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初心者がお金を増やすには?FPが効率よく増やすコツを分かりやすく解説

2024/03/14
初心者がお金を増やすには?FPが効率よく増やすコツを分かりやすく解説

日々さまざまな工夫をして節約生活を送り、貯金を頑張っている方は多いのではないでしょうか。

しかし、生きていくうえで大きなお金が必要となる場面は多く、そう簡単に貯金できるものではありません。

収入を銀行口座へ貯金していくだけではなく、「お金を増やす」ことができたらより良いと思われている方も少なくないでしょう。

今回は資産運用に関して初心者でも、お金を効率よく増やせるコツを、お金のプロであるFPがわかりやすく解説します。

資産運用に興味のある方は、ぜひこの記事を最後まで読んでいただきたいと思います。

事前に知っておきたい人生の三大出費

生きていく中でまとまったお金が必要となる場面はたくさんありますが、特に大きな出費となるのが、教育資金・住宅資金・老後資金です。

これら3つの資金を「人生の三大出費」といいます。

まずは人生の三大出費についてそれぞれ解説します。

教育資金

1つ目は子どもの教育資金です。

文部科学省の資料によると、子ども1人あたりにかかる教育費の平均は、幼稚園~大学まで全て国公立でも約800万円、全て私立の場合は約2,200万円となっています。

子どもが2人以上の場合は、さらに上記の金額×子どもの人数となります。

教育費の中でも、特に負担が大きいのが大学の学費です。

大学生が2人いる家庭の場合、世帯主の所得の約半分は教育費が占めているというデータがあり、教育資金は家計にとって非常に大きな出費であることがわかります。

子どもがいる家庭は、計画的に教育資金を貯めていく必要があります。

 住宅資金

2つ目は住宅資金です。

住宅の購入は人生で最も高い買い物といわれています。

住宅金融支援機構の資料によると、2021年度の住宅にかかる所要資金の全国平均は、次のようになっています。 

  • マンション4,528万円
  • 土地付注文住宅4,455万円
  • 建売住宅3,605万円
  • 注文住宅3,572万円
  • 中古マンション3,026万円
  • 中古戸建2,614万円

中古住宅でも、非常に大きな資金が必要となることがわかります。

住宅ローンも家計にとって大きな負担となるため、いかに効率よくお金を貯めて、早く返済できるかを計画することが重要です。

老後資金

3つ目は老後資金です。

総務省統計局の2021年の調査資料によると、世帯主が65歳以上の夫婦世帯の月の収入の平均は約23万円、支出は約26万円となっており、毎月約3万円の赤字となっています。

調査年度によってはさらに赤字の金額が多い年もあるため、赤字が約5万、老後生活が30年で計算すると、老後に少なくとも1,800万円必要ということになります。

これだけの金額を用意するには計画的に貯蓄していかなければなりません。
現在の年齢と収入から逆算して、資金計画を立てることが大切です。

突発的な出費に備えて貯金が必要

人生の3大出費に備えて計画的にお金を貯めることが大切であるとお分かりいただけたかと思いますが、出費はそれだけではありません。

自分や家族が病気や事故に見舞われるなどして、急な出費が必要となる可能性もあります。

また何千万、何百万単位でなくても、冠婚葬祭の式典に年に何度も参加することになれば、ある程度の金額の出費となるでしょう。

必要最低限の金額設定で貯金をしている場合、突発的な出費が必要となったときに計画が崩れてしまいます。

したがって計画外の出費にも備えて、貯金をしていくことが重要です。

 効率よくお金を増やすには投資が必要

どうせ貯金をするなら、効率よくお金を増やしたいと思うでしょう。

効率よくお金を増やすには、投資が必要と考えます。

ただ単に銀行口座に貯金するよりも、お金を増やすことが期待できます。

こちらの章では、おすすめの投資について解説していきます。

 つみたてNISA

つみたてNISAは非課税で投資ができる制度で、2018年1月に始まりました。

年間40万円を上限として購入した投資信託などが、最長20年間まで、非課税で運用が可能です。

毎月少しずつ、長期的に資産を増やしていきたいという人におすすめです。

また、つみたてNISAで運用できる商品は、安定的な運用ができるように金融庁に届け出のあった商品に限定されています。

対象商品の数が少なく、銘柄を指定したうえで定期的に一定額が自動買付される仕組みのため、投資初心者でも始めやすい投資方法です。

iDeCo(イデコ)

