融資・ローン

住宅ローン自動審査アプリとは?一歩先をゆく不動産投資の始め方

2021/12/31
住宅ローン自動審査アプリとは?一歩先をゆく不動産投資の始め方

近年、AIやオンラインサービスを活用した不動産投資が注目を集めています。しかし、今までのローン審査は煩雑であり、プロセスの不透明性が指摘されてきました。ではITの発展に伴い、どのような変換があったのでしょうか?

本記事は、アプリを用いた住宅ローンの自動審査について解説しています。ご興味がある方は、ぜひ最後までお付き合いください。

住宅ローン自動審査アプリとは?

住宅ローン自動審査アプリとは、ローンの事前審査や審査状況の確認をアプリから簡単にできるサービスのことです。申し込み内容の入力や必要書類のアップロードをしていただきながら、住宅ローンの審査を申し込みが可能です。

次から、アプリの詳しい特徴をみていきましょう。

オンラインでの申し込み

オンラインでの申し込みが実現し、24時間いつでもどこでもローンのお申し込みができるようになりました。インターネットだけでの手続きは不安な方も、返済プランや借り入れのご相談をメッセージや電話からすることができます。

  • 「仕事が忙しくて時間がない」
  • 「コロナ禍での外出が不安」 

という方でも、安心してご利用いただけるサービスです。

リアルタイムでの進捗管理が可能

アプリを提供する不動産投資会社が住宅購入者と金融機関の取りまとめ役となり、リアルタイムでプロセスの進捗管理の情報をお知らせします。アプリによっては、申し込み受付や売買契約日などの連絡を、メールやSNSを通して把握可能です。「審査の進み具合」が即時的にわかり、重要な事項も自動的にリマインドしてもらえます。

審査プロセスの見える化

審査や手続きのクラウド化により、「いつ」「誰が」「何を行なったか」を記録し、住宅購入者・不動産会社・金融機関などの関係者が共有できます。また、変更内容は適宜記録されるため、透明性の高い審査が可能です。関係者間のアクセスログを保持し、お互いに不正アクセスがないかも定期的にチェックできます。

必要書類のクラウド管理

不動産投資には多くの書類が必要です。例えば、次のような書類があげられます。

【不動産投資の融資で必要な書類】

  • 身分証明書・印鑑登録証明書・住民票・健康保険証
  • 所得を証明するもの(確定申告書・直近3ヵ月の給与証明書・源泉徴収書など)
  • 納税証明書
  • 勤務先の会社概要・職歴書
  • 賃貸契約書・支払通帳・既存ローンの返済予定表
  • 物件概要書
  • 家賃のレントロール(物件の賃貸契約状況を一覧できる書類)
  • 売買契約書
  • 重要事項説明書
  • 登記事項証明書(登記簿謄本)
  • 公図(土地の大まかな位置や形状を表した図面)
  • 建築確認済証
  • 団体信用生命保険申込兼告知書
  •  なお法人の場合は、これらの書類に追加で決算書や事業計画書などの準備も必要です。このような膨大な必要書類を自分だけで管理するのは大変ですが、クラウド上で管理できると、関係者間で共有や書類の半自動作成も可能です。

濃密な不動産情報元の活用

サービスの種類によっては、不動産投資会社の物件データベースの連携が可能です。濃密な不動産情報元を活用し、お客さまに向けた物件の画像や近隣のデータを金融機関とも共有できます。これらのデータは必要書類に自動的に記入され、業務の効率化記入ミスの防止にもつながります。

住宅ローン自動審査アプリが提供される背景

住宅ローンが自動的に審査できるアプリの基本的な概要が理解できたところで、この章ではアプリが提供される背景を解説します。

不動産取引のデジタル化

1つ目の背景は、テクノロジーの介入に伴う「不動産取引のデジタル化」です。金融業界を中心に、今までIT化が十分に進んでいない領域におけるテクノロジー化が進んでいます。不動産の領域においても、海外ではすでに不動産のテクノロジー化に大きな期待が寄せられている現状があります。

 日本においては、国土交通省によるITを活用した重要事項説明の実証研究を実施し、一定の成果が得られました。また、売買領域でも社会実験はスタートされています。今後はさらに不動産取引のオンライン化が加速するといわれています。

