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カンボジア不動産投資の失敗例!プロが失敗しないコツを分かりやすく解説

2024/03/14
カンボジア不動産投資の失敗例!プロが失敗しないコツを分かりやすく解説

東南アジアの中でもカンボジアは、物件価格が安く、米ドルでの運用も可能なため、海外不動産投資としても注目を集めています。これからの成長を期待して大きな利益を得たいと思う方も多いでしょう。

しかし、カンボジアは途上国であり、不動産投資においてハイリスクとも言えます。そのため「カンボジアでの不動産投資について詳しく知りたい」「リスクへの対処法は?」など、事例をふまえて知りたい方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、カンボジア不動産投資の特徴や失敗例、失敗しないコツ、円安の今カンボジア不動産を購入するべきかなどについて解説します。これからカンボジア不動産投資を検討されている方は、ぜひ最後までお付き合いください。

カンボジア不動産投資の特徴

カンボジアの不動産投資は日本と異なり、独自の特徴があります。それぞれの特徴について解説していきます。

経済成長に伴い不動産価格が上昇している

カンボジアのGDP成長率は、2019年は7.0%、2022年は5.1%です。
他国の2022年GDP成長率は、日本1.75%、タイ2.84%、フィリピン6.47%、マレーシア5.40%と、カンボジアは、東南アジア各国の中においても高い水準となっていることがわかります。

引用元:IMF - World Economic Outlook Databases (2022年10月版)
https://www.imf.org/en/Publications/SPROLLS/world-economic-outlook-databases#sort=%40imfdate%20descending

経済成長に伴い、不動産価格も上昇する傾向にあります。そのため、カンボジアの不動産価格は、今後も上昇する可能性があるでしょう。 

米ドルから投資ができる

カンボジアの自国通貨はリエルですが、世界の基軸通貨である米ドルでの不動産投資が可能となっています。 

米ドルの流通量は約90%以上であり、日常生活においても非常に便利です。東南アジアの中では唯一米ドルで不動産購入ができる国とも言えます。

非居住者でも現地の銀行口座開設ができる

カンボジアに居住していなくても金融機関によっては、現地の銀行口座を開設できます。

日本に住みながら、書類を郵送してカンボジアの銀行口座を開設することが可能となるのです。

カンボジアの銀行は金利が高いのも特徴です。例えば、アクレダ銀行では年6.5%前後となっています。

日本の銀行では、定期預金の金利が0.002〜0.2%程度であるため、家賃収入を得つつカンボジアの銀行にその家賃を預金することで、更に利回りをアップさせることができるのは非常に大きな魅力と言えます。

 プレビルド方式になっている

カンボジアの不動産は、プレビルド方式で購入するのが一般的です。

プレビルド方式とは、不動産の竣工までに分割で支払い、竣工後は残りの金額を現金一括またはローンを組んで支払う方式です。

建設着工前は、比較的低い価格に設定されています。

そのため、施工の進捗状況に応じて支払うことができるのがメリットと言えます。

ただし、建設が途中で中止された場合は返金されないリスクが伴うため、注意が必要です。

外国人は土地の所有ができない

カンボジアでは、個人や法人問わず、外国人が土地を所有することが禁止されています。

カンボジア国籍の自然人や法人のみが土地を所有が可能であることを、憲法および土地法に定められているのです。

中には法人を作って現地の方に代表になってもらい、土地を購入するというやり方もありますが、その人は本当に信頼できる人なのか、会社のお金を持ち逃げにされないかなどのリスクがありますので、慎重に検討する必要があります。

東南アジアの中でまだ不動産の価格が安い

カンボジアは経済成長が著しく、物価も上昇傾向にあります。

不動産は、リーマンショック以前は高騰していましたが、現在は東南アジアの中では比較的価格が安い方です。

2021年のプノンペン中間レビューによると、コンドミニアムでも、1㎡あたり3,000ドル程度となっています。

引用元:PHNOM PENH 2021 MID-YEAR REVIEW - CBRE Cambodia
https://images.cbre.com.kh/2021/07/2021-Mid-Year-Review_Final-Presentation.pdf

立地や規模、需要などにもよりますが、一般的なコンドミニアムは、日本円で600万円程度です。

ただし、今後はカンボジアの経済成長により、不動産価格が上昇する可能性が高いと言えるでしょう。

 今はキャピタル課税がない(日本国内に支払う必要がある)

カンボジアでは現在、キャピタル課税がありません。

個人で確定申告をする税制度はなく、給与支払月の翌月15日までに税務署に対して申告・納付を行います。

また、国税や地方税の区分はなく、すべて国が徴収する仕組みです。

一方、カンボジア租税総局は、2022年1月よりキャピタルゲイン税の導入を予定していましたが、延期を発表しています。つまり、現時点ではまだキャピタルゲイン税を支払う必要がありません。

