インタビュー

カンボジア不動産投資の果てしない魅力

2020/07/02
カンボジア不動産投資の果てしない魅力

国内外で不動産の運営や賃貸、投資や管理、仲介など不動産サービスを展開するアンナアドバイザーズ。その業務の中心となっているのがカンボジアの不動産です。同社CEOの荒木杏奈氏に、カンボジアで投資物件を扱う理由、カンボジア不動産投資ならではの魅力、そして今後の見通しについてお話を伺いました。

「カンボジアは伸びる」と確信

八木:カンボジアにはどのようなご縁で、不動産投資の事業を展開したのでしょうか? 

荒木代表:インターネット金融グループ大手の SBIグループで働いていた時代は、金融マーケティングの他に、投資関係の案件を調査もしていて、いろんな国に訪問した際に、一番行きたくなかったカンボジアが、実際に行ってみて一番良かったです(笑) 

八木:一番行きたくなかったのはカンボジアだったんですね(笑)でも、実際に行ってみてよく感じたのはどこでしょうか?

荒木代表:投資環境という観点ではすごく良かったです。それから、生活面ではお食事なども思っていたのとギャップあって、この国悪くないなと思いました。

八木:思っていた印象とのギャップが刺さったのですね。カンボジアで不動産投資の事業を始めるきっかけになったのですね。

荒木代表:カンボジアに対する印象が変わったのですね。その後帰国して、しばらくSBIグループの本社がある六本木の泉ガーデンタワーに勤務が戻りました。通勤の地下鉄で光景を見て、「けっこう日本は暗いな」と感じたのですね。 

八木:カンボジアとの違いを感じたのでしょうか?

荒木代表:そうです。暗く感じた日本と対照的にカンボジアは、平均年齢24歳というように若者に満ちあふれている。明日に生きると、これからこの国は絶対伸びると確信を抱きました。それで退職してカンボジアに行き、会社を立ち上げたのが2013年です。


不動産投資事業をスタートした理由は?海外不動産投資をする考え方

八木:カンボジアで様々な事業の展開可能と思いますが、その中で不動産投資事業をスタートした理由を伺ってもいいでしょうか?

荒木代表:これから伸びる国で一番メリットをもたらすのは何かと考えた時に、金融・不動産だと思ったのですね。実際に自分で最初不動産を買ってみて、それがうまく回っていたので、本格的にスタートしました。

八木:ご自身で実際に実践したのですね。

荒木代表:お客様に投資していただくのに、やはり自分でその確信が必要だったんです。

八木:実際にご自身でもカンボジア不動産投資をされている荒木代表に、ぜひカンボジア不動産投資の魅力を伺いたいです。 

荒木代表: 日本にお住まいの方は大体「円」で資産を持ち、円で生活しているので、
「資産を分散しましょう」
「外貨を持ちましょう」 
というリスク分散を大前提に、海外不動産投資をするという考え方です。 

八木:リスク分散の一つの選択肢として海外不動産投資ということですね。

荒木代表:リスクが低くリターンも低い日本の不動産投資もいいです。ハイリスクハイリターン、もしくはミドルリスクミドルリターン、いろいろなランクの投資商品を組み合わせることによって、リスクヘッジができるということです。 


他の東南アジアの国と比較したカンボジアの魅力は?

八木:数年前から東南アジアの不動産投資に人気を集めました。タイ、マレーシア、フィリピン、インドネシア、バングラデシュなどの国と比較して、荒木代表が取り扱うカンボジアの魅力をぜひ伺いたいです。

荒木代表:東南アジアで言うと、もともとマレーシアが海外不動産投資の火付け役でした。2010年頃にリタイヤメント層向けに販売がスタートしたのですが、販売しているうちに、最低の投資金額が約2500万円以上という規制がかかってしまい、日本の業者も減りました。

八木:販売最低金額の制限があると、非常に厳しいですね。

荒木代表:そうですよね。タイのバンコクなどもかなり不動産価格が上がっていて、投資としてはリターンがかなり低くなっています。仕事、ゴルフなど好きで行かれる方が自分の為に購入するのはありとは思いますが、普通に投資商品としてリターンを求める方にとっては効果が薄くなっています。
マレーシア、タイなどと比較して、カンボジアの政策にメリットが多いのです。

