不動産投資とは

老後資金は万全ですか?マンションへの住み替えや不労所得を得るポイント

2021/03/01
老後資金は万全ですか?マンションへの住み替えや不労所得を得るポイント

「年金だけで生活するのは不安」と、不動産投資で不労所得を得ることを期待されている方は多いのではないでしょうか?

しかし正しい知識をもたずに住み替えをすると、逆に多重ローンにより生活が苦しくなったり、予期せぬトラブルに発展したりするのではと不安な方も多いでしょう。

本記事は、老後を見据えて一戸建てからマンションへの住み替えをご検討の方に向け、不労所得を得るポイントを解説します。

老後のマンション住み替えについて|不労所得のニーズが高まる背景

「人生100年時代」という言葉を、一度は耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか?

「人生100年時代」とは、「100歳まで生きるとしたら80歳を過ぎても働く必要がある」という意味の、経済学者のリンダ・グラットソン氏による言葉です。

厚生労働省の発表によると、2020年の日本の平均寿命は男性が81.41歳、女性は87.45歳と徐々に伸びています。また100歳以上の人口は初めて8万人を突破し、50年連続で増加傾向です。

老後生活は必ずしも現在の延長線上にあるわけではなく、心身の衰えに応じて状況は変化するといわれています。

例えば、現在の住まい(戸建て)を賃貸として貸し出し、新しい住まい(マンション)へと住み替える選択肢です。

「子どもが居なくなって使っていない部屋が多い」「年齢を重ねて庭の管理が苦痛になった」など、戸建て特有のデメリットをマンションへの住み替えによって解決できます。

また、「年金だけでは老後の生活費が不十分ではないか」と不安な人も、現在の戸建てを賃貸に出すことにより、不労所得を得ることが可能です。

このように、年齢を重ねるなかで生じる老後のライフプランを考慮するために必要となる具体的な要素として、動産投資による不労所得を得る老後のライフスタイルに注目が集めています。

老後にマンションへ住み替えるメリット

では老後にマンションへ住み替えるメリットとは一体何なのでしょうか?具体的な利点をみていきましょう。

老後資金となる不労所得が得られる

不動産経営をして不労所得を得られるため、年金にプラスして家賃収入を得ることが可能です

「年金だけで老後の生活が不自由なく送れるか不安」という方も安心です。

老後に適した生活ができる

老後を前に今と将来の生活に合わせた住居環境への住み替えは、これから数十年の暮らしやすさにつながります

若い頃は苦痛に感じなかった物事が、年齢を重ねるごとに億劫になるケースは多いものです。

例えば、戸建てだと広い庭の手入れや冬の雪かきなど、足腰が弱って処理できなくなる場合があります。築浅物件はバリアフリー、浴室暖房など生活が楽になる設備環境が期待できるため、健康面においても安心して生活可能です。

また住み替え先を選ぶことにより、「できるだけ子どもの近くに住みたい」という望みをかなえることもできます。

相続税対策になる

現金を不動産に変えると、財産としての評価が下がるため、相続税を引き下げることができます

相続税は相続する財産の評価額から基礎控除額を差し引き、相続税率をかけて計算可能です。評価額が低いと支払う税金が少なくなり、節税効果が期待できます。

生命保険の代わりとしての役割を期待できる

不動産の投資資金を調達する際の手段として不動産投資ローンを利用する場合、「団体信用生命保険」に加入することがあります。

団体信用生命保険に入ると、万が一契約者が死亡しても残高の全額が保険から返済可能です。予期せぬ状況にあってもローンのない不動産を家族に残せるため、生命保険の代わりとしての役割を期待できます

老後の住み替え先としてマンションを選ぶ際のポイント

老後にマンションへ住み替える際、どのようなポイントに着目すれば良いのでしょうか?代表的な4点を解説します。

間取りのよさ

多くのマンションは、エントランスやエレベーターなどの共有スペースはバリアフリー化されています。

居室内の廊下やトイレなどのスペースや生活動線などもあわせて確認することが重要です

年齢を重ねると、身体の自由がきかなくなる可能性があります。万が一車イスでの生活となっても生活に不自由しないよう、全て引き戸になっているかもあわせてチェックしてください。

立地の利便性

着目すべき立地条件として、次のような例があげられます。

【ポイントとなる立地条件】

  • 交通機関(最寄り駅やバス停)が利用しやすい立地か?
  • スーパーマーケットや銀行、医療機関など生活に必要な施設が充実しているか?
  • 万が一の際に頼れる子どもが近くに住んでいるか?