金融機関のコスト削減

2つ目の背景は、ペーパレス化やAIの活用に伴う「金融機関のコスト削減」です。近年、FinTech企業の参入やサービスの多様化により、金融機関は付加価値の高いサービスの提供が求められています。ニーズに沿うために、コストを削減してより質の高いサービスの提供が必要です。アプリの活用は、IT技術へ労力とお金を投じるうえでのニーズとマッチしている取り組みといえます。

情報やプロセスの可視化

3つ目の背景は、公正な取引のための「情報やプロセスの可視化の必要性」です。投資の不正融資の問題を発端として、不動産運用の透明性が問題とされるケースがありました。

しかし、不動産サービスのテクノロジー化により、情報やプロセスの客観性の強化が信頼性の回復に寄与しているといわれています。今までアナログ感の強かった不動産の領域をITの介入によって、監視の強化や情報の見える化によって、透明性の高い投資を安心して実現できるようになっています。

住宅ローンと不動産投資ローンの違い

住宅ローンと不動産投資ローンは金融機関からの融資の借り入れ目的や融資金額などが異なります。両者で相違する項目は次の表の通りです。

比較項目不動産投資ローン住宅ローン
借り入れ目的事業収益自宅としての利用
返済原資毎月の家賃収入毎月の給与収入
融資金額の目安年収に対して約10〜20倍年収に対して約5~8倍
融資金利の目安高い水準低い水準
年齢制限条件により70歳以上も可能一般的に79歳まで
返済期間建物の耐用年数による一般的に25年〜35年
融資の審査内容物件の収益性と個人の返済能力個人の返済能力
法人名義での契約不可

原則として、住宅ローンを用いての不動産投資は認められていません。ただし、賃貸併用住宅、転勤や家庭の事情などやむを得ない事情がある場合、例外的に住宅ローンの利用が認められるケースもあります。

住宅ローンの自動審査アプリのメリット

特徴や背景が理解できたところで、次はメリットについてです。アプリの利用によって実現する代表的なメリットを2つみていきましょう。

煩雑な手続きが不要

ローンの申し込みから審査・手続きまでをクラウド上で一括して行うため、煩雑な手続きに時間と労力を費やす必要はありません。お客さまはネット上で必要項目を入力し、ローンの審査を申し込むだけで、あとは自動的に審査や不動産登記の依頼などもしてもらえます。書類の郵送や、わざわざ特定の場所に赴く必要がないため、より効率的に進められます。

投資利回りの向上

お客さまがアプリを利用していただけると、融資の審査をする金融機関は事務コストの削減や案件数の増加が可能です。そして金融機関がアプリを活用している不動産投資会社への優遇を通し、間接的にお客さまの投資利回りの向上へと還元できます。お客さまはアプリを利用するだけで、利回りの良い条件での投資が期待できます。 

Web上でできるローンの自動審査

最後に、Web上で利用できるローンの自動審査サービスをご紹介します。ご自身の状況やニーズにあわせてぜひお役立てください。

株式会社GA technologies「Mortgage Gateway」

国内初となるオンラインで住宅ローンの融資を申し込みや審査手続サービスを提供しています。審査手続きによる業務時間を削減し、透明性の高いプロセスをクラウド上で共有可能です。

モゲチェック「不動産投資ローン借り換えサービス」

Web上でローンを見直して利回りアップができるサービスです。WEB診断としてプロフィールと保有不動産情報を入力すると、物件ごとの借り換えのメリットをチェックができます。なお、アプリからのご利用も可能です。

まとめ

今回は住宅ローンを自動審査できるアプリの特徴やメリットなどについて解説しました。要点は次の通りです。

  • 住宅ローン自動審査アプリとは、ローンの事前審査や審査状況の確認をアプリから簡単にできるサービス。
  • ローンの煩雑な手続きが不要で、投資利回りの上昇が期待できる点がメリット。

住宅ローンの自動審査のIT化は技術の進化やニーズに伴い、今後も発展すると予測されています。オンライン上でできる不動産サービスに興味のある方は、本記事でご紹介したサービスをぜひチェックしてみてください。

関連記事

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ(不動産投資)プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

関連コラム