ビットコインは投資や決済の手段として、この数年で大きな躍進を遂げました。
一方で不動産投資は、株式やFXと同様に旧来から存在する投資手法です。
今回の記事では、ビットコインを活用して不動産投資をするときのそれぞれのメリット・デメリットや、ビットコインによる不動産投資をするときの注意点などについて解説します。
そもそもビットコイン投資とは、一体どのようなものでしょうか?
不動産投資については詳しくても、ビットコインについては、いまいちよく分からないという方は多いと思います。
そこでまずは、ビットコイン投資について最低限の知っておくべき知識をおさらいします。
ビットコイン投資とは、文字通り利益を得る目的で「ビットコイン」に投資する行為を意味します。ビットコインは、実体を持たない通貨である「仮想通貨」の一種です。
ドルやユーロのように経済活動で実際に用いることを目的に作られたため、買い物や商取引で利用できます。
さらに、電子マネーのようにスマホなどを介して買い物を行えたり、個人間で直接お金のやりとりを行えたりする点がビットコインの特徴です。
また、ドルやユーロと同様に、ビットコインも絶え間なく価格が変動しています。この価格変動を利用するのがビットコイン投資です。ビットコイン投資では、購入時価格と売却時価格の差額分だけ利益を得られる仕組みです。
ビットコイン投資は、他の投資手法と比べて下記三つのメリットがあります。
まだまだビットコイン自体が未熟な通貨(技術)であるため、法定通貨と比べると値動きが大きいです。そのため、上手くいけば短期間で大きな利益を得られます。
取引所の種類にもよりますが、ビットコイン投資は少ない資金から始めることができます。
数百円から投資を行える点は、多額の初期費用を必要とする不動産投資とは大きく異なります。
実はビットコインには、発行上限の枚数が2,100万枚と定められており、後から増やすことはできません。将来的に発行上限に近づくにつれて、必然的にビットコインの希少性は高まります。
希少性が高くなるとビットコインの価値自体も上昇するため、保有しているだけで資産が増える可能性があります。
ビットコイン投資で注意すべきデメリットは次の三つです。
価格変動が大きいということは、裏を返すと購入時と比べてビットコインの価格が急落するリスクもあります。
そのため、運が悪いと短期間で大きな損失を被ってしまいます。
ビットコイン自体のセキュリティは問題ないものの、ビットコイン投資を取り扱う取引所のセキュリティは万全ではありません。
取引所がハッキングされてしまうと、ご自身の所有するビットコインを失ってしまったり、信用性の低下からビットコイン自体の価値が下落したりする可能性があります。
現に2019年現在までに、国内外で数多くのハッキング被害が生じています。取引所を介してビットコイン投資を行う際には、ハッキングのリスクも考慮しなくてはいけません。
法定通貨の場合は国家による価値の保証があるため、銀行が倒産した場合には1,000万円までは補填してもらえます。
一方でビットコインには何の保証もないため、取引所が倒産しても1円も補填してもらえません。また、世界的にビットコインに対する需要が減少した場合、価値は0となってしまいます。
ビットコインは、主に投資の対象として見られることが多いです。しかし一方で、ビットコインには取引の決済で用いる通貨としての役割も期待されています。
では、今現在ビットコインで不動産投資は行えるのでしょうか?この章では、ビットコインによる不動産投資の可否や現状について、海外と日本を比較しつつご紹介します。
海外では、ビットコインで不動産投資を行うケースが増えています。
たとえばトルコにある不動産会社AntalyaHomesは、国内の不動産をビットコインで購入できるサービスを提供しています。
実際に2018年には、ビットコインを対価とした不動産取引を9つ行ったとのことです。
また、オーストラリアの大手不動産業者LinzenRealEstateは、オーストラリアのブリスベン近郊に建設する高級住宅について、ビットコインでの販売を行っています。
大手不動産業者がビットコインでの決済を認めたとあって、世界中の不動産投資家の間で大きな話題となりました。
