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申告・申請・届出

不動産登記って何?不動産投資と不動産登記の関係

八木 チエ
2019/10/232019/12/13

不動産を自分の所有であることを証明するため、登記を行う必要があります。不動産投資をする際にも、不動産購入するのと同時に登記を行う必要があります。

では、不動産登記とは、一体どのような手続きなのでしょうか?

こちらの記事では、不動産登記の方法、その効力、不動産登記を行うタイミングについて解説していきます。

ぜひ最後までお読みになり、不動産登記について理解しておきましょう。

不動産登記とは

不動産登記とは、ご自身の重要な財産である土地や建物といった不動産に関する情報を正確に法務局が管理する登記簿と呼ばれる帳簿に記載することです。

この時記載される内容は、所在地や広さ、所有者、抵当権が設定されているかどうかといった事柄で、一般に公開されます。このように不動産登記を行い、不動産の正確な情報を記録し開示することで、不動産取引の安全と円滑化を図ることができます。

ここでは、不動産登記の方法と不動産登記を行う必要があるかという点、及び不動産登記が持つ効力について解説していきます。

不動産登記の方法

不動産登記の手続きは、その不動産を管轄する法務局に必要書類を提出することで完了します。

必要書類は、不動産登記の内容によって変わってきます。例えば、不動産を取得した場合の手続きにおいても、必要書類は不動産登記を行う物件が新築か中古住宅であるかによって違いがあります。

①新築物件は「保存登記」をする

新築物件の場合には、登記のない不動産(新築のマンションなど)を初めて登記するため、「所有権保存登記」を行います。

この際、住民票や戸籍の附票、法人の場合は発行後一か月以内の登記事項証明書など、所有者の住所を証明することが可能な書類が必要です。

②中古物件は「移転登記」をする

中古の物件を売買して不動産を取得する場合には、「所有権移転登記」を行います。

この手続きに必要な書類は、買い主側は対象となる物件の売買契約書と、住民票や戸籍の附票、法人の場合には発行後一か月以内の登記事項証明書、そして印鑑証明書が必要です。

また、所有権移転登記の場合には、売り主側にも書類を用意してもらう必要があります。

その書類とは売買する物件の登記識別情報(登記済証)、発行後三か月以内の印鑑証明書、売買を行う年度の固定資産税納税通知課税明細書と売り主の住民票の四点です。

不動産登記を行う際には登録免許税と各必要書類を取得するための費用も必要です。

専門家に不動産登記手続きを依頼する場合には、その報酬も必要です。これらの必要書類を揃えてから、登記申請書と登記原因証明情報を作成し、法務局に申請を行います。

これには法務局へ直接赴く、または郵送で行うという二つの方法があります。

不動産登記は必ず行う必要がある

例えば、投資用のマンション購入の際に下見をしたとき、物件を見ただけでは所有者が誰であるかは分かりません。

また、土地と建物の所有者が別々であるケースも考えられますが、この点も物件を見ただけでは判断できません。しかし、不動産登記という方法で不動産の物理的な現況と所有者は誰であるかといった権利関係を登記しておくことで、誰が正当な所有者であるかを明確にできます。

例えば、不動産投資を行うためにマンションやアパートを購入し、代金を支払ってもそれだけではその物件が自分のものであると法律的に認めてもらうことはできません。不動産登記を行い、不動産の名義変更を行って初めてその物件の正当な所有者としての権利を主張することが可能になるのです。

不動産登記の一部には登記を義務付けられていない部分もあります。しかし、物件の所有者としての権利を主張するために、必ず全ての部分において不動産登記を行うようにしましょう。

不動産登記が持つ効力

不動産登記が持つ効力には、次の三つのものがあります。

①対抗力

対抗力とは、所有権や抵当権などの権利を第三者に対して主張できる効力のことです。ここでは、不動産登記が持つ効力の対抗力について、二重譲渡を例にとって解説していきます。