八木:詳しく教えてください。

荒木代表:まず、カンボジアは、業種規制がほかの国に比べて緩く、進出しやすい環境です。外資100%で会社設立が可能で参入しやすいため、経済成長も早いということが言えます。

八木:バングラデシュとかは外資100%はできないですよね。

荒木代表:それから、送金規制がないというところも投資しやすい点です。入金ができても出しにくい国がたくさんある中、シンガポールと同じようにお金の出し入れも基本的に自由です。 

八木:海外でお金の自由は非常に重要です。

荒木代表:カンボジアではお金の自由があるから、投資して得た利益を日本に戻す、あるいはほかの国に出すことに対して基本的に規制がないので、投資したリターンをどこに持っていくのかということが簡単に解消できるのがカンボジアのいいところです。

八木:かなり融通が効きますね。 

荒木代表:それだけではないです。カンボジアでは米ドルが使えます。つまり、米ドルで投資ができて米ドルで回収できるため、カンボジア不動産投資をすることによって、「日本円+米ドル」を同時に持つことができます。 

八木:米ドルを持つことによってインフレ対策にもなりますね。

荒木代表:「円」しか持てない方にとってのリスク分散ですよね。
また、カンボジアは親日国であることも特徴です。日本が橋を作ったり道路を作ったり、あとは北九州のODAでプノンペンは水がきれいになっていて、そのまま飲んで大丈夫です。
これは現地にいないと分からないことですが、カンボジアは中国との関係性が非常によくて、チャイナマネーがたくさん入っています。プノンペンから南に行くと、シアヌークビルというリゾートがあります。そこに第2のマカオみたいなものを作っています。
このように海外のマネーがどんどん入ることによって、国の経済もどんどん伸びていて、不動産の価値も上がるのです。


カンボジア不動産投資ならではの魅力は?

八木:上記ではタイ、マレーシアの不動産の価格が非常に上がっているというお話を伺いましたが、カンボジア不動産投資ならではの魅力をぜひ教えてください。 

荒木代表:上記にも少し触れましたが、まずはインフレ対策として「米ドル」を持てることです。もちろん、日本円に換金することもできますが、弊社のお客様はほとんど米ドルのまま持っています。 

八木:インフレ対策として米ドルで持ちたいですね。 

荒木代表:2つ目のメリットは、現地の銀行に預けることによって、金利を得ることができます。
カンボジアでは銀行預金の利息が5~6%もあって、それも米ドルでつきます。基本、お客様には不動産を買っていただくのと同時に、銀行口座も開いていただき、賃料をその銀行に振り込んでもらい、ダブルインカムを得ていただいています。

八木:金利が高いです。カンボジアで銀行の口座を開くのは簡単でしょうか?

荒木代表:昔は簡単でしたが、今は厳しくなっていて、銀行によっては現地の会社を通すとか、口座開設の目的が問われる銀行も出てきました。

八木:ちゃんと開設目的があればできるのですね。

荒木代表:3つ目のメリットは、不動産登記の制度ができています。
外国人は土地を買えませんが、2階以上は買うことができます。つまり、コンドミニアムの購入は合法です。プロジェクトによるので全てではありませんが、多くは、ちゃんと登記ができて、日本と同じように完全区分所有権を与えられますので、そこはご安心いただければと思います。

八木:モンゴルとかは登記制度が完備していないみたいですが、登記ができるのは非常に安心できますね。

荒木代表:4つ目のメリットは、売却益に課税されないのです。
日本は不動産の売却で利益が出た場合、譲渡所得税といって課税されるのですが、カンボジアでは今日現在ないというところも面白いです。売却益がいくらであろうと売ったときに課税されないんです。

八木:それは嬉しいです。税制の面ではまだこれからの気がしますね。

荒木代表:他には米ドルで送金規制がないなど、個人投資家に有利な税制とかもメリットとして挙げられます。

八木:お話を伺いして、登記制度は完備しているのに対して税制はこれからなど、今は海外不動産投資家にとってベストタイミングとも言える気がしますね。

 

成功するため知っておくべきリスクとは?