上記はあくまで一例であり、他にも世界中各地でビットコインによる不動産投資を認める事例が増加しています。
今後ビットコインが普及するにつれて、ビットコインによる不動産投資の決済は当たり前となる可能性は十分あります。
参考:https://coinotaku.com/news/articles/32182
海外では不動産投資でビットコインを利用するケースが増えていますが、日本ではビットコインによる不動産投資はまだまだ発展途上です。
これまで日本でも、ビットコインでの不動産購入を認める企業はいくつか存在します。たとえば2018年には、ベンチャー企業のイタンジがビットコインで不動産投資を行える「ヘヤジンコイン」というサービスを始めました。
また、不動産の売買を取り扱う株式会社ケリーバックスは、ビットコインでの決済ができる店舗「ビット不動産」をオープンしました。
ただし前者のサービスは終了している上に、後者のサービスも一般的に普及するまでには至っていません。そのため現時点では、ビットコインを使って不動産を購入することは、まだまだ現実的ではないと言えます。
参考:https://bitdays.jp/news/3559/
ビットコインによる不動産投資は、日本ではまだまだ普及していません。しかし将来的には、ビットコインで不動産投資を行うことがメジャーとなる可能性があります。
そこでこの章では、ビットコインで不動産投資を行うメリットとデメリットをご紹介します。
ビットコインを用いて不動産投資を行うと、以下に挙げる二つのメリットを得られます。
海外の不動産に投資する場合、一度日本円を現地の法定通貨に両替する必要があり面倒です。
一方でビットコインを使えば、現地の通貨に両替する必要がない上に、自宅で不動産取引を行えます。
そのため、法定通貨を使って不動産投資する場合と比べて、手続きを簡便に済ませることができます。
基本的に不動産投資では、書類を取得したり、不動産会社に出向いて契約書に捺印や署名をしたりする必要があります。
一方でビットコインには、今後の技術進歩により、複雑な手続きを経ずに契約書を交わせる可能性が期待されています。
そのため将来的には、ビットコインで簡単に不動産投資を行えるようになるかもしれません。
一方で、ビットコインによる不動産投資には以下二つのデメリットがあります。
ビットコインはまだまだ日本では普及していないため、ビットコインを使った取引で生じる税金や商取引での手続きについては、明確な決まりが定まっていません。
そのため、安易にビットコインで不動産取引を行ってしまうと、意に反する納税漏れや契約違反が生じる可能性があります。
本格的に不動産投資を行う場合、複数の不動産を数ヶ月〜数年おきで購入することもあります。
そのようなケースで問題となるのが、ビットコインの価格が変動しやすい点です。
現金の場合は価値が安定しているため、あらかじめ計画した通りに不動産を購入していけます。
しかしビットコインの場合は価格変動が激しいため、ビットコインの価格下落により不動産を計画通りに購入できないなどのリスクが生じるリスクがあります。
革新的な技術で注目されているビットコインですが、前章でお伝えした通り不動産投資で利用するにはいくつかデメリットもあります。
意に反して損しないためには、二つの点に注意する必要があります。
一つ目の注意点は、税理士や弁護士などの専門家の助力を得ることです。
まだまだ新しい技術である以上、ビットコインによる不動産投資の契約や税金面を個人の判断で行うのは危険です。
税金なら税理士、契約なら弁護士にそれぞれ相談した上で、ビットコインによる不動産投資を行うと安全です。
二つ目の注意点は、ビットコインのみならず現金も活用することです。
前述した通りビットコインは価格の変動が激しいため、現金を全てビットコインに変えてしまうと、不動産投資の計画が狂うかもしれません。
少しでもリスクを減らすためにも、ビットコインのみならず現金でも不動産投資を行うのが良いでしょう。
ビットコインによる不動産投資はまだまだ発展途上ではあるものの、今後将来的には普及する可能性があります。
とくに海外の不動産を購入するときに、ビットコインはとても役に立ちます。
将来のことを考えると、少ビットコインによる不動産投資の知識を持っておいて損はないでしょう。