ログイン

アカウントが未登録の方は新規会員登録してください。

資産形成

不動産投資の利回り相場は5%前後?利回りのチェックポイントも解説

八木 チエ
2020/04/28

不動産投資を検討していると、必ず「利回り」という言葉を目にします。というのも、利回りは不動産投資の収益性を測る重要な指標だからです。

しかし、不動産投資の利回り相場はどのくらいなのか?と疑問に思っている人も多いでしょう。

そこでこの記事では、不動産投資の利回り相場は何%なのか?という点を解説します。

結論からいうと、不動産投資の利回り相場は5%前後ですが、あくまで相場に過ぎません。大事なのは、利回りとリスクの関係性や利回りのチェックポイントを知ることです。

以下より、利回り相場が5%前後である根拠、および利回りとリスクの関係性、利回りをチェックする際のポイントについて解説していきます。

不動産投資の利回り相場はいくつ?

冒頭の通り、不動産投資の利回り相場は5%前後です。

ただ、利回りには種類があり、利回り相場はエリアによっても異なるため、以下を知っておきましょう。

  1. 利回りは3種類ある
  2. 住宅の種類×地域別の利回り相場(東京)
  3. 地方都市の利回り相場

そもそも、投資家は自分自身の収益を公開しているわけではないので、正確な利回り相場は対外的に発表されているわけではありません。

今回紹介する利回りは、日本不動産投資研究所が行った調査を参考にしています。

この調査は不動産賃貸会社や投資銀行など、197社に対して行った調査です。そのため、極めて確からしい数値といえますが、あくまで参考値として認識ください

参考:http://www.reinet.or.jp/wp-content/uploads/2010/10/2019report2.pdf

利回りは3種類ある

利回りは以下3種類あります。

  • 表面利回り=年間収入※÷物件価格
  • 実質利回り=(年間収入-年間経費)÷物件価格
  • 返済後利回り=(年間収入-年間経費-ローン返済額)÷物件価格

※家賃収入や礼金など

上記の計算式からも分かるように、返済後利回り・実質利回り・表面利回りの順番で、より現実的な利回りになります。また、上記は1年間を通して満室だったときの利回りです。

そして、今回不動産投資の利回り相場としている「5%」は、実質利回りの数値になります。なぜ、返済後利回りではなく実質利回りかというと、ローン返済額は借入者によって借入額と金利が異なるからです。

つまり、返済後利回りは人によって全然違う数値になるため、返済後利回りではなく実質利回りで相場を紹介しているというわけです。

住宅の種類×地域別の利回り相場(東京)

次に、利回り相場を住宅種類×地域別で見ていきましょう。東京都では以下の結果となっています。

住宅の種類 エリア 期待利回り 取引利回り
ワンルーム 城南地区 目黒区・世田谷区 4.2% 3.9%
城南地区 墨田区・江東区 4.5% 4.1%
ファミリー向け 城南地区 目黒区・世田谷区 4.3% 4.0%
城南地区 墨田区・江東区 4.5% 4.2%

期待利回りとは、投資家が期待する利回りのことです。一方、取引利回りとは実際に取引した利回りになります。

つまり、ここで注目すべきは取引利回りの数値です。上記のように、東京に限定すると利回り相場は4%前後といえます。

参考:http://www.reinet.or.jp/wp-content/uploads/2010/10/2019report2.pdf

地方都市の利回り相場

次に、地方都市で不動産投資したときの利回り相場は以下の通りです。

地区 ワンルーム ファミリー向け
札幌 5.5% 5.7%
仙台 5.5% 5.7%
さいたま 5.2% 5.4%
千葉 5.3% 5.4%
横浜 5.0% 5.0%
名古屋 5.0% 5.2%
京都 5.2% 5.3%
大阪 4.9% 5.0%
神戸 5.2% 5.3%
広島 5.7% 5.9%
福岡 5.1% 5.3%

