融資・ローン

融資事情が厳しいなか中古物件と新築物件はどちらが良い?

2021/09/03
融資事情が厳しいなか中古物件と新築物件はどちらが良い?

金融機関の融資事情が厳しいなか、十分な融資を受けながら不動産賃貸業を営んでいくことが難しくなっています。そのような状況のなか、中古物件、新築物件それぞれにおいてどのようなことに注意して投資していくべきか、藤山の考えを解説していきます。

金融機関は融資物件をどのように評価するのか

銀行が融資物件を評価する際、民間の不動産鑑定システムを利用して担保物件の評価を行う積算評価を利用するケースが多いです。そのうえで、収益物件の場合は利回りから計算される収益還元評価を採用するケースが一般的です。

このときに注意すべきは、建物の価値が評価されにくい傾向にあり、築浅や一定期間経過した中古物件は市場価値より早いスピードで建物価格が低く評価されるケースが多く、中古物件に対しては大きく評価割れすることがあります。

一方、新築物件は積算評価、収益還元評価に直接左右されない評価方法を採用する銀行があり、中古物件より融資を受けやすい傾向があります。

新築物件に投資する場合の注意点

中古物件に比べ新築物件は融資を比較的受けやすい傾向にあり、融資期間も長くとれやすいため、長期で安定したキャッシュフローを得やすくなります。ただし、建物が完成するまでの期間にもローンの支払いが発生するため、ある程度の余剰資金は確保しておくべきです。また、新築物件は客付けもしやすいですが、必ずしも「満室」からスタートできるというわけではありません。

そのため、ある程度の家賃収入が保証される「サブリース契約」を考える方も多いですが、これはあまりおすすめできません。理由は、数年後に必ずと言っていいほど「賃料の値下げ」が発生するからです。そのため、初予定していたキャッシュフローを達成できなくなるケースがありますので、注意が必要です。

融資を受けにくい中古物件への投資方法

融資事情は厳しいですが、相場よりも安価で購入でき早期に売却益が狙える物件を探すことができるのなら、中古物件への投資も見逃せません。ただし、このような物件は業者やプロの投資家も狙っているため、現金勝負となり「融資特約あり※」では到底勝負になりません。また、中古は融資額も伸びにくい傾向にあるため、現金で購入できるだけの自己資金を持っているかが勝負の分かれ目になります。

実際に、弊社のお客様でも築古の中古物件を現金で購入される方が多く、小ぶりな中古物件を現金で購入するのが最近のトレンドであると感じています。しかし、現金で購入すると手元資金が減るため、出口(売却)の取れる物件であることが重要です。出口戦略については、しっかりとした知識が必要なため、「現金はある程度あるけど手元資金を増やしてどんどん拡大していきたい」という人はまずは1か月だけでも、相場よりも安い物件とはどんな物件なのかを見極めるための知識を習得していきましょう。

※「融資特約あり」:物件を購入する買主側の融資が降りなかった場合に、売買契約を白紙に戻す(解除する)こととする停止条件付きの契約

まとめ

不動産投資を行ううえで、金融機関からの融資を受けるためには中古物件より新築物件の方が融資の年数が多く取れるという点では有利です。

しかし、新築物件は建物が完成するまでのローンが発生するため、注意が必要です。また、長期の安定したキャッシュフローを得るためには、「サブリース契約」も慎重に考えるべきです。

中古物件は融資を受けにくいため、自己資金内で購入可能な小ぶりの物件がトレンドに。その場合、出口(売却)をしっかり見据えて投資することが重要です。

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藤山 大二郎

株式会社NSアセットマネジメント 代表取締役
会社員時代に副業として不動産投資をスタート。

自己資金ゼロの状態から、金融機関の開拓をして会社員給料以上の収益を得たことにより、会社を退職することを決意。

株式会社NSアセットマネジメントを設立し、再建築不可物件、離婚案件/相続案件/共有持分案件などの法的瑕疵物件に着目したコンサルティングサービスを提供している。
著書:「20代で億を稼ぐ! 自己資金ゼロの私が、1年半で年収2億を達成した不動産投資戦略」

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