不動産投資物件選び

北海道・札幌市で不動産投資を行うために知っておきたいポイント

2022/03/09
北海道・札幌市で不動産投資を行うために知っておきたいポイント

札幌市は言わずと知れた北海道の都市のひとつで、観光地としても大変有名な市です。

近年では国内のみならず、国外からの旅行者も増えているので観光業に携わる人たち向けに賃貸住宅の需要の増加が見込まれています。

この札幌市で今後不動産投資を始める場合には、どのようなポイントを押さえておく必要があるのでしょうか。

ここでは、札幌市の現状と不動産投資を行うにあたって知っておきたいポイントについて解説していきます。

札幌市の特徴

札幌市は196万人の人口を擁し、全国に20ある政令指定都市の中でも4番目の規模を誇る都市であり、北海道政治や経済、文化の中心地となっています。

面積は東京23区の2倍弱である約1,121平方キロメートルもあり、非常に広い市となっています。

北海道の道央地方にある広大な石狩平野の南西部に位置し、北海道庁の所在地でもあります。札幌市の西部と南部には自然豊かな山地が広がり、大都市と調和しています。

札幌市はケッペンの気候区分によると亜寒帯気候に属していて、梅雨がない点が気候上の大きな特徴です。

有名なイベントには「さっぽろ雪まつり」があり、毎年2月上旬には大通公園に巨大な雪像が立ち並びます。またウインタースポーツや、スープカレーやジンギスカンなどの各種グルメも有名で、観光地としても非常に人気の市となっています。

雪が多く累計降雪量は600cmもありますが、降雪時には道路の除雪作業やと凍結路面対策が行われるためその影響は限定的となります。

また、札幌市中心部には地下街や地下道が発達しているため、積雪の影響を受けることなく徒歩での移動が可能です。

知っておきたい札幌市のデータ

ここでは札幌市で不動産投資を行う上で知っておきたい人口推移、公示地価、家賃相場について解説していきます。

人口推移

国勢調査によると、北海道全体の人口のピークは1995年の約569万人となっており、そのうち176万人が札幌市に居住していました。

それ以降人口は北海道全体で緩やかに減少していますが、札幌市の人口は増加を続け、現在では北海道の総人口の三分の一が札幌市に集中しています。

札幌市の人口は一時、200万人を超えたこともありましたが、令和2年4月現在では約196万人となっており、ゆるやかな減少傾向が続いています。

しかし、札幌市を区ごとに見てみると、人口が増加しているエリアもあるため、そのようなエリアを狙って不動産投資を行えば、失敗のリスクを低く抑えることも可能です。

札幌市の人口減少とともに世帯数も減少傾向にありますが、そのペースは人口減少のペースよりさらに緩やかで、2030年まではほぼ横ばいのペースであると予想されています。