このように、東京以外のエリアだと利回りは少々高くなり、5%~6%程度になります。

ただし、上記は取引利回りではなく期待利回りです

前項で解説した、東京都の物件における期待利回りと取引利回りを見ると、取引利回りは期待利回りよりも若干低くなります。

その点を踏まえ、上記の期待利回りを取引利回りに換算すると、平均で5%台前半まで下がるでしょう。

そのため、不動産投資の利回り相場は4%台~5%台前半。つまり5%前後というわけです。

なお、地方の利回りが東京よりも高いのは、物件価格が東京よりも安いからです。ただ、物件価格ほど家賃は下がらないので、利回りは高くなります。

ここまでで、不動産投資の利回り相場が5%台である根拠が分かったと思います。

参考:http://www.reinet.or.jp/wp-content/uploads/2010/10/2019report2.pdf

利回りは何%が適性か?リスクとリターンを見極める

次に、そもそも利回りは何%が適性なのか?という点を解説します。

一見、利回りは高い方が良いと思うかもしれません。しかし、利回りが高いとリスクも高くなります。

そのため、利回りの適正値を知るためには、自分の投資スタイルを見極めることと、リスクのチェック方法を知ることが大切です。以下より詳しく解説します。

利回りとリスクは連動している

まず、利回りとリスクが連動している点を詳しく解説します。

利回りとリスクが連動しているとは、利回りが高いとリスクも高く、利回りが低いとリスクも低いということです。

たとえば、利回りが高いということは物件価格が安いということです。この点は、実質利回りの計算式「(年間収入-年間経費)÷物件価格」を見れば分かります

そして物件価格が安い理由は、物件に何かデメリットがある場合が多いです。

仮に、「築年数が古い」というデメリットがあれば、「空室率が高い」「修繕費用が高くなる」などのリスクがあります。

つまり、物件価格が安く利回りは高いものの、空室リスクや修繕費上昇リスクが高いということです。

逆に、利回りが低いということは物件価格が高く、物件価格が高いということは上記のようなリスクが小さい物件です。

このように、利回りとリスクは連動しているため、必ずしも利回りは高い方が良いというわけではありません。

自分の投資スタイルによって適正利回りは異なる

前項のように、利回りとリスクは連動しています。

そのため、自分の投資スタイルによってどの程度の利回り、言い換えるとリスクを許容するかは異なります。

自分の投資スタイルとは、大きく分けて以下3通りです。

  1. 高利回りを重視する
  2. 安定性を重視する
  3. 安定性を重視しつつ収益が欲しい

つまり上記①~③のうち、どのスタイルで不動産投資するかによって適正利回りは異なるということです。

①高利回りを重視する

1つ目は高利回りを重視するパターンです。

この場合、多少リスクがあっても「高利回り」を重視するため、地方の築古アパートのような物件を購入することになります。

なぜなら、上述したように東京よりも地方の方が利回りは高いからです。その上、築古物件の場合は購入価格がさらに安価なので、利回りもさらに高くなります。

エリアによって利回りは異なりますが、利回り10%以上の物件もあります。

ただし、このような高利回り物件は空室リスクが高く、修繕費用や原状回復費用など予期せぬ支出が多くなる傾向にあります。

②安定性を重視する

2つ目は安定性を重視するパターンです。

この場合、多少利回りは下がっても良いので安定性を重視します。そのため、都心、もしくは地方でも中心部に近いエリアで物件を購入することになります。

なぜなら、都心や地方の中心部は人口(賃借人)が多いため、賃貸需要が安定する傾向にあるからです。ただし、そのようなエリアは物件価格が高いことで利回りは低くなるため、前項の「高利回り物件」ほどの収益は望めません。

また都心や地方の中心部でも、エリアによっては賃貸ニーズが低いため、エリア選びは慎重に行う必要があります。

安定性を重視する場合の利回りは、上述した利回り相場並の5%前後が適性でしょう

③安定性を重視しつつ収益が欲しい

3つ目は安定性を重視しつつ収益が欲しい。つまり1つ目と2つ目のメリットを合わせたような物件です。

この場合、安定性を重視するため、物件を購入するエリアは都心や地方の中心部になります。

そして、家賃収入が高く空室リスクを低くするために、物件は新築か築浅の一棟物件が良いでしょう。

ただし、新築や築浅の一棟物件を都心や地方の中心部で購入すると、物件価格は非常に高額になります。そのため、このような物件で不動産投資する場合は、初期費用が高くなる点には注意が必要です。

