアを指している?

不動産投資の成功のためには、非常に重要となる立地ですが、かつては都心と郊外といった形で大雑把に分類されていました。

近年、首都圏の不動産投資市場は5極化といわれています。

具体的にどのエリアを指すのか、それぞれの特徴と合わせてみていきましょう。

1極 エリアとその特徴

1極目は、東京都の中心部である千代田区・中央区・港区です。

 

これら3区をあわせて「都心3区」と呼ばれることがあります。このエリアは、日本の中枢です。

政府や日本銀行が存在しているのをはじめとして、大企業や金融機関の本社などもこのエリアに集中しています。

大使館も数多く設置されていて、外資系企業も数多くあることから、日本人のみならず外国のビジネスマンも多く住んでいます。

都心3区に住んでいる、または物件を所有していることでで、「ステータス」になると言えるでしょう。

このエリアの特徴は、なんといっても「立地の良さ」です。

都心3区内であれば、どこに住んでいても徒歩圏内に鉄道や公共交通機関などがあります。自家用車や自転車がなくとも、生活には困らない可能性が高いといえます。

このエリアに企業が集中していることを考えると、通勤時間も短く済むかもしれません。

また、このエリアに投資用物件を持つ大きなメリットとして、「資産価値が下がりにくい」ということが挙げられます。

国立社会保障・人口問題研究所から公表された資料によると、2015年比で2045年の人口増加率(予測)がどの区も約120%となっています。

中でも特徴的なのは、「生産年齢人口」といって、15歳~64歳の方の人口も110%以上になっているということです。

少子高齢化が進んでいる日本において、このエリアはそんな言葉とは無縁といえます。

そのため、長期にわたって賃貸ニーズが継続し、有効な不動産投資ができる可能性が高いでしょう。

出典:国立社会保障・人口問題研究所

2極 エリアとその特徴

2極目は、第1章で解説した「都心3区」の少し外側になります。

具体的には、品川区・目黒区・渋谷区・新宿区・豊島区・文京区・台東区・荒川区・墨田区・江東区となります。

位置関係についての詳細は、下の地図をご覧ください。

黄色の線が「山手線」です。

多くの自治体が山手線沿いにあることがお分かりいただけると思います。

また、山手線沿いになくとも、地下鉄が通っており都心までは30分程度で行くことができます。

このエリアの特徴は、「利便性」「住居環境」の両立です。

利便性については、前述の通り都心に出るのに30分程度となっており、通勤に不便を感じる方は少ないでしょう。

都心3区は、「商業地域」の割合が多く、うしても商業施設やオフィスが多くなってしまうため、「住みづらさ」を感じる方もいらっしゃるかもしれません。

一方でこのエリアは、住居の割合が多く、住宅街やマンションが立ち並ぶ街となっており静かな環境で暮らすことが可能になるといえるでしょう。

3極 エリアとその特徴

3極目は、2極の少し外側になります。

東京23区の中で第1章(1極目)と第2章(2極目)に登場していないエリアとなります。

具体的には、大田区・世田谷区・杉並区・中野区・練馬区・板橋区・足立区・葛飾区・江戸川区のことを指します。

都心へ行くには、少々時間がかかってしまうエリアですが、一方で、家賃相場は都心と比べると下がります。

不動産投資という意味においては、今すぐにどうこうという話ではありませんが、徐々に少子高齢化の影響を受けていく可能性があります。

このエリアにこれから投資用不動産を保有しようと考えている方は、ニーズが続くかどうかの吟味が必要であるといえそうです。

4極 エリアとその特徴

4極目は、東京23区の外側かつ国道16号の内側のエリアを指します。

黄色の線が国道16号です。

千葉市・八千代市・柏市・春日部市・さいたま市・川越市・八王子市・相模原市・町田市・横浜市といった街を環状に結んでいます。

この中で、千葉市・さいたま市・相模原市・横浜市は「政令指定都市」、柏市・川越市・八王子市は「中核市」となっています。

郊外の中では比較的人口が多いエリアですが、不動産投資市場としては、岐路に立たされているといってもよいでしょう。
それは、入居者として有望な「学生」たちが徐々に離れていってしまっているということです。

そのエリアに何か特段問題があるというわけではありません。
「大学側」がキャンパスを郊外から都心へと移してしまっているのです。

例えば、国士館大学は2008年に複数の学部が「町田市」から「世田谷区」に移転しました。

東洋大学も2005年に「埼玉県朝霞市(国道16号の内側)」から「文京区」へと移転済です。

中央大学も2022年に法学部を現在の「八王子市」から「文京区」へ移転予定です。

この他にも、多くの大学がキャンパスを都心へと移転させています。

これらの事実は、学生の1人暮らしをターゲットにしていたオーナーの方々にとっては、非常に厳しいといえます。

5極 エリアとその特徴

最後は5極目です。

このエリアは、第4章で解説した「国道16号」よりも外側のエリアになります。

住宅街が形成されているエリアがある一方で、田んぼも数多くあります。かつて、賃貸アパートが多く建てられました。

中には、相続税対策のための建てられたものも少なくないと言われています。

需要があった時にはよかったのですが、国道16号の外側では、既に人口減少が始まってしまっています。

この数年で空き家数や空き家率が増加しています。

平成5年時点で448万戸だった空き家は、平成30年には約2倍の846万戸に急増しました。この先も空き家の数は増え続けると言われています。

「選ばれるエリア」に「選ばれる物件」を所有していることが、不動産投資の成功へのカギとなるでしょう。

エリアにおける空き家率は、そのエリアの賃貸ニーズに比例します。

人口減少が進んでいるエリアに新規で投資用不動産を購入することはオススメできません。

出典:総務省 統計局

不動産投資は、入居者がついてナンボの世界です。家賃収入がなければ、成功とは言えないでしょう。

不動産投資において成功をおさめるためのエリア選定とは?

今後、不動産投資をするにあたって、どこにエリアが狙い目なのでしょうか。

まず、「都心3区」は盤石と言えるでしょう。

2020年に大流行した新型コロナウイルスの影響を受け、日本各地で基準地価を下げたエリアが多くありました。

しかし、都心3区では基準地価平均が高いうえに前年よりも上昇したのです。

下記のデータは日本全国の基準地価平均ランキングです。

TOP3を都心3区が占めています。

都内しか記載がないので、誤解されないように繰り返しますが、東京都のみのランキングではありません。

出典:土地代データ

都心3区に続き、渋谷区・新宿区がランクインしています。トップ10をすべて東京都の自治体が占めました。

不動産投資を成功させるという意味では、コロナ禍にも負けないエリアから投資用不動産を選ぶということが重要になってくるといえるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

不動産投資における「5極」について解説してきましたが、エリアやその特徴はご理解いただけたでしょうか。

コロナの影響もあり、今後、不動産投資を始められる方にとって、エリアの選定はなお非常に重要です。

こちらの記事が、参考になりましたら幸いです。

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ(不動産投資)プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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