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不動産投資管理

不動産投資の価格変動リスクとその対策をわかりやすく解説

八木 チエ
2019/12/12

不動産投資のリスクというと、多くの方は空室リスクを思い浮かべます。しかし不動産投資には、価格変動のリスクもあります。

たとえ空室率を減らして十分な収入を得られても、価格変動のリスクに備えなければ、最終的な損益はマイナスとなる可能性があります。

そこで今回は、不動産投資で注意すべき価格変動リスクの意味や具体例、対策方法をくわしく解説します。

不動産投資における価格変動リスクとは

不動産投資において価格変動リスクとは、文字どおり不動産の価格が変動することで、損失を被るリスクを意味します。

不動産投資では、購入時の価格と下落した時点の価格の差額分が、その時点で売却した場合の損失となります。たとえば3,000万円で購入した不動産が1,800万円まで下落した場合、このタイミングで売却すると1,200万円の損失です。

ただし価格変動リスクが顕在化した場合(不動産価格が下落した場合)でも、不動産を売却しない限り損失は確定しません。つまり再度不動産の価格が上昇すれば、実際的には問題ないのです

また、これまでの不動産投資で得た家賃収入の合計が価格変動分を上回っていれば、赤字になることはありません。

なお不動産には「建物」と「土地」がありますが、建物は築年数が古くなるにつれ価値が下ってしまいますが、土地は価格変動リスクが高くなりやすいと言われています

家賃収入を確保できても、価格変動リスクに備えなくてはいけない理由

この記事を読んでいる方の中には、「ウチは常に部屋が埋まっていて家賃収入をたくさん得られているから、価格変動リスクなんて怖くない」と考える方もいるでしょう。

しかし家賃収入をたくさん得ていても、価格変動リスクには備える必要があります。何故かというと、物件を売却した時点で「家賃収入の合計 < 価格下落分」となった場合、最終的な損益がマイナスとなってしまうからです

たとえば、不動産投資を2年続けて、家賃収入で300万円を得られたとしましょう。ところが景気の急激な悪化を理由に、不動産価格が合計で400万円下がったとします。

この場合、その時点では不動産価格の下落分が家賃収入を上回ってしまうため、100万円の損失となっています。

要するに、家賃収入をたくさん稼いでいるからといって、必ずしも不動産投資が成功しているとは限らないのです。価格変動リスクの度合いが大きいと、たとえ家賃収入をたくさん得られていても、損してしまう可能性もあるのです。

思わぬ損を被らないためにも、価格変動リスクには入念に備えなくてはいけません。

価格変動リスクの要因

では不動産投資において、価格変動リスクはなぜ生じるのでしょうか?一般的に、価格変動リスクには、下記4つの要因があると考えられています。 価格変動リスクの具体的な要因を知りたい不動産投資家の方は、この章でご紹介する内容を参考にしてください。

人口減少などによる土地価格の下落

人口減少などによる土地価格の下落は、価格変動リスクの最たる要因となります。人口が減少すると土地価格が下落するのは、単純にその土地に対する需要が減少するからです

とくに近年は、地方を中心に過疎化の進む地域が多く存在します。こうした過疎化が進む地域では、今後土地価格が大きく下落するリスクがあるので注意です。

ちなみに人口減少以外にも、利便性の悪い場所(駅から遠い・スーパーが遠いなど)も、価格変動リスク(土地価格の下落)の要因となり得ます

つまり人口減少にせよ利便性の低下にせよ、需要のない場所ほど価格変動リスクが高いのです

不景気

需要の減少に関連しますが、不景気も価格変動リスクの最たる要因の一つです。不景気が価格変動リスクの要因となる理由も、一言で表すと需要の低下です。

そもそも不景気の時期は、住む場所を探す際に景気が良い時期と比べてお金をかけることができません。つまり不動産に回せるお金が全国的に減少するため、結果的に地価や住宅価格が下がってしまうわけです

実際にバブルが崩壊した際には、それまで右肩上がりに急騰していた不動産の価格が見事に下落しました。

事件や事故

上記2つの要因と比べると頻度は低いですが、事件や事故も不動産投資で注意すべき価格変動リスクの一つです。

人の命が失われるような事件や事故が起きると、需要の低下により不動産価格が大きく下落してしまいます。とくに注意して欲しいのが殺人事件です。殺人事件が発生してしまうと、新聞やニュースなどで報道される可能性があります。

仮に報道などで広く事件が起こったことが知られてしまうと、現時点で入居している人が引っ越してしまうのはもちろん、それ以降誰も入居してくれなくなる可能性があるからです。そうなると、不動産の価格は急激に下落するでしょう。