老後は足腰が弱くなり、今までは当たり前にできていた物事ができなくなる可能性があります。

運転免許証を返納することになっても不自由なく生活でき、頼れる人がそばにいる環境を選ぶことが重要です。

セキュリティ性の高さ

着目すべきセキュリティ性として、次のような例があげられます。

【ポイントとなるセキュリティ性】

  • オートロック機能
  • 防犯カメラ
  • モニター付きドアホン
  • エレベーター内の防犯システム
  • エントランスの防犯システム

独居老人を狙った犯罪もあるため、侵入口が多い戸建てよりもマンションの方がセキュリティ性は高いといわれています。また、マンションは人と人との距離が近く、穏やかや見守りの状態が期待できます。

資産価値の高さ

住み替えとしての物件を購入後に介護が必要となり、老人ホームへ入居となった場合、物件の管理者は子どもへと引き継がれます。また亡くなった後は、遺産として子どもが物件を売却したり賃貸物件として不動産運用したりする可能性を含め、物件の資産価値を考慮することが必要です。

老後のマンション住み替え|不労所得を得るまでの手順

老後に現在住んでいる一戸建ての住居から、マンションへ住み替える場合の手順を解説します。

1:今後の人生プランの洗いだし

まず定年後のことをイメージしながら、人生プランを洗いだします。

例えば、60代での住み替えの場合、通勤や子どもの養育環境などは、優先順位の低い条件かもしれません。「誰とどこで住みたいのか?」「どのような要素を重視するのか」を念頭におきながら、住居の選別をしましょう。

2:今の住まい(一戸建て)の賃貸収入を試算する

次に、今の住まい(一戸建て)を収益用物件として活用する場合の家賃収入を試算します。

同時に「今の家がいくらで売れるか」だけでなく「将来的にどのくらいの収益が期待できるか」も計算できると、余裕をもって返済できる住宅ローンの借入額を把握可能です。

3:新しい住まい(マンション)の予算を立てる

最後に、住み替え先となるマンションの予算を立てます。

家を賃貸とした場合の金額と無理なく拠出できる自己資金を加算した場合、住み替えの予算よりも大きいかどうか確認してください。現状を考慮できると、具体的な予算がわかります。

今の住まいを賃貸物件にして不労所得を得る際の注意点

老後の賃貸経営に際して、メリットだけでなく注意すべき点もあります。

例えば、次のようなポイントです。

【老後の賃貸経営の注意点】

  • 空室率が高く、利益が出ない可能性
  • 管理費や維持費が増大する可能性
  • 地震や台風などの自然災害によるリスク

これらの注意点は、自主的な投資知識のアップデートや資金計画の見直しによって対策できます。

業者任せにせず、老後資金を投入しすぎないことが重要です。ご不明な点は、不動産のプロにぜひご相談ください。

老後のマンション住み替えで適用できる税金特例

最後に老後の住み替えで適用できる税金特例を紹介します。

知っているだけで予算計画が大きく異なるため、ご自身の希望と照らし合わせながら確認しましょう。

【住み替えで適用可能な税金特例】

  • 固定資産税の減税:住宅を新築した場合、固定資産税額の2分の1が数年間減額
  • 不動産取得税の減税:新築(もしくは中古)住宅を取得した際の税金が減額
  • 住宅ローン控除:住宅ローンを組むと最高で400万円が所得税や住民税から控除
  • 特定住居用財産の買い替え特例:要件に当てはまるマイホームを買い替えた場合は譲渡益に対する課税が繰り延べ可能

税金の特例が適用できるかどうかは、年度によって要件や内容が変動する可能性があります。住み替えのタイミングによっては、特例が適用できない場合もあるため、ご注意ください。

まとめ

老後の住み替えは計画性とタイミングがポイントです。

使える減税制度をうまく活用することでかしこい老後生活をスタートできます。

本文をまとめるとこのようになります。

  • 日本の平均寿命は年々増加傾向にあり、80歳以上になっても働かないと老後生活が送れない可能性がある。
  • 老後のマンションへの住み替えのポイントは、「間取り」「立地」「セキュリティ性」「資産価値」。

老後投資はメリットだけでなくいくつかの注意点があります。ご自身の老後のライフプランで投資が可能か詳細を知りたい方は、不動産経営の専門家にぜひご相談ください。

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八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ(不動産投資)プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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