カンボジア不動産投資の失敗例

ここでは、カンボジア不動産投資の失敗例をご紹介します。

購入した不動産の建設が止まる

不動産会社が倒産することにより、購入した不動産の建設が止まる場合があります。プレビルド方式では、先に一部を支払っているため、返金されず、物件も手に入らないといった状況になってしまいます。

 トラブルにより途中まで支払った費用が戻ってこない

不動産の販売がうまくいかなくなると、建設費用の確保ができなくなり、途中まで支払っていた費用が戻ってこないケースもあります。

前述したとおり、プレビルド方式で購入した方は、返金されない可能性が高いです。

相場より高い金額で購入してしまった

不動産仲介会社から勧められた物件を相場より高い金額で購入してしまうケースです。仲介会社に騙されないためには、慎重に業者を選ぶ必要があります。

 架空の海外不動産会社による詐欺

海外不動産会社から架空の投資話を持ちかけられるケースです。カンボジアは経済成長率が高く、投資詐欺が発生する可能性も高くなります。

2011年には、不動産投資詐欺により200名以上から合計20億円以上をだまし取ったニュースが話題になりました。

 予想外に空室率が高い

予想外に需要がなく、空室率が高いケースです。首都プノンペンではコンドミニアムの建設が続き、競争が激しくなっています。

どのようなターゲット層に需要があるのか、事前の情報収集や慎重なエリア選定が大切です。

正式な登記済証を受け取れない

カンボジアでは「ソフトタイトル」と「ハードタイトル」の書類があります。

ソフトタイトルは、不動産取引があったことを証明する書類です。

ハードタイトルは、物件の所有権を示す書類となります。

ハードタイトルの発行時期や取得について、不動産会社に確認することが大切です。 

カンボジア不動産投資で失敗しないコツは?

ここではカンボジア不動産投資で失敗しないコツをご紹介します。

首都プノンペンに限定する

首都プノンペンは、他の都市よりも発展しているため、賃貸需要が高く、投資エリアには最適です。 

ただし、プノンペンの中でもエリアによって特徴があるため、事前に調べておきましょう。

 現地に視察しにいく

不動産会社に物件を勧められる場合は、すべてが良い物件とは限りません。できるだけ現地に視察に行って、物件や周辺環境を確認することが必要です。

セールスギャラリーとして、物件の内見が可能な場合もあります。

正しい情報を入手する

日本の各省庁などが公開している情報などを通じて、正しい情報を入手することが重要です。

カンボジアの物件を扱っている実績のある不動産会社に直接問い合わせるのもよいでしょう。

 現地に事務所がある仲介会社に依頼する

現地に事務所がある、信頼できる仲介会社を見つけて依頼するのも一つの方法です。

インターネットの口コミなどで、仲介会社を調べてみるのもよいでしょう。

 大手のディベロッパー、日系開発会社の物件を選ぶ

大手のディベロッパーや日系開発会社であれば、建設が途中で止まったり、騙されるリスクは低いため、安心して依頼ができます。

ただし、開発案件の数がそれほど多くないため、随時情報収集したりする必要があります。

 保証利回りのある物件を選ぶ

カンボジアの不動産は経済成長率に伴い、メリットもあります。しかし、発展途上国であるため、さまざまなリスクもあります。

中には保証利回り、買い戻り保証をされている案件もあります。そのような案件を活用してリスクを最小限に抑えることが大切です。

 管理会社に任せきりにしない

カンボジアでは、築浅でも劣化した物件が多くあります。良い物件を維持するには、管理会社の定期的なメンテナンスが重要です。

また、不動産会社で物件管理について詳しく説明があるとも限りません。そのため、投資する側があらかじめ、メンテナンスの頻度などを確認しておく必要があります。

円安の今はカンボジア不動産を購入しない方がいい?

2022年10月現在では、ニューヨーク外国為替市場で1ドル=151円90銭程度まで急速に円安が進む場面もあり、 先行きへの不安が高まっています。

しかし、カンボジア不動産を購入することによって、安定した家賃収入が期待できます。

更に現地の銀行に家賃を定期預金として入れれば、日本より高い金利で貯金することができるのです。

したがって、トータルで見ればメリットが多いので、特に円安の影響は受けていないと言えるでしょう。 

まとめ

カンボジアの不動産は、経済成長に伴い不動産価格が上昇傾向にあります。しかし、世界の基軸通貨である米ドルでの不動産投資が可能となり、非居住者でも現地の銀行口座の開設ができます。カンボジアの銀行は、金利が高いのも特徴です。

ただし、購入した不動産の建設が止まる場合や途中まで支払った費用が戻ってこない、相場より高い物件を購入する、架空の投資話を持ちかけられるといった失敗例も珍しくありません。

カンボジアの不動産投資は、ハイリスクハイリターンとなっています。
正しい情報を入手し、大手のディベロッパー、日系開発会社の物件を選ぶことが大切です。 

また、現地に事務所がある仲介会社に依頼し、管理会社に任せきりにしないように定期的な物件のメンテナンスを行なっているか確認しましょう。

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ(不動産投資)プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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