A氏がある土地を所有しており、その土地をB氏とC氏の二者と売買契約を結んだと仮定します。

このように一つの土地を二人の人物に譲渡することを、二重譲渡といいます。

B氏とC氏の両方が売買契約書を作成し、土地の代金を支払っていたとしても先に不動産登記を行った人物が、その土地の正当な所有者とみなされ、その土地に対する権利を主張できるのです。

これを「抵抗力」といいます。この場合B氏とC氏、どちらが早くA氏と売買契約を結んだかといったことや、どちらが高額の代金を支払ったかは関係ありません。

先に不動産登記を行い、土地の名義を自分の名義に登記した人がその土地の正当な所有者となります。

②推定力

不動産登記の推定力とは、登記された内容が実体的な権利関係において本当のことであると推定される力のことを言います。

不動産登記簿にある土地の所有者がA氏であるとの記載があれば、A氏が所有者であることが推定されます。

別人が自分を正当な所有者であると主張するためには、その人自身が自分で自分が正当な所有者であるということを立証する必要が出てきます。

③確定力

不動産登記の確定力とは、登記が存在する以上その登記を抹消する手続きを行わない限りは、その登記と矛盾する登記を行うことができないという効力のことを言います。

ある物件の売買を行っても、購入者Aは前の所有者Bの所有権を抹消しない限りは、購入者Aを所有者として登記できないということです。

不動産登記簿謄本の取得方法

不動産登記簿謄本の取得方法には、三つの方法があります。ここでは、その三つの方法について解説していきます。

法務局の窓口での取得

法務局が開庁している平日の午前8時30分から午後5時15分の間に、法務局の窓口へ行って不動産登記簿の取得を申請する方法です。

申請書は法務局にあります。申請書に記入をし、窓口へ提出すると不動産登記簿謄本を取得することが可能です。窓口で登記簿謄本を取得する場合には、手数料600円がかかります。

インターネットで取得

近年では、登記簿謄本をインターネットで取得できるようになりました。

インターネットで登記簿謄本を取得できるのは、平日の午前8時30分から午後9時までの時間帯です。登記簿謄本は、「登記ねっと」というサイトから取得の申請を行います。

参考:https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/toukinet/fudosan/fudosan_5.html

受け取り方法は登記所窓口で受け取る方法と、郵送で受け取る方法があり、登記所窓口で受け取る場合の手数料は480円、郵送で受け取る場合の手数料は500円です。手数料の納付方法は、インターネットバンキングかPay-easy(ペイジー)です。

インターネットにより不動産登記簿を取得する場合には、法務局の窓口で申請を行うよりも手数料が安くなるというメリットがあります。また、郵送による受け取りを選択することで、家に居ながらにして登記簿謄本を取得できる点もメリットであるといえます。

郵送での取得

郵送で登記簿謄本を取得する場合には、必要事項を記入した申請書と手数料としての収入印紙(郵便局で購入できます)、それと切手を貼った返信用封筒を同封して、管轄の登記所に郵送します。

このようにして申請を行うと、数日後には登記簿謄本が自宅に郵送されてきます。収入印紙は、登記簿謄本一通あたり600円分が必要です。

不動産登記簿からは何が分かるのか

不動産登記簿を見ることで、どのような事が分かるのでしょうか。ここでは不動産登記簿から分かる事柄について解説していきます。

表題部

表題部は、土地と建物で様式が異なります。

土地の場合は、その土地の所在、番地、地目(土地の現況)、地籍(土地の面積などが記載されています。

建物の場合は、その建物の所在、地番、家屋番号、種類、構造、床面積などが記載されています。

権利部

権利部は、甲区と乙区に分かれています。ここでは甲区と乙区、それぞれの記載内容について解説していきます。

①甲区

権利部の甲区には、その不動産の所有者に関する事項が記載されています。その不動産は誰が、いつ、どのようにして所有権を持つようになったかということが分かります。

②乙区

権利部の乙区には、所有権以外の権利関係に関する内容が記載されています。その権利関係とは、抵当権設定、地上権設定、地役権設定などのことです。

不動産投資を行う場合には必ず目当ての物件の不動産登記簿を見よう

不動産投資を行いたいと思う物件を見つけた場合には、必ずその物件の不動産登記簿を自分で取得して見ておくことをお勧めします。

業者に提示された不動産登記簿が古いものであった場合、現在の物件の状況が提示された不動産登記簿の内容と異なる場合があるためです。また、抵当権が設定されているかどうかを確認することも重要なポイントです。