公示地価

札幌市の令和2年現在の公示価格は15万5422円/㎡となっており、これを坪単価に直すと51万3793円となります。

公示価格の変動率は8.01%となっており、変動率のランキングは日本全国47都道府県中25位となっています。

この公示価格の上昇理由は、インバウンドの増加により中央区の商業地を中心にホテルやマンションが多く新築されたことが要因となっています。

家賃相場

札幌市の家賃相場は単身者向けのワンルームまたは1Kの物件で3.39万円、ファミリー層向けの2LDKまたは3DKの物件で6.21万円となっています。

この家賃相場は札幌市全体のものであり、札幌市のエリアによって家賃相場にばらつきがあります

札幌市で不動産投資を行う場合のメリットとデメリット

全ての物件において一番家賃相場は高額なエリアは、札幌市中央区です。

札幌市で不動産投資を行う場合には、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

ここでは、札幌市で不動産投資を行う場合のメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。

メリット

札幌市で不動産投資を行う場合のメリットには、次のようなものがあります。

①人口の流入により区によっては今後も人口増加が見込めるエリアがある

北海道全体や札幌市のみを見ても、人口は減少傾向にありますが、その札幌市の中をさらに区に分けてみてみると、人口が増加しているエリアがあります。

このようなエリアでは当然賃貸住宅の需要の高まりが期待できるため、不動産投資を行う上において大きなメリットとなります。

②インバウンドの集客力がありそれに伴い賃貸物件の需要の高まりが予想される

札幌には観光名所やグルメなどが多くあり、その影響で近年増加している外国人観光客、いわゆるインバウンドが増加しています。

そのため観光業界の成長が活発で、そこで働く人も増えてきているためそのような人たちの中でも賃貸住宅の需要が高まっています

③雪かきなどの手間を減らすためにマンションなど集合住宅の需要が高い

札幌市は、前述したように累積降雪量が600cmにも及びます。

そのため賃貸住宅であっても一戸建てであれば自分で雪かきを行う必要があります。

その点、マンションなどの集合住宅であれば雪かきなどの雪対策を管理会社が行ってくれるため、賃貸物件の場合でも集合住宅に人気が集まりやすくなっています

④本州の政令指定都市と比べて地震や台風などの自然災害のリスクが低い

北海道は本州と異なり、地震や台風の自然災害リスクが非常に低いエリアとなっています。

そのため、自然災害によって所有している収益物件が大きく損壊してしまうリスクが非常に低くなっています。

デメリット

札幌市で不動産投資を行う場合のデメリットには、次のようなものがあります。

①雪国独特の設備が必要なため収益物件自体の価格が高額になる

札幌市は政令指定都市に指定されるほど都会ではありますが、それでも雪国であることには変わりありません。

収益物件にも雪国独特の設備を設置する必要があります。具体的にはロードヒーティングや二重サッシなどです。

②管理業者に管理を委託する場合管理費が高額になる

札幌市で不動産経営を行う場合に管理業者へ物件の管理を依頼する場合、他の地域と比べて管理料が高額になる傾向があります。

その理由は、他の都市では必要ない雪かきなど雪対策の業務の管理会社が行うためです。

③雪や寒さによる収益物件の設備の破損の恐れがあり修繕費が高額になることも

中古の収益物件を購入する場合、雪や寒さによりその物件が築年数と比較して劣化が進んでいないかしっかりと確認しておくことが重要になります。

札幌市に限らず雪国の物件は、雪や寒さにより設備の劣化や破損が早いこともあるからです。

収益物件購入前に、物件の設備の状態をよく確認しておかないと、購入後に多額の修繕費が必要になることも考えられます。

札幌市で不動産投資を行うのにおススメのエリア

札幌市全体を見ると、人口は減少傾向にあるため不動産投資に向かないと考える人もいるかもしれません。

しかし、札幌市で今後不動産投資を始めるのにおススメのエリアは存在します。ここでは、そのおススメのエリアを紹介していきます。

中央区

札幌市で不動産投資を行う場合に、おススメのエリアは中央区です。

華やかな都心部であり碁盤の目のように整備された街並みが魅力のこのエリアは、人口が増加しています

このエリアには、主要な公官庁を始め多くの企業や商業施設、文化施設が立ち並んでいると同時に、自然環境も整い歴史的建造物も多いため、観光客が多く訪れます

中央区の治安やイメージも非常に良いため、札幌市の住みたいまちランキング1位になっています。

オフィス街であるため単身者用物件の需要が多いと考えられがちですが、子育て支援にも力を入れている区であるため、ファミリー層にも人気があります。

このように、単身者・ファミリー層を問わず人気が高い中央区ですが、地価の上昇率が高いため、他のエリアと比べて収益物件の購入価格が高額になりやすい点に注意が必要です。

北区

北区は札幌市内に10ある区の中で最も人口が多く、28万人が生活しています。

地下鉄やJRはもとよりバスの本数も多いため、札幌駅まで非常にアクセスが良い区となっています。自家用車で移動する場合には札幌北インターがあるため、小樽や旭川、新千歳空港までもスムーズにいくことが可能です。

北海道大学札幌キャンパスや藤女子大北16条キャンパスなどの大学があり、一人暮らしをする大学生向けの賃貸住宅の需要が高いエリアです。

また、これらの大学で働く人やその家族向けの賃貸住宅も人気があります。

幅広い層の住民が「治安が良い」という評価を下していて、住みやすさには定評がある区です。家賃に対して広い間取りの物件が比較的多いという点が、北区の賃貸物件の特徴となります。