八木:一方、海外だからこそおさえておくべきリスクもあると思いますが、教えて頂けますか? 

荒木代表:まず国自体のリスクがありますね。
例えば、私がこの事業を始めた頃は修繕積立金という概念がそもそもなかったです。日本と一緒というわけにはいかない。完成前後のときなどは特に、日本の物件を知っているようなオーナーさんだと、いろいろ言いたくなるようなことはありますね。 

八木:文化の違いとも言えるのでしょうか。

荒木代表:そういった意味だと、未成熟なんですよね。
その場合、日本にいらっしゃるお客様に委任状をいただいて、弊社がかわりにチェックし、工事の小さな修正点などに対応するのですが、日本と違ってすごく時間がかかります。1回言ったところで全然通じないので、そういう大変さはあります。 

八木:他の国でもありそうな悩みですね。

荒木代表:そのほかリスクとしては、政治面も挙げられます。
フン・セン首相という、40年近くカンボジアの一線でやっている方がいますが、昨年7月に総選挙の結果で、情勢が変わるのではないかと心配され、投資が少し止まった時期はありました。ただ、与党が勝利したことで、これから4、5年は政治体制に変わりはないので、そこはクリアされたと言えます。 

八木:政治面は東南アジア投資でよく挙げられるリスクです。 

荒木代表:あとはインフラでしょうか。まだ道路事情がよくなかったり、電車も限られていますし、バスが最近通ったりとか、信号増えたとかそういう感じです。

八木:その場合、投資するエリアは非常に重要になってくると思いますが、どこのエリアをオススメでしょうか?

荒木代表:弊社ではカンボジアの首都であるプノンペンに特化して、しかもプノンペンのほんとうのど真ん中しかやっていません。東京で言うところの千代田区、中央区、港区という感じです。 

八木:都心の都心ですね。

荒木代表:そうです。なぜかというと、私はカンボジア人からすると外国人にあたるので、日本の皇居の周辺とか渋谷に外国人がいるのと一緒で、分かりやすいところを買いたいのですね。何かあったときにリスクヘッジになりますから、それで現地の高級物件をご案内しています。

八木:日本国内でも不動産投資会社の不祥事が起きていますが、海外となるとなおさら悩まれている方が多いと思いますが、そのへんはどのようにお考えでしょうか? 

荒木代表:弊社は現地法人がありますので、現地でいろいろ関係性を作ったりして、自分でもまず投資してみます。デベロッパーとの関係性は重要なので、そこはかなり意識していますね。
日本人が現地で販売した実績があると、いろいろなところから物件を売ってほしいという依頼が来ますが、ほとんど断っています。中途半端にはしたくないので、厳選した物件だけを扱うようにしています。 

八木:御社がきちんと厳選してくれるのですね。

荒木代表:信頼関係で商売しているものですから。
弊社が扱っている物件の具体例をあげると、例えば2021年完成予定の、低層部分がオフィス、上の部分がホテルのフラットアイアンという物件があります。
10年間の利回り保証がついていて、平均9.5%です。元本保証で、買取保証がついて、価格帯は1,200万円くらいからとなっています。 

八木:元本保証の買取保証まであると、非常に安心できますね。

このような高級物件は、現地人の賃貸ニーズはいかがでしょうか?

荒木代表:物件によりますが、現地人受けしているような高級物件もあります。
カンボジア人のお金持ちの家族だと、子供は海外の大学に行かせることが多く、海外に行って、海外の高層マンションを見てそれが当たり前になって帰ってくると、そういったところに住む方もいらっしゃいますが、どちらかというと外国人が買って住むケースが多いです。
日本人もだいぶ増えました。昔は900人くらいでしたが、今は3,500人くらいです。ANAの直行便も2016年から毎日飛ぶようになり、年々増えていると感じています。
海外からの投資も増えて地価も上がっていますし、株式市場も最近は急騰しています。


カンボジア不動産投資の顧客層は?