iDeCo(イデコ)は、個人型確定拠出年金のことで、任意で加入する私的年金の制度です。

自分で申込をして、掛け金を決め、運用方法を選びます。

掛金は65歳まで拠出が可能で、60歳以降に、掛金とその運用益を老齢給付金として受け取れます。

掛金は60歳まで原則引き出すことができず、老齢給付金を受け取った後は掛金を拠出することはできないという条件があります。

20歳以上65歳未満であれば、基本的に誰でも加入することができるため、老後資金の資産形成におすすめの制度です。

 投資信託などの金融商品

投資信託は、運営会社が多くの投資家からお金を集め、集めた資金で投資のプロである運用会社のファンドマネージャーが投資・運用を行います。

そして運用によって得た利益が、投資家に分配されるという金融商品です。

投資家から集めた資金は、株式は債券、不動産など、さまざまなものに分散して運用されます。

運用がうまくいけば利益を受け取ることができますが、運用がうまくいかなければ損失が生まれ、資産が減る可能性もあります。

運用期間は10年程度ものが一般的ですが、長期・安定的な資産形成を目指すのであれば、無期限の商品を選ぶとよいでしょう。

不動産クラウドファンディングなどの少額商品

不動産クラウドファンディングなどの少額で投資ができる商品もおすすめです。

中でも不動産クラウドファンディングは、1万円から投資が可能なため、投資に充てる資金が少なくても始められます。

また、運用や不動産の管理は運営会社が行うため、投資家が行う必要はありません。

投資する不動産を選び、投資を開始した後は運用期間終了まで待つのみの楽な投資方法です。

手間がかからないため投資初心者でも始めやすいのが特徴です。

金(ゴールド)投資

金(ゴールド)投資とは、その名の通り鉱物の金に投資する投資方法です。

金は世界中で換金が可能で信用度が高いため、貴金属の中では最も普及している投資の対象物です。

またインフレ時や経済的混乱期、災害時、戦争勃発時などに値上がりする傾向があるため、有事に役立つ資産として投資をする投資家も多いようです。

金投資の投資方法には、ゴールドバーを購入する方法や、投資信託で積立投資をする方法もあります。

実際にお金を運用した実例

実際に必要資金を貯めるための計算の例をご紹介します。

老後資金を貯める例

先述した通り、人生の三大出費である老後資金は、老後の生活費の赤字が約5万円とすると、約1,800万円必要であるという計算になります。

介護費用や葬儀費用なども考慮し、余裕をもって貯金するのであれば、2,000万円~2,500万円必要と考えましょう。

「現在45歳で老後に2,500万円必要、退職金約2,000万円との差額の約500万円を20年間で貯めたい」という場合の例をご紹介します。

投資をせずに月2万円を銀行口座に預金する場合、「月2万円×12か月×20年=480万円」となります。

銀行の預金金利が0.01%とすると、利息が5,000円となるため、貯金額の合計は480万5,000円です。

一方、投資で毎月2万円を20年間、年利3%で運用できた場合、運用利益は176万6,000円となり、貯金額の合計は656万6,000円です。

投資をすることで、銀行口座に預金するだけの場合よりも多く、効率的に貯金をすることができます。

自分の年齢や老後までにいくら貯蓄したいかで必要な金額は変わってくるため、なるべく早く投資を始めることをおすすめします。

住宅資金を貯める例

老後資金と同様、住宅資金も人生の三大出費といわれ、大きなお金が必要となります。

中古住宅か新築か、戸建かマンションかによって金額は大きく変わりますが、2021年度の住宅にかかる所要資金の全国平均は約2,600万円~約4,500万円でした。

一般的に住宅購入の頭金は、住宅価格の1~2割というケースが多いようです。

「現在30歳の人が、38歳までに頭金として約400万円を貯めたい」という場合の例をご紹介します。

投資を活用せずに銀行口座へ毎月4万円貯金していくと、「月4万円×12か月×8年=384万円」となります。

銀行の預金金利が0.1%とすると利息が約1万5,000円のため、貯金額は合計385万5,000円です。

一方NISAなどの投資で毎月4万円を積み立てし、年利1.2%で運用できた場合、運用利益は18万6000円となり、貯金額の合計は402万6000円です。

住宅資金は比較的近い将来に必要となり、使い道が明確であることから、NISAのようなリスクが低い投資方法を選ぶとよいでしょう。

なかなかお金が増えない方にオススメしたい口座分け

貯金が苦手でなかなかうまくいかないという人には、口座を分けることをおすすめします。

口座を1つしか持っていない場合、収入に対していくら使うかが曖昧になってしまうことがあります。

口座を2つ以上持つことで、貯金のために使う口座と、生活費に使う口座を分けることができるため、貯金が成功しやすいです。

給与から自動的に貯金用の口座へ一定額振り込まれるように設定すれば、計画的に貯めていくことができるでしょう。

まとめ

今回は、初心者でもお金を効率よく増やすコツをご紹介しました。

効率的な貯金には投資が必要であること、また投資は初心者でも始めやすいものもあることがお分かりいただけたかと思います。

この記事を参考に、ぜひ投資をして効率のよい資産形成を目指してみてください。

参考サイト 

文部科学省「教育投資参考資料集」https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo2/siryou/__icsFiles/afieldfile/2013/01/30/1330218_11.pdf

住宅金融支援機構「フラット35利用者調査(2021年度)」https://www.jhf.go.jp/files/400361622.pdf

総務省統計局「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 4(高齢者のいる世帯)世帯主の就業状態別」
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20210&month=0&tclass1=000000330001&tclass2=000000330004&tclass3=000000330006&result_back=1&cycle_facet=tclass1%3Atclass2%3Atclass3%3Acycle&tclass4val=0

厚生労働省「iDeCoの概要」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/kyoshutsu/ideco.html#:~:text=iDeCo%EF%BC%88%E5%80%8B%E4%BA%BA%E5%9E%8B%E7%A2%BA%E5%AE%9A%E6%8B%A0%E5%87%BA,%E5%8F%97%E3%81%91%E5%8F%96%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%8C%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

金融庁「住宅購入のために頭金を貯めたい」https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/case/loan/index.html

金融庁「セカンドライフのためにお金を貯めたい」https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/case/secondlife/index.html

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ(不動産投資)プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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