都心で不動産投資をお考えの方は下記でも解説していますので参照してみてください。

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札幌市で不動産投資を行う際の注意点

札幌市で不動産投資を行う際に注意するべき事とは、どのような事なのでしょうか。

ここではその注意点について解説していきます。

雪国独自の方法で他の物件との差別化を図る必要がある

収益物件を選ぶ場合には、まず何より雪国の寒さを凌ぐことができる対策がしっかりとられた物件を選ぶことが重要です。

また、近年では北海道でも夏の暑さが厳しくなり、室内にいても熱中症になってしまう恐れもあります。

エアコンが設置されているなど、他の物件と差別化を図ることができる設備が整った物件を選ぶようにしましょう。

雪国であるため他の地域に比べて修繕費が嵩む

札幌市は降雪量が多いため、雪に対する対策が整った物件を選ぶ必要があります。

しかし、それらの設備に対する修繕費用も必要になってくるので、ランニングコストが高額になる恐れもあります。

物件を選ぶ場合には表面利回りだけではなく実質利回りについてもよく確認しておきましょう。

札幌市の収益物件を探す際におススメのサイト

ここでは、札幌市内の収益物件を検索する際におススメのサイトを紹介していきます。

三光リアルティ

三光リアルティは、株式会社三光不動産が手掛ける収益不動産検索サイトで、実店舗は札幌市北区にあります。

賃貸アパートやマンション、ビルなどの収益物件以外に居住用の物件の掲載もしていて、価格帯から物件の検索が可能です。

無料会員登録を行うことで、会員限定の物件の閲覧ができるようになります。

これから不動産投資を始める人向けに、このサイトから無料面談の申し込みをすることができ、収益物件を購入した後にその物件の管理業務を委託することが可能です。

また、三光リアルティ―から収益物件の購入を行う際には、融資を受けることができる金融機関を紹介してもらえたり、その金融機関から優遇金利で融資を受けたりできます。

株式会社オール

株式会社オールが手掛けているこのサイトでは一棟物件、区分マンション、事業用の3つのジャンルの中から収益物件の検索を行うことができます。

アパートやマンションなどの居住用収益物件だけではなく、ホテルや倉庫なども掲載されている点が大きな特徴です。

物件価格や利回り、年間家賃収入、築年数、構造、駅またはバス停までの徒歩距離、間取りなど細かな条件を指定して収益物件の検索を行うことが可能です。

無料会員登録を行うことで、会員専用の物件を閲覧することができるようになります。

この株式会社オールでは、土地活用の提案や入居率に特化した札幌市内での賃貸マンション経営の提案も行ってくれます。

賃貸仲介店舗の運営も行っているため、空室への客付けの依頼も可能です。

日本地建株式会社

日本地建株式会社は賃貸マンション、アパート、戸建て住宅等の企画、提案、販売(自社設計、施工)、物件の無料建物診断や改修工事、物件の無料査定、不動産仲介、高齢者協同住宅の企画と建築などを手掛けている業者です。

このサイト内では、札幌市内の収益物件の検索を行うことができ、無料会員登録を行うことで会員だけが閲覧できる非公開物件の閲覧が可能になります。

単に物件の検索を行うだけではなく、アパートやマンションを経営するための相談にも対応してくれます。実店舗があるため、対面での相談ができる点も安心です。

土地活用節税対策相続対策などに至るまで様々な内容に対応した提案をしてもらうことができます。

また、グループ会社に収益物件の入居者補修や斡旋を行う「株式会社NCK(アパマンショップネットワークフランチャイズ加盟店)」が法人部を含めて7店舗、賃貸マンションやアパートの維持・管理を行う「株式会社カンリ」が店舗あり、入居者の募集や家賃回収業務などの依頼を行うことができます。

まとめ

ここまで、北海道札幌市での不動産投資について解説してきました。

札幌市とはどのようなところかといったことや、札幌市で不動産投資を始める前に知っておきたいデータ、メリットとデメリット、注意点などについてお分かりいただけたと思います。

日本全体で少子高齢化が問題になっていますが、自治体の中には子育て支援に力を入れるエリアもあり、そのような自治体では人口や世帯数が増えているところもあります。

札幌市の中でもそのような場所を選んで収益物件を購入することにより、不動産投資で成功する確率を高めることができるでしょう。



八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ(不動産投資)プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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