抵当権が設定されている物件をそのまま購入した場合、その物件に対して抵当権の実行が可能な状態で物件の譲渡が行われてしまうため、この点にも注意しておきましょう。

不動産投資を行う場合の不動産登記のタイミング

不動産投資を行う場合には、どのようなタイミングで不動産登記を行えばよいのでしょうか。ここでは、不動産登記のタイミングについて解説していきます。

投資用物件に抵当権を設定した時

不動産投資を行う際には、銀行などの金融機関から融資を受ける場合は、融資を受ける際に、金融機関がその物件に抵当権を設定します。この抵当権を設定するときに、抵当権設定登記を行います。

不動産投資用ローンを完済した時

金融機関から借り入れた不動産投資用ローンを完済した時に、抵当権抹消登記を行います。

投資用物件を相続した時

投資用物件を相続した時に、不動産相続登記を行います。

不動産登記を行う場合にはだれに頼めばよいのか

不動産登記を行う際には、誰に依頼すればよいのでしょうか。ここでは不動産登記を自分で行う場合と、専門家に依頼する場合について解説していきます。

自分で行う

不動産登記は、自分で行うことも可能です。不動産登記を自分で行うことの最大のメリットは、司法書士への報酬を支払う必要がないという点です。

自分で不動産登記を行うには、申請書に必要書類を添えて法務局の窓口に提出する必要があります。必要書類は登記の内容により異なるので、あらかじめ法務局に問い合わせておくとよいでしょう。

また、法務局の窓口で不動産登記の手続き方法に関する相談をすることも可能なので、分からないことがあったら法務局の窓口で問い合わせてみることをお勧めします。

司法書士に依頼する

不動産登記の内容によっては、必要書類の数が多かったり、申請の内容が複雑であったりする場合もあります。

そのような場合には大変な時間と労力が必要となるため、不動産登記を専門家である司法書士に依頼することをお勧めします。

司法書士は不動産登記だけではなく、供託の代理や裁判所・検察庁・法務局などに提出する書類作成のプロなので、正確かつ迅速に不動産登記を行ってくれます。

不動産登記を行う際に必要な費用はどれくらい?

不動産登記を行う場合には、どの程度の費用が必要になるのでしょうか。ここでは不動産登記を自分で行う場合と、司法書士に依頼した場合に必要な費用について解説していきます。

自分で行う場合

不動産登記を自分で行う場合に必要な費用は、登録免許税と必要書類を取得する時の実費のみかかります。

このうち登録免許税は、行う不動産登記の内容によって金額に違いが出てきます。

売買による所有権移転の場合は不動産の「標準課税額の2%」、相続による所有権移転の場合は不動産の「標準課税額の0.4%」、贈与による所有権移転の場合は不動産の「標準課税額の2%」となっています。

これ以外に必要書類の取得費用が必要となりますが、登記の内容により必要となる書類の種類や数が異なるため、取得費用にも違いが出てきます。

司法書士に依頼する場合

司法書士に不動産登記を依頼する場合には、自分で不動産登記を行う場合の費用に加えて、司法書士への報酬が必要となります。

この司法書士への報酬の相場は、10万円から15万円程度です。相場に5万円も差があるのはおかしいと感じられるかもしれませんが、登記の内容により必要となる労力が異なるため、この程度の金額の幅が出てきます。

まとめ

ここまで、不動産登記について解説してきました。

不動産登記は必ず行うべき事柄であること、不動産登記簿の取得方法と不動産登記簿の内容、不動産登記を行うタイミングやその際に必要な費用などについてお分かりいただけたと思います。

不動産登記は、その不動産に関する権利を主張する際に非常に強い効力を発揮するものなので、不動産投資を行う物件を購入したり、相続したりする際には必ず登記手続きを行うようにしましょう。

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ不動産プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。