八木:色々とお話伺わせて頂き、カンボジア不動産投資に非常に魅力を感じています。
実際にお客様はどういう方が多いですか?

荒木代表:基本的に海外不動産は、融資を利用せずにキャッシュで買われる方がほとんどです。
1,500万円から3,000万円が当社で扱う物件の平均価格ですので、それを払える方となりますので、経営者の方が多いですね。

八木:キャッシュという条件には少しハードルが高い気がします。
どの業界の経営者が多いとかありますか? 

荒木代表:面白いのが意外と不動産屋の社長さんが多いです。日本では競合相手かもしれませんが、「海外のことが分からないから教えて」という方が多いです。 

八木:意外と同業なんですね(笑)

荒木代表:そうですね。いずれやりたいからとりあえず買ってみるという方もいらっしゃいますし、一緒にやっていこうよという方もいます。
あとはお医者さんだったり、税理士さんとか、士業の方からのご相談が多いです。

八木:お客様はどういった目的で買われているのでしょうか?

荒木代表:東南アジアの場合は基本的に新築になるので、節税よりはリターンを求める方、あとは単純に外貨を持ちたい方、好きだからという方、様々な目的を持たれています。
中には、カンボジア不動産で稼いだ利益を米ドルでそのまま節税目的でアメリカの物件を買われる方もいます。アメリカで買った物件のインカムをカンボジアに送金する方もいらっしゃいます。

八木:米ドルを持てるからの活用方法ですね。
以前、海外不動産投資は全く融資利用できなかったですが、今はどうでしょうか?  

荒木代表:カンボジアの現地で融資できますが、金利が高く9~10%あるので、現地で借りる人はほとんどいないです。
一方、日本で借り入れする場合は、日本国内で一棟や1区分お持ちであれば、借り入れが可能です。弊社からご案内もしています。

八木:できるようになったのですね。金利はいくつでしょう? 

荒木代表: 0.85%-3.8%くらいです。

八木:利回りからみると投資する意味は大きいですね。今後のカンボジアの不動産投資市場の需要動向についてはどうでしょう。 

荒木代表:ハイクラスの外国人が安心して暮らせる管理の行き届いた物件がまだ少ないのと、カンボジア経済自体がすごく成長しているので、そういった需要はこれからも上がっていくと思います。
最近は問い合わせも増え、日本の不動産投資家の目線も海外に向いているようです。

八木:最後に、みんかぶ不動産に対してのメッセージお願いできますでしょうか。

荒木代表:海外不動産投資、カンボジアでの投資などについてお伝えする場として、みんかぶ不動産でセミナーなどもできれば。そこで情報をお伝えしていきたいと思っています。

国内初のカンボジア不動産投資の小口化商品をリリース

 八木:国内初の小口化商品がリリースされたと伺いましたが、詳しく教えてもらえますか?

 荒木代表:これは「不動産特定共同事業法」に適用した商品になりますが、500万円から購入することができるのです。
やはり、カンボジア不動産は1,500万円以上のキャッシュが必要な商品となっていて、ご興味を持ってくださる方は多いですが、ハードルが少し高くなっていることから、お客様からのご要望とも言えます。

 八木:通常の1/3の価格で始めることができるのですね。大変興味深いです。

 荒木代表:そうなんです。投資資金という面では始めやすくなったと言えます。「不動産特定共同事業法」に適用した商品なので、通常の商品同様のメリットを享受することができます。

 八木:それは嬉しいですね。ご興味がある方は下記の参考記事をぜひ読んでみてください
[参考記事]日本国内初のカンボジア不動産投資の小口化商品とは?その仕組みについて詳しく解説

八木:最後に、みんかぶ不動産に対してのメッセージお願いできますでしょうか。

 荒木代表:海外不動産投資、カンボジアでの投資などについてお伝えする場として、みんかぶ不動産でセミナーなどもできれば。そこで情報をお伝えしていきたいと思っています。

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ(不動産投資)プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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