また、一棟物件は部屋数が多いため、空室が多くなると支出も高額になります。その対策のために、ある程度手持ち資金を確保しておく必要がある点にも注意が必要です。

安定性を重視しつつ収益が欲しい場合の利回りは、上述した利回り相場並の5%前後が適性でしょう。

期待利回りを意識しつつリスクを見極める

このように、大きく分けて3つの投資スタイルがあります。

3つの投資スタイルに共通して重要なことは、上述した期待利回りを意識して、その数値を目安にすることです。

つまり、利回り10%がそもそも高い利回りなのか、低い利回りなのかを判断するときに、上述した利回り相場と照らし合わせます。

そうすると、利回り10%は相場よりも高い利回りのため、リスクも大きいことが推測されるというわけです。

このように、期待利回りを意識しつつ、次章で解説する点をチェックして物件を見極めましょう。

「利回りの考え方やシミュレーション」に関しては下記でも解説していますので参照してみてください。

関連記事:→不動産投資は利回りがすべて! 利回りの考え方、目安、シミュレーションまで徹底解説します

不動産投資の利回りでチェックすべき3項目

ここまでで、利回りとリスクの関係や、投資スタイルによって適正利回りが異なる点が分かったと思います。

次に、投資物件を実際に選ぶとき、利回りについてチェックすべき以下項目について解説します。

  1. 家賃が適性かどうか
  2. 見込み経費に漏れがないか
  3. 長期スパンでのキャッシュフロー

家賃が適性かどうか

1つ目のチェック項目は家賃が適性かどうかです。具体的には、以下の方法で適正家賃を調べます。

  • 周辺で募集中物件の賃料を調べる
  • 不動産会社へヒアリングする

自力で周辺物件の賃料を調べつつ、不動産会社へヒアリングしましょう。というのも、自力では現在ネットで募集している物件しか見られないからです。

一方、不動産会社へヒアリングすれば、過去の物件を踏まえて適性家賃が分かります。

見込み経費に漏れがないか

2つ目のチェック項目は、見込み経費に漏れがないかという点です。

なぜなら、実質利回りは「(年間収入-年間経費)÷物件価格」という計算式だからです。

つまり、年間経費の見込みがそもそも間違っていれば、実質利回りは大きく狂います。

そのため、まずは不動産投資ではどのような経費がかかるかを理解しましょう。その上で、不動産会社が提示する「実質利回りの根拠」となった経費をチェックします。

そうすれば、見込み経費が確からしいかどうか判断でき、利回りを見極める精度が上がります。

長期スパンでのキャッシュフロー

3つ目のチェック項目は長期スパンでのキャッシュフローです。キャッシュフローとは、各年のお金の流れが分かる資料です。

まず、キャッシュフローをチェックする理由は、実質利回りでは分からない「将来発生する可能性がある経費」が分かるからです。

不動産投資をしていると、数年ごとに原状回復費用がかかってきます。また、10年単位で見ると給湯器をはじめとした水まわり設備の交換費用がかかってきます。

しかし、このような将来的にかかる費用は、実質利回りに含めません。そのため、長期スパンでキャッシュフローを作り、将来に渡り収益を生み出せる物件か見極める必要があるのです。

利回りに関しては、この3つの項目をチェックすることが重要なので、物件選びの際は意識しましょう。

まとめ

このように、不動産投資の利回り相場は5%であるものの、投資スタイルによって適正利回りは異なります。

また、物件選びをするときは「家賃が適性かどうか」「見込み経費に漏れがないか」「長期スパンでのキャッシュフローの策定」が重要という点も覚えておきましょう。

このような点を知るためには信頼できる不動産会社をパートナーにする必要があるため、物件選びは「不動産会社選び」も重要になります。

そのため、まずはセミナーなどへ参加して、信頼できる不動産会社選びから始めることが重要です。

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ不動産プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

関連コラム