建物の老朽化などによる物件価格の下落

価格変動リスクというと、どうしても土地の価格ばかりに注意が集まりますが、物件価格の下落にも注意が必要です。

時間の経過とともに建物が老朽化すると、物件の価格は必然的に下落していきます。また、物件の一部が破損などした場合でも、物件価格の下落に至ります。

こうした物件価格は、土地価格の下落と比べると突発的には発生しないですし、急激には下落しません。そのため、土地と比べると価格変動リスクへの対策を立てやすいです。

「価格変動以外のリスク」に関しては下記でも解説していますので参照してみてください。

関連記事:不動産投資の5つのデメリット!リスクを最小限におさえる回避策も解説

不動産投資で価格変動リスクに対処する方法

先述した通り価格変動リスクは、不動産投資の成功を妨げる重大な問題であり、あらかじめ対処しておく必要があります。この章では、不動産投資で価格変動リスクに対処する方法を4つご説明します。

その土地の人口動態や開発計画などを事前に調べる

不動産投資で価格変動リスクに対処するには、その土地の人口動態や開発計画などを事前に調べる方法が効果的です

現在人口が増加傾向にあれば、今後も人口が増加すると予想されるため、価格変動リスクは相対的に小さいと言えます。

また、今後街の再開発が予定されている場合には、利便性の高まりに伴って人口が増加する可能性が高いです。

なお人口動態や街の再開発計画に関しては、「〇〇(市区町村名) 人口推移(または動態)」や「「〇〇(市区町村名) 再開発(または開発計画)」などと調べることで、土地ごとの人口動態や開発計画を知ることができます

土地の価格変動リスクを抑えたい場合は、人口が増加傾向の地域や、街の再開発が予定されている場所で不動産投資を始めるのがおすすめです

将来的な景気動向を予測する

二つ目にご紹介する価格変動リスクへの対処法は、将来的な景気動向を予測することです。

先ほどご説明したように、景気の変動は価格変動リスクに大きな影響を与えるので、不動産投資を始める前に将来的な景気動向を予測しておくことが重要です。景気を予測する際には、日経平均株価や人口の推移などの指標を調べるのが良いでしょう

価格変動リスクを軽減したい場合には、将来的に好景気となることが予想されるタイミングで不動産投資を始めるのが有効です。

反対に、バブル期のように不動産価格が異常に高騰しているタイミングで始めると、今後景気の悪化により不動産価格が暴落するリスクがあります。

人口の推移などの指標を確認するのはもちろん、現時点での不動産価格の割安感・割高感を見極めた上で行動するのも、価格変動リスクに対処する上では重要なポイントです

中古物件ならば過去に事故や事件がなかったかもチェックする

中古物件を購入する場合、やはり怖いのが事故や事件による価格変動リスクです。購入後の事故や事件は防ぎようがありませんが、過去にあった事件や事故を把握し、対策を講じることはできます

すでに事故や事件が広く知られている場合は、すでに不動産価格が下落しているケースが多く、購入後の価格変動リスクはあまり高くありません。

しかし、広く知られていない場合は、今後消費者に事件や事故が知られることで、不動産価格が下落するリスクが高いです。

思いもよらない価格変動リスクに対処するためにも、あらかじめ事件や事故の有無は必ず確認しましょう

一般的には事故物件の場合は、告知事項の義務付けをされています。自分の物件ではなく、同じマンションで他の物件、周辺物件について知りたい場合「大島てる」というサイトから調べることができます。

定期的に物件の修繕を行う

不動産投資で成功するには、土地のみならず物件の価格変動リスクにも対処しなくてはいけません。物件の持つ価格変動リスクに対処するには、定期的に物件の修繕や修理を行うに尽きます

不動産を購入後、何も手入れしなければ当然老朽化や損壊などがどんどん進み、物件の価格は下がっていきます。ですが定期的に物件の修繕や修理を行えば、物件価格の下がるスピードや度合いを抑えることが可能です。

また修繕は、価格変動リスクのみならず空室リスクの対策としても効果的です。やはり物件の老朽化や損壊が目に見えて顕著だと、よほど安くない限りそこに住もうとは思いません。

逆に定期的に修繕を行い、老朽化や損壊の度合いを小さくすれば、お客さんにとって魅力的な物件となり、空室を防ぐことができるのです。なお価格変動リスクへの対策として有効な修繕は、セルフリフォームで行うのも一つの戦略です。

修繕にコツやスキルは必要であるものの、リフォーム業者に依頼する場合よりも費用を抑えることができるので、不動産投資家にとっては前向きに検討すべき選択肢となります

まとめ

不動産投資において、価格変動リスクは空室リスクと並んで最優先に対処すべきリスクの一つです。

価格変動リスクに対処しなければ、たとえ家賃収入を得ていても、トータルで赤字となるリスクもあるからです。

ただし、一口に価格変動リスクといってもその要因は様々あるため、要因ごとに応じた対策を講じることが、不動産投資では重要となるでしょう。

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